新型コロナ:水際対策の強化に伴う日本入国者全員対象の強制隔離体験

公開日 : 2021年03月23日
最終更新 :

日本入国者全員を対象に強制隔離政策が始まった今月の渡航の体験をご紹介しています。

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1) 渡航準備から関西国際空港での手続き

今回の記事→ 2) 関西国際空港の強制隔離施設へ

3) 強制隔離施設のホテル日航のお部屋と3日目の再度のPCR検査

4) 指定隔離施設で提供されるお食事と持参したら良いモノ

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今年1月に日本に入国した際は、PCR検査の陰性結果証明がないと指定宿泊施設での3日間の強制隔離滞在でしたが、3月5日からスイスからの入国者は全員、指定宿泊施設での3日間の強制隔離滞在となりました。

3月は春休みに入る時期で、スイスに留学されているお子様たちが帰国する直前の規制変更だったので、留学生をお世話する私達は、再び日本政府に振り回されることになりました。

私も6歳の留学生マサヒコ君のお供をして日本に帰国する予定があったので、ギリギリになって、色々な調整をしなければなりませんでした。

子どもも一人で隔離!

入国規制変更発表当初は、「とにかく全員隔離」、「一人渡航の子どもも一人部屋」ということでした。

弊社は小学生以下のお子様のお世話もしています。

幸い、当社がお世話するお子様の中で5歳で一人旅をしているお子様はいらっしゃいませんでしたが、法的には5才児も保護者なしで渡航できるので、そういう子ども達を一人でホテルの部屋に閉じ込めておくとは、正気の沙汰とは思えない、と思ったところです。

強制隔離が発表されてから当社スタッフが毎日のように厚労省や空港の免疫担当に電話で連絡していたのですが、日々、想定されていなかったケースが実務的に表面化されたようで、当初より強制隔離の規制が緩和されました。

私はマサヒコ君と3泊過ごす覚悟をしていましたが、結局のところは、小学生以下の子どもの場合は、保護者一人が付き添い宿泊ができる、ということで落ち着いています。

このような政策を決定した政治家や官僚の方たちは、3歳から寮生活ができるスイス留学の存在を知ってもらいたいものですね。

そして、3月は、多くの留学生が帰国する時期だってことも。

現在、スイスから経由便が使えても、直行便で帰国する留学生が多く、直行便が到着する成田空港は迎えに来るご家族の皆さんでごった返していることでしょう。

私は、6歳の留学生のマサヒコ君の日本帰国に付き添って入国しましたが、私が関空に到着したときには、お迎えのご家族はマサヒコ君の親御様のみでした。

食事の配慮なし

3月5日に成田に到着した方の話では、支給される食事は乳幼児やアレルギーの配慮は一切なく、必要であれば「持参してください」という非人道的とも思える対応でした。

私が3月20日に到着したときには、アレルギーや宗教上の理由で食べれないものがあるかというアンケートがありましたが、これは、関空は成田より入国者少ないから対応ができているのか、他の空港でも改善されたのか、の確認は取れていません。 

禁煙・禁酒!

強制隔離期間は、禁煙・禁酒です。

食べ物のアンケートには、喫煙者かどうかの質問もありました。臭いの感知でもするのでしょうか。

ちなみに、飲酒者かどうかの質問はありませんでした。

関空に到着後、PCR検査を受けた後、諸々の手続きがありますが、そこで、初めて禁煙・禁酒を聞いたと思われる中小企業の社長風なかっぷくの良い男性が、「3日間も禁煙・禁酒!」と随分ショックを受けてらっしゃいました。

隔離施設への移動

空港での所々のコロナ対策手続きが終わり、待つこと3時間。

10組ほどのグループで、ホテルへ向かうことになりました。

待合所から到着ゲートまで、まだ関所があります。

まず、陰性結果をもらい、入国審査、そして、荷物を受け取ってから税関を通り、やっと到着ゲートです。

そこで、マサヒコ君はやっとご両親様に会うことができました!

成田や羽田到着の強制隔離施設へは徒歩で行ける距離ではないですが、関空の場合は、空港内のホテルなので徒歩数分で楽々行ける距離です。

しかしながら、隔離したルートを設けるために、到着ゲートから外に出て、バスに乗り、数分揺られてホテルへ移動しました。

お母様が同泊されるマサヒコ君家族は、担当者が引率して一歩先にホテルに向かわれました。

3月5日に使用された成田空港からのバスは、椅子や窓はビニールで覆われ、窓からの景色は一切見えず、怯えて泣く子どもや怒っている大人がいるなど、物々しい雰囲気だと聞いていました。

所変わって、関空からのバスは至って通常。コロナ対策で座席の背もたれの上に透明な板が設置されていただけだったので、夜景を見ながら移動することができました。

Bus.JPG

隔離施設へチェックイン

成田や羽田到着後のホテルでは、チェックインでも1時間とか待たされるようですが、関空のホテルは到着してグループの最後尾にいた私も10分もせずチェックインが完了していました。

手続きとしては、空港の待機所でもらった食事制限についてのフォームを提出するだけです。

東京のホテルでは、諸々強制隔離滞在中のことだとか、アプリの説明だとかが口頭でされたことでより時間がかかったようです。

関空のホテルでは、資料が渡され、「読んでおいてください〜」と言った感じでした。

隔離施設での滞在 

隔離施設として使用されているホテルは、ホテル日航関西空港です。

新型コロナウイルスの影響で14日間の自己隔離が始まった昨年から、私はマサヒコ君の送り迎え時に同ホテルに数泊宿泊し、スイスへ帰国する生活をしているので、お部屋の中では「強制隔離」という気分ではないです。

また、一人宿泊にもかかわらず、ツインのお部屋に泊まれているので、そこまで窮屈感はありません。

しかし、いくつかの違いがあります。

決定的な違いは、お部屋のドアを開けると「廊下にはいつも監視員がいること」です。

悪いことをしていないのに、見張られている感覚で胸が締め付けられる思いがします。

自主隔離滞在のときも、ベッドメイキングをお断りし、ほとんど部屋にこもり、一日中外室しないときもあるし、外出するにしても一日一度ですが、「部屋から出てはいけない」となると、気分が違いますね。

動画:関西空港の強制隔離施設へ移動

長くなったので、強制隔離施設のお部屋や食事については、また後日!

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1) 渡航準備から関西国際空港での手続き

今回の記事→ 2) 関西国際空港の強制隔離施設へ

3) 強制隔離施設のホテル日航のお部屋と3日目の再度のPCR検査

4) 指定隔離施設で提供されるお食事と持参したら良いモノ

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筆者

スイス特派員

田山 貴子

欧州移住を目指して日本から求職し、2000年よりベルン在住。スイスの会社に10年間勤めた後、日本とスイスの架け橋になるべく起業。

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