チェコから生まれた「新世界」、チェコから生まれる「新世界」
プラハからウィーンへの電車に乗る旅行客を見ていると、初めのうちは田園風景に歓声を上げたり、
写真を撮る人を見かけることもありますが、しばらくすると飽きが来て、携帯電話で写真を見始める人、
ゲームを始める人、本を読み始める人、夢の世界に旅立つ人、思い思いの時間を過ごし始めます。
というのも、プラハを出てから15分も経てば、停車する駅の周辺、街の中を除いて、どこまでも同じ景色が続くからです。
初めて車で街から街への道すがら、チェコ人から「世界の終わり」と景色を表現されて思わず笑ってしまいました。
現在私の住むチェコ東部モラヴィア地方にあるチェコ第二の都市ブルノ。
プラハ―ウィーン間の電車で途中駅となってしまうこの街を訪れる観光客は、プラハに比べると多くはありません。
ですが、この街を、そしてこの街のあるチェコ東部モラヴィア地方を見ることで、知ることで、
全く異なるチェコの姿が浮かび上がってきます。
プラハ―ブルノ間の電車は今年からはすべて新しいモデルの電車となりました。
電車が静かに進んでいきます。
つい先日までは旧式の電車も走っていたのですが、モラヴィア地方内を走る電車には、
時間帯により今も旧式の電車が走っています。
がたんごとんがたんごとんと音を立て、停車時にはキキキキーっというすさまじい音を立て、
耳を塞がないと耐えられないほどです。
この電車が大好きだったチェコ出身の作曲家がいます。名前はドヴォルザーク。
チェコ人にはドゥヴォジャークと言わないと通じません。
電車の出発、進行、停車時が想起される音が新世界の中には描かれています。
ドヴォルザークが今の電車に乗っていたら、新世界は違った曲となっていたことでしょう。
これから、旧世界のようでいて、それでいて新世界、そんなチェコの姿を紹介して参ります。
違ったチェコの姿を感じて頂くと同時に、皆様の中にも「新世界」が生まれることを祈りつつ。
秋野紗也佳
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