デリーからの小旅行①ヒンドゥー寺院とモスクが並び建つ町マトゥラーへ

公開日 : 2015年01月10日
最終更新 :
筆者 : nok

狭い路地裏を抜けると、おもむろに姿を現すヤムナー河。

階段状のガート(沐浴場)には一心にプージャー(祈り)を続ける聖者たち。川面に浮かぶ小舟では船頭たちが昼寝をしながら、いつ来るかも分からないお客さんを待っています。

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ここは、デリーから南に約145キロ離れた聖地マトゥラー。ヒンドゥー教の神様の一柱、クリシュナ神の生誕の地として知られています。デリーからは車でも電車でも片道2~3時間で、日帰りも十分可能です。

中心部で車を降りると、大きな音楽と掛け声が聞こえてきます。祭りでも行われているのだろうかと見に行くと、30人ほどのグループが、楽器を演奏したり、踊ったりしながら、ヤムナー河畔のヴィシュラム・ガートに向かって行進していました。

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インド南部のインドールからはるばる来た巡礼者たちでした。彼らのプージャーに耳を傾けながら川を眺めていると、心がすーっと落ち着いていくような気がしました。

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この町で最も多くの参拝客が訪れるのがクリシュナ・ジャナムブーミ寺院。クリシュナの生誕の場所に建立されたといわれる寺院です(上記写真は入口)。

周囲には物々しい雰囲気が漂います。実はここはムガール帝国のアウラングゼーヴ帝が、ヒンドゥー寺院の上にモスクを建てたという、いわくつきの場所なのです。確かに、見上げると、たまねぎ形の屋根が目に入ります。

インドではイスラム教とヒンドゥー教の対立をあおるのはご法度。過去にモスクの破壊をきっかけとした大規模な暴動が何度も起きているのです。

このため、この寺院では至るところで軍が厳しく警備していて、財布以外の持ち物は、すべて預けなくてはなりません。インドにしては珍しく入念なボディチェックも行われ、夫がポケットに入れていたキーホルダーは、「何かのリモートコントローラーじゃないのか?」と問いただされました。

このように面倒なチェックがあり、カメラを持ち込むこともできませんが、それでも、一度訪れてみる価値のある場所だと思います。

モスクのすぐ隣にヒンドゥー寺院が新たに建てられているのですが、ふたつが並び合った姿に、複雑なものを感じながらも「非常に貴重なものを見ることができた」という気持ちになれます。

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見終わった後には、寺院の門前のスナック屋台で、今では少なくなった素焼きカップに入ったラッシーを飲んでみませんか。マトゥラーはラッシーの名産地として知られ、デリーでも「マトゥラー・ラッシー」と銘打ったラッシー屋があるほどなのです。

なお、寺院を見学する際は、靴を脱がなくてはなりません。

裸足だと、熱すぎたり冷えすぎたり汚れたりするので、気になる方は、靴下の着用をお忘れなく。また、昼間、寺院は閉まってしまうので、午前中か夕方に見学しましょう。

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