マチュピチュってどうしてそんなに人気なの?
数ある世界遺産の中でも、マチュピチュはとりわけ人気の高い遺跡です。人気観光スポットランキングなどでも度々1位を獲得するなど、絶大な人気を誇っています。
しかし、どうしてそんなに人気なのでしょう?
その理由はインカ帝国時代の人々が持っていた自然と融合する精神と関係がありました。
マチュピチュ遺跡は入り口側からワイナピチュ山をバックに見る構図が定番となっています。
こうしてみると、マチュピチュが他に何もない山脈のど真ん中に建築された"空中都市"であることが分かります。
マチュピチュの魅力の一つは雄大な自然と高度な建築の融合にあります。圧倒されるような美しい自然に人は感動を覚えます。
また、高度な建築による遺跡(例えばエジプトのピラミッド)にも人は驚嘆します。しかし、マチュピチュはその両方を併せ持っている遺跡なのです。
そのためユネスコはマチュピチュを文化遺産および自然遺産の両方の条件を満たす「複合遺産」として認定しています。
マチュピチュはたまたまアンデス山脈の中の美しい場所に建造されたわけではありません。インカの人々は都市を築く際に念入りに調査をし、その場所の景観を吟味していました。そして、ただ無造作に建築するのではなく何かモチーフを定めて都市をデザインしたようです。
例えば、ピサックという遺跡はコンドルが羽を休めている姿に見える形の山に町が築かれています。その山の反対側の丘には山の形を見る際のポイントとなる岩が置かれており、そこからピサックの山がコンドルの形に見えるように、山を削って加工したようです。
また、クスコの街も地形を利用して街全体が座っているプーマに見えるようにデザインされています。
マチュピチュについても同様に、美しい景観の場所が探されただけでなく、自然の地形を上手に利用したデザインがされています。
ワイナピチュ山をバックにしたマチュピチュの写真を90度回転してみると、そこに横顔が浮かび上がります。私も最初にこれを聞いたときはこじつけのように感じましたが、他の都市のデザインの方法と比べると、確かにインカ皇帝の横顔が見える場所を選んでマチュピチュが建設されたと信じることができます。
この横顔の鼻にあたる部分がワイナピチュという名前の山になっており、マチュピチュ遺跡はワイナピチュから見下ろすことができます。
マチュピチュをワイナピチュから見下ろすと、街の形が単純ではないことが分かります。この写真を上下逆さにして見てみましょう。
赤い線で分かりやすいようにラインを引きましたが、マチュピチュ遺跡の外観は何と、飛んでいるコンドルがモチーフとなっているのです。
(翼の部分は樹木に覆われてしまっていますが、下にはまだ遺跡の発掘がされていない部分が埋もれているので、こじつけではありません。)
彼らにとってプーマと並んで聖なる生き物であったコンドルを、自然の地形を利用して見事に描いているセンスには脱帽です。
このように、マチュピチュは無機質な人工物ではなく、大自然に調和するように入念にデザインされているのです。
大自然の雄大さを理解していた文明だからこそ造ることのできた自然と調和する建造物、だからこそ多くの人はその光景に神秘的な魅力を感じるのではないでしょうか。
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