生と死が同居する場所 ヴァラナシ
ヒンドゥー教徒の憧れの地としてあまりにも有名なヴァラナシは、日本へ本帰国する前に絶対に行きたかった所でした。というか行った方がいいと言える所でした!
あまりにも有名すぎるガンジス河、母なるガンジス河で沐浴をすれば、全ての罪はつぐなわれて、されに死後荼毘されたあとに、灰をこの河に流してもらうと天国へ行けてスーパー浄化されてしまうという所なのです。
数々の映画のロケーションであまりにも有名ですが、実際に目で見る事にしました。ガンジス河は地元の人から「ガンガー」と呼ばれています。ちょうど2,510㌖に及ぶ河の中間に位置するヴァラナシ。ウッタル•プラデッシュ州の古都とされています。
今日は模範的な観光客らしく振る舞いました。1時間のボートツアーに参加してみました。勿論値段交渉は欠かせません。希望の値で行ってくれるか行ってくれないかの事だから,簡単ですが。
とにかく汚いボートだったので値切る事に成功してダジャースワメード•ガート(ガート=ヒンディー語で川岸の階段の意味)からハリシュチャンドラ•ガート(火葬場)までの小一時間ですが、火葬場のあるマルカニカ•ガートに行くと、船頭がボートの上からは写真を少しなら撮ってもいいですと言いました。
かなり大きな火葬場では担架に載せられた遺体が順番待ちをしています。親族がガンガーの水を顔にかけて祈りを捧げていたり、花をたくさん飾ったりしていました。
黄色の布でくるまれていた遺体は女性のもので、男性と寡婦は真っ白い布で覆われています。私たちはボートの上から望遠レンズで覗いていたので顔の表情もしっかり見る事が出来てしまいました。
順番がきたら、薪の上に遺体を置き、更に遺体の上にも薪をおいて荼毘すること3時間。遺灰をガンガーに流すと来生でも生まれ変わるといわれています。
今まで陽気に喋っていた私たち夫婦はこの光景に矢張り、カルチャーショックを受けて言葉を失ってしまいました。
凄いね〜なんてもんではありません。少々吐き気を感じながら数枚撮影をしたものの、火葬場の中では撮影は禁止だけど、遠いボートの上のこと。これは問題ないのだそうです。
子どもと動物の遺体はそのまま荼毘せずに流すというガンガー。そういう水の中で沐浴ね?と言葉を失ったのでした。
船頭も、勢いよく燃えているからあの遺体は凄いのだと言いました。そういえば、同時に9カ所くらいに煙が出ていますが、たき火でもしているのだろうか?と思うくらいの弱いのもありました。
ギーという溶かしバターに喪主が火をつけ荼毘するのだそうですが、オーストリア人の友人も何回かこの儀式を経験していると言っていました。長年住んでいると、そういうものだと思うのでしょうが矢張りカトリックの土葬しか住んでいたウィーンで経験した事のなかった私には心臓が締め付けられそうでした。
生と死がこの空間では不協和音ではなしにちゃんと調和しているのだと改めて「よそ者」の自分たちに気がつきました。
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