デルフトでプチ歴史散策。中世オランダの集合住宅「Hofje(ホッフェ)」

公開日 : 2021年07月13日
最終更新 :
筆者 : あお

こんにちは、デルフト特派員のあおです。


まず、オランダの新型コロナウイルスの状況ですが、6月下旬の規制緩和から2週間も経たないうちにデルタ株感染者数が爆発的に増えています。
先週末(2021年7月10日)には、1日1万人に到達してしまいました。政府も慌てて新たな規制を発表しましたが、一度増えてしまった感染者数はそう簡単には減らなそうなのでなんとも心配な状況です。
この夏にオランダへの渡航や日本への帰国等が控えている方は、検疫措置の変更などに注意を払っておいた方がよさそうです。


さて、今回紹介するのは中世オランダの興味深い住居「Hofje(ホッフェ)」です。
事態が収束し、安心して旅行できるようになったらぜひ訪れてみてください。

中世の集合住宅「Hofje(ホッフェ)」

Hofje(ホッフェ)とは、オランダで中世に建てられた小さな中庭つきの集合住宅のことです。
当時の富豪が、高齢者(多くは女性)や貧しい独身女性のために提供していたそうで、かつてはオランダの各地に存在していました。
現在ではその数も減っていますが、オランダの北側には比較的多く残っているそうです。ライデンには35個も残っているようですよ。(参照:Holland.com

デルフトのHofje(ホッフェ)

そんなHofjeですが、デルフトにもいくつか残っています。
どのHofjeもいまなお住居として使用されていますが、なかには無料で中庭を見学することができるところもあります。ただし、いずれも住民の方には十分に配慮したうえで見学してください。

◆Hofje van Pauw

このHofjeは、Elisabeth Pauw(エリザベス・パウ)の遺言によって、1707年に建てられました。彼女はデルフト市長Jacob Pauwの娘ですが、ふたりの夫(ひとり目は死別)も市長でした。そうした身分の高い家柄出身だったこともあり、このように広く立派なHofjeが建てることができました。門構えもかなり立派です。

こちらのHofjeには8戸の住居が並んでいます。中庭は2007年に改修されたそうで、ヨーロッパらしい左右対称な整然とした作りになっています。
中庭へは自由に入れますが、ここは現在精神的なハンディを抱える方たちのための住居となっています。

Hofje van Pauw
住所
Paardenmarkt 61, 2611 PD Delft
入場料
無料

◆Hofje van Gratie

Hofje van Gratie は、Hofje van Pauwの隣に位置しています。
このHofjeは、1575年にPieter Sasboutによって独身女性のための無料の住まいとしてKorte Geerという場所に建てられましたが、1660年にいまの場所に移ってきました。

ここのHofjeの特徴は、ほかのものと違い住居が通りに面していること。中庭を見学することはできませんが、写真のような外観を眺めることができます。こちらも現役の住居です。
周りの住宅にとけこんでいて見つけにくいですが、正面の紋章のレリーフを目印に探すとすぐにわかります。

Hofje van Gratie
住所
Van der Mastenstraat 24-38, 2611 NZ Delft

◆Klaeuwshofje

このHofjeは、DirckとElisabeth Uyttenhage van Ruyven夫妻によって1605年に建てられました。名前の由来は、彼らのビール醸造所から来ているそうです。
東門のすぐ裏手に位置するこのHofjeは扉で閉ざされていますが、9:00~21:00の間は中に入って見学できます。出入りするときは、扉をしっかり閉めることも忘れずに。

例に漏れずここも現役の住まいで、美しい中庭を囲むようにして部屋が並びます。
春に訪れた際は、八重桜やチューリップが咲きみだれていて、ちょっとした秘密の花園のようでした。

Klaeuwshofje
住所
Oranje Plantage 2611, 2611 SX Delft
見学可能時間
9:00~21:00
入場料
無料

筆者

東京特派員

あお

東京らしい話題の場所からささやかな日常の風景まで、在住者目線で東京の姿をお届けしていきます。

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