動物たちが勢揃い! タンザニアの新パスポート

公開日 : 2019年08月04日
最終更新 :

セキュリティを向上させるべく、タンザニアのパスポートがリニューアルされたのは

2018年1月。2019年3月に欧州のマルタで行われた「欧州・中東・アフリカ・ハイセキュリティ

印刷会議( High Security Printing™ EMEA conference)」で、「IDドキュメント・オブ・

ザ・イヤー」をも受賞した、高セキュリティなパスポートです。

cover.jpg

タンザニアの国章(※タンザニアのゴージャスな国章については、こちらの記事で詳しく

ご紹介しています!)が描かれているパスポートの表紙は、今回のリニューアルを機に

今までの深い緑色から明るい青色に変わりました。

加えて目を引くのが、国名の上に追加された"East African Community"という表現です。

旧パスポートでは、国名"United Republic of Tanzania(タンザニア連合共和国)"だけ

でした。

この"East African Community"略して"EAC"は、日本語では「東アフリカ共同体」と

呼ばれます。1967年、タンザニアおよびケニアの初代大統領らによって設立され、その

本部はタンザニア北部の都市・アルーシャに置かれています。

東部アフリカ6か国を加盟国とし、将来的にはEUのような統合を目指しているEACの

モットーは"One People, One Destiny(同一の人々、同一の運命)"です。

*

さて、新パスポートの鮮やかな青表紙をめくってみましょう。

草原の木や草が描かれた淡い水色のグラデーションを背景に、アフリカの動物たちが

見開きページごとに次々と登場します! ゾウ、キリン、ライオン、シマウマ等々

合計8種類。

page.jpg

合間には、人々と共にあるニエレレ初代大統領や、そびえるヤシの木のページなど

もありますよ。

Nyerere.jpg

そしてパスポートの中央ページに見開きで広がるのは、19世紀の建造物「驚愕の家(The

House of Wonders)」の優美な姿。世界遺産にも登録されているエキゾチックな街・

ザンジバルはストーンタウンのシンボルです。

Zanzibar.jpg

所持人名や顔写真のページにあるのは霊峰キリマンジャロ山、といった具合に、

新パスポートは最初から最後までタンザニアのシンボルが満載となっています!

そして最後にはニエレレ初代大統領による印象的な一文が。

「自由(Uhuru)」と名付けられた聖火の画を挟み、スワヒリ語と英語で書かれている

その文とは...

Torch.jpg

"We have lighted the Uhuru torch and place it at the peak of Mount Kilimanjaro,

to shine within and outside our boundaries, to bring hope where there is despair,

love where there is hatred and respect where there is contempt."

(国境の内外を照らし、絶望のあるところに希望を、憎しみのあるところに愛を、軽蔑

のあるところに敬意をもたらすため、ウフルトーチを灯しキリマンジャロ山の山頂に捧

げる。)

ここで語られているウフルトーチとは、タンザニアのシンボルの一つ、"Uhuru Torch

(自由の聖火)"のことです。もちろん、国章のデザインにも入っていますよ。

文章からは、建国の希望に溢れる当時のタンザニアが偲ばれます。

「自由の聖火」は、独立した正にその日(1961年12月9日)にキリマンジャロ山の山頂

で初めて灯されました。実はこの時以来、タンザニア国内では聖火レースがずっと続け

られており、今も国内のどこかを駆け巡っているのです! 2019年はタンザニア南部の

都市・ソンゲア(Songea)からの出発でした。独立時のスピリットは、今もこうして

受け継がれています。

タンザニアのシンボルが散りばめられた新パスポート、皆さんも空港などで目にする

機会があるかもしれませんね!

筆者

タンザニア特派員

西東たまき

2012年より東アフリカ・タンザニアのダルエスサラーム在住です。様々な側面から垣間見るダルエスサラームをレポートします。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。