スペイン人との結婚について

公開日 : 2009年10月29日
最終更新 :
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写真は、スペイン人と結婚するともらえる、「家族手帳」libro de familia

です。

 スペイン人との夫との結婚の手続きは日本で全てしました。というのは、日本の婚姻手続きの方が簡単なように思えたからですが、結果から言って東京六本木のスペイン大使館へ夫婦プラス証人と出向かなければならず、面倒臭さで言えば同じようなものだったと思います。

 そもそも日本で手続きの簡単さから言って日本でしよう、と思ったのは、結婚式もせず、ビザの関係で早く手続きを済ませたかった私達にとって、代理人でも身分証明があれば提出でき、しかも365日24時間受け付けてくれる、とてもドライな日本の婚姻届の出し方は便利に思えたからです。

 一方、スペインといえば、結婚の仕方としては教会での結婚式のあと(もちろん省略可能)、市役所内の「結婚を証明する部屋」というところへの2人で出向き(友達も呼べるそうです)、そこで市長の代理の前で結婚の宣誓をするんだそうです。そうやって、虚偽の申し出でないことを確認されます。日本の結婚の手続きを先にした私達も、結局、東京の六本木のスペイン大使館に「2人が一緒に」出向くことを要求されました(証人と一緒に行かなかったので危うく却下されそうになりましたが)。

 ところが、実際私の周りを見ると、最近の30代ぐらいのカップルだと、子供もいる家族でも、結婚していない家族がたくさんいます。理由のひとつとしては、結婚していなくても、写真の「家族手帳(libro de familia)を申請でき、育休など、様々な家族としての権利が守られることがあります。また、スペイン語圏は、苗字を父方、母方、両方を名乗る文化で、結婚しても夫も妻も苗字を変えません。兄弟同士以外は、父母、子供、全員が異なる苗字のコンビネーションでありながら、一つの家族として存在する、という、日本とはかなり異なる文化が、結婚手続きをしない家族が増える背景にあると思います。簡単にいうと、両親が結婚しているか、していないかが、子供の苗字にまったくあらわれない、ということなんです。

 子供はふつう、自分の名前につづいて、父の苗字、次に母の苗字の順番で名乗ります。父の苗字を先に名乗るところが男尊女卑の現れだ、と言う人もいるそうですが、夫の苗字を選べば妻の苗字は完全に消えてしまう日本の方式よりはずいぶんいいとも思えます。私の子供の場合、日本では、夫が外国人だったために、夫の苗字は選べず、私の苗字だけになっています(日本のパスポートとスペインのパスポートとでは名前がちがうんです)。子供に夫の苗字を与えようとすれば、私が夫の苗字に変える必要があります(私は自分の苗字を維持しています)。一方、スペインでは、夫の苗字、私の苗字が、他のスペイン人と同じように息子の為に受理されました。ひとつしか苗字が選べないのは日本の文化としてよしとしても、外国人の夫の苗字を選ぶ権利が、私の子供に始めからないのは、スペインのやり方を見たあとだと、とても不思議に思います。

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