モロッコについて日本の人達に知って欲しいこと

公開日 : 2015年06月02日
最終更新 :
筆者 : カサ

今回の記事は Morocco World Newsでピースコープ(アメリカのボランティア団体)の隊員の方が書かれていた What I wish Americans knew about Morocco (モロッコについてアメリカの人達に知って欲しいこと)という記事を読んで、すごく共感をするところが多かったので、本文を直訳する代わりに、私のエピソードを含めてモロッコについて日本の人達に知って欲しいことと題して書きたいと思います。

モロッコに来ることを決めた時、少なくない人に「なぜわざわざイスラム教の国に行くの?すごいね。」などとよく言われました。

今でも日本に帰ると、「イスラム教の国に住んでいるのか!すごいな!」などとたまに言われます。

こういう類のことを言われるとすごく返事に困ります。言い返したいことは沢山あるけど、イスラム教だから~、イスラム教徒は~、と思い込んでいる人達には何か言ったところで耳には届かないですから、何も言えないのです。

外国に住んですごいね!と言ってもらえることはすごくうれしいですが、「イスラム教の国」に住むなんてすごいね!と言われることには違和感を感じます。

日が出ずる国日本と日が沈む国モロッコでは歴史的にも文化的にもほとんど接点もありませんし、日本ではイスラム教について触れたり、イスラム教徒と接する機会も場所も少ないです。知られていないことは仕方のないことなのかもしれません。ですが、縁あって、住んで、見て、知る機会を得た身として、少しでも知らない人に知ってもらえるきっかけになればと思います。

モロッコはイスラム教の国です。そして、とても住みやすい国です。テロリストの国ではありません。イスラム教は心が清く安静な状態を保てるように、教えを与えてくれる宗教です。Islamの語源であるsalamとは平和や安全を意味し、モロッコ人達は挨拶する時この言葉を、「サラーム!」と陽気に言いあいます。

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多くのモロッコの女性は、フェミニストです。キャリアウーマン、社会活動家、政治家、経営者、一家の大黒柱...社会で活躍している女性が沢山います。彼女たちはイスラム教徒であり、フェミニストでもあります。両者は両立できるのです。

そして、それを支えてくれる男性も沢山います。

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心無い男性によるストリートハラスメントは多いですが、多くのモロッコの男性は女性をに対しても同様に敬意を示してくれます。イスラム教の聖典『コーラン』にもそう書かれているように、男性も女性も尊厳をもって接してくれます。

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モロッコの人々は外国から来た人々に対してとても友好的で、ホスピタリティに溢れる人々です。

電車のコンパートメントに居合わせたおばさんと言葉も通じないのに延々とおしゃべりして、お別れのときにはもうまるで我が子のように可愛がってもらったり、

言葉が通じなくて困っている私をタクシーに乗せて、運転手に目的地を伝え、確実に私が目的地に着けるように何度も念押しし、ちゃんと出発するのを姿が見えなくなるまで見送ってくれたり、

車が動かなくなって困っていたら、尋ねるともなく人だかりが集まってきてくれ、あっという間に車を修理してくれたり。

皆その時その場で出会った、通りすがりの人達です。こんなことが毎日毎日起こります。

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モロッコは砂漠ばかりがある国ではありません。アトラス山脈、リフ山脈、何百キロと続くビーチ、緑豊かな森や草原、飲み水・炭酸水・温かい水が湧く泉などもあります。雪も降り、スキーもできます。冬に降る雨がもたらす春の緑の大地の美しい風景を沢山の人に見て欲しいと思います。

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金曜日、朝早くからモロッコのお母さん達が3時間以上もかけて作ってくれるクスクスがどれだけ美味しいか、一つの大きなお皿を囲んで家族、親せき、ご近所、お友達と一緒に食べるクスクスがどれだけ美味しいか、沢山の人に味わってもらいたいと思います。

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もちろん、モロッコに住むということは楽しいことや簡単なことばかりではありません。宗教や社会文化的背景、様々な違いがありますが、スークでスパイスを買ったり、ラクダに乗って旅をしたり、タジン料理ばかりを食べているだけでもありません。少しでも、モロッコの色んな姿を知ってもらえれば、嬉しく思います。

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