ミロンガのマナーとルールって?*Salón Canning
タンゴを習い始めて2年経ちました。
その間、師事していた先生がスペインに行ってしまい
その後しばらく色々なクラスを点々とするタンゴ難民(?)だった時期もありましたが、
今は〈Academia Nacional del Tango/国立タンゴアカデミー〉で学んでいます。
先生が熱心に教えてくれるのも有り難いですが、何より
一般のクラスに比べると授業料がかなり安いのも有り難いです。
*この学校の詳細は、過去記事「タンゴ博物館でタンゴのレッスンを受けてみない?」をご覧下さい。
私は、タンゴ仲間のエリックと一緒にクラスを受けているのですが、
ある日このクラスで、一人の日本人女性に出会いました。
現在ヨーロッパに住むAさんは、嬉しいことに
このブログの過去記事を読んで、クラスに参加されたのです。
日本に住んでいた頃からずっとタンゴを習っていたというAさんとすぐに意気投合し、
クラスの後、近くのバルに飲みに行きました。
そして後日、Centro Cultural;Borgesに、タンゴショーを観に行きました。
でも何より楽しかったのは、二人で出かけたミロンガです。
【Salón Canning】は、クラスやショーも楽しめる一石三鳥のお得なミロンガ。
(まあ、どこのミロンガも大体そうなのですが)
タンゴ目的の外国人観光客によく知られている【Confitería Ideal】(いずれご紹介しますね)は
どちらかというとおじいちゃん・おばあちゃん率が高いのですが、
ここSalón Canningは、踊っている人の平均年齢が低いような気がします。
ガンガン踊りたい若者に人気のミロンガです。
クラスが終わる23時以降に、ようやくミロンガが始まります。
プロのショーが始まるのは、さらに夜が更けてから。
みんなオールナイトで、タンゴ一色の夜を楽しむのです。
さて、ミロンガには、いくつかのマナーとルールがあります。
服装、誘い方・誘われ方、そして踊り方。
それぞれのマナーとルールを知って、
あなたもアルゼンチンでミロンガデビューしてみませんか?
まず、服装。
昼間のミロンガには
パンツスタイルのカジュアルな女性もいますが、これは外国人に多く、
地元の女性は昼間でもきちんとメイクをし
ちょっぴりエレガントなスカートをひらひらさせながら踊っています。
夜のミロンガになると、さらにエレガント。
肩出しのドレス、シャンデリアの灯りにキラキラと反射するアクセサリー、
どの女性も、自分を美しく演出して繰り出すのです。
どこのミロンガでも、
着替えをしたりメイクをしたりする女性で、トイレの中は大騒ぎ。
なんと、ここ【Salón Canning】のトイレの中には売り子もいて、
ミロンガ用のスカートやドレスを販売しています。
次に、誘い方(男性)と誘われ方(女性)。
席に座っていると、男性がこちらにやってきます。
視線が合うと、「Bailamos?/踊りませんか」と声をかけてくれます。
声をかけずに、視線だけで誘うこなれた男性もいます。
女性は、ここで軽くうなずくだけでOK。
もし踊りたくないキブンの時は、
「Perdón, estoy cansada/ごめんなさい、いま疲れています」
「Bailamos más terde/あとで踊りましょう」
などと丁寧に断ります。
私は一度、夫と一緒にミロンガに行ったのですが、
私を誘おうと試みる男性に夫がガンを飛ばしてしまうので(笑)
その夜はほとんど誘ってもらえませんでした。
でも、男性の皆さんご安心を。
ミロンガでは、パートナー連れの女性を誘ってもいいのです。
その場合は、女性の隣にいるパートナーの男性に
その女性を誘ってもいいかどうかを軽く訊ねます。
男性が承諾したら、はじめて女性を誘うのです。
タンゴ音楽には、
タンゴ(4/4拍子)、ミロンガ(2/4拍子)、そしてワルツ(3/4拍子)があります。
ミロンガでは、それぞれのタイプの音楽が4曲続けて流れます。
例えば、1曲目にタンゴが流れたら、続く3曲もタンゴです。
男性に誘われたら、続けて4曲踊るのが普通です。
でも、男性のリードが自分の好みではないとか
4曲続けてこの男性と踊るのはイヤだという時には、
曲が終わった時に「Gracias/ありがとう」と言います。
その台詞が、二人の踊りの終止符を意味するのです。
これを言われた男性は、「ボクとはもう踊りたくないんだな」と察し
女性を席まで送り届けてくれます。
断る女性も、断られる男性も、最後まで淑女・紳士的に振る舞うのがマナー。
時々、ミロンガで日本人女性のグループを見かけることがあります。
そして時々、一曲踊っただけで席に送り届けられている女性を見かけることも。
もしかしたら、曲が終わると無意識に「Gracias」と言ってしまっているのかな?
最後に、踊り方のルール。
ミロンガでは、フロアを左回りに踊らなくてはなりませんが、
これは男性がリードしてくれるので、女性は気が楽です。
逆に男性は、フロアで踊る人の流れに乗りつつ女性をリードし、
フロアが混み合っている時には、別のPareja(パレハ/カップルのこと)にぶつからないように
動きを組み立てていかなければならないので大変です。
ぶつかってしまった場合は、男性の方が相手のParejaに「Perdón」と謝りますが
一緒に踊っている女性の方も相手を気遣う気持ちを持つことは大切です。
一度、2つのParejaがフロア内でぶつかってしまった場面を目撃しました。
ぶつかってしまっただけでなく、
片方のParejaの女性がもう片方の女性の靴を踏んでしまったのです。
その時、靴を踏まれた方の女性がすぐに怒りをあらわにし、
英語で文句を言いながら(彼女は英語圏の観光客なのでしょう)
相手の女性の肩を押したのには驚きました。
そこまで激しくなくても、
ぶつかったり靴を踏まれたりした時に相手を睨みつける人もいます。
そういう人は、日常生活でも短気な女性なんだろうなあと思います。
わざとぶつかる人はいないのですから、もっとおおらかな気持ちであって欲しいもの。
言うまでもなく、接触してしまった時には、
お互いに「ごめんなさい」「いいえ、大丈夫です」と挨拶を交わすのがマナーです。
この他にも気をつかわなくてはならないのが、"香り” です。
中年の男性にはどうしても加齢臭があるものですが、
若い男性でも、汗の臭いが気になる人もいます。
ミロンガで踊る時は、柔らかく香りが漂う香水を使うといいですね。
【Salón Canning】 ミロンガの前にクラスを受けることが出来ます。
住所*Scalabrini Ortiz 1331
【記載内容について】
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