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更地から奇跡の復活!路地裏の名湯「梅園温泉」

カテゴリー:見所・観光・定番スポット 投稿日:2019年1月15日

別府駅東口から徒歩約10分。路地裏にひっそりとたたずむ区営温泉「梅園温泉」は、大正5年創業の歴史ある共同浴場です。2016年の熊本大分地震で倒壊し、一時は更地になっていましたが、2018年12月地元の人たちの尽力によってリニューアルオープンを果たしました!今回は梅園温泉の再建検討委員会の代表を務められている平野さんに、温泉の歴史や再建までの道のりをお伺いしてきました。
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「梅園温泉は約100年の歴史がある共同浴場で、当初は個人の持ち物として運営していました。後に市に寄付され、市営温泉として営業していた時期もあります。昔は砂湯が併設されていたので「新・竹瓦温泉」と呼ばれていたんですよ。砂湯と言ったら竹瓦温泉が有名ですから。砂湯は戦後ぐらいまではあったようですが、その後は無くなりました。」
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「梅園温泉という名前は、この辺りが梅園町と呼ばれていたことに由来します。少し先にある波止場神社に菅原道真公が祀られているのですが、道真公といえば梅ということで、この前の通りは「梅園通り」と呼ばれるようになりました。」
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「昔の建物は完全に取り壊されてしまったので、看板やタイルといったパーツが残るだけです。新しい建物の外壁の看板は、昔あった梅園温泉の看板のデザインを使いました。以前の建物が古くて趣があったので、新しい建物もなるべくレトロな雰囲気にしょうというのがコンセプトですが、バリアフリーに配慮するなど利便性も兼ね備えています。足湯も新しく併設しました。」
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「再建にあたり、クラウドファンディングを使って宣伝効果も狙いました。結果、ただ寄付をつのるだけでなく全国の人に梅園温泉を知ってもらい、関心を持っていただけるきっかけになったと思います。正月休みには東京から再開を聞きつけてわざわざ入りに来られた方や、ロンドンから来てくれた人もいました。寄付とクラウドファンディングで約620万円が集まりましたが、寄付していただいた金額以上に得るものが多かったです。」


入浴料は一般で300円、組合員が200円。受付で2,000円以上寄付された人は、誰でも組合員になれます。市からの融資600万円はこれからも返済して行かなければなりません。寄付は現在も受付中なので、ぜひご協力おねがいします。
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「組合員にはタイムカードをお渡ししているので、入浴する際に入り口で入った時間と出た時間を押してもらっています。このタイムカードはポイントカードになっていて、年末に入浴した回数に応じてポイント還元するシステムです。普通はたくさん入りに来るとその分料金がかかりますが、うちは逆にお得になるんですよ!いっぱい温泉に入って、健康になって貰いたいから。ポイントは次の年の組合費を割引く形で還元しています。」
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料金は受付で払ってもいいですが、浴室内のコインロッカーの使用料で立て替えることもでき、組合員用と一般用に200円と300円のロッカーが2種類用意されています。
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こちらは女湯。梅園温泉は以前から、女湯の方が男湯よりも大きい造りになっているんだとか。再建するとき「男湯の方を広くして欲しい」という要望もあったそうですが、この辺りはお店をやっている女性が多い地域なので引き続き女湯を大きくしたそうです。

スナックのママさんが仕事帰りに立ち寄れるように、夜11時まで営業。朝は11時からのオープンです。
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浴槽の上に描かれた富士山の絵にも、実は隠された意味があります。それは別府を現在のような観光都市に作りかえた実業家・油屋熊八の考案したキャッチコピー


「山は富士 海は瀬戸内 湯は別府」


にちなんでいるんだとか。ちなみに女湯は山梨側から見た富士、男湯は静岡側からの富士の絵柄となっています。
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浴室の壁に飾ってある小皿は平野さんが10年以上かけてコレクションしたアンティーク品で、明治〜昭和初期の物だそう。少しでも「梅園」と言う雰囲気が出た方がいいと、梅の絵柄を全部で20種類選び5枚ずつ梅の花の形にディスプレイしました。
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梅園温泉の泉質は分析表では単純泉ということになっていますが、炭酸水素ナトリウムやメタケイ酸といった美肌成分が多く含まれているので、女性に大変オススメです。さらに梅園温泉の源泉は別府では珍しい46度ぐらいの適温。だから加温したり冷ましたりする手間もなく、湧いたそばからジャンジャン掛け流すことができ、お湯の鮮度が抜群なんです。

「梅園温泉に入り慣れた人はみんなここが一番だって言いますね!」と平野さん。
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こちらは男湯。女湯より一回り小さいのと、浴室のタイルが青を基調としていること以外は女湯と造りにそれほど違いは無いようです。
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あれ?よく見ると男湯の暖簾には「義彦乃湯」と書かれています。女湯の方には無かったような...義彦って誰?地元の名士でしょうか。

「義彦さんは、20万円もの高額の寄付をして下さった方の名前なんです(笑)女湯の方はまだ命名権が残っていますので、興味のある方はぜひ。」

梅園温泉の女湯があなたの名前になるチャンスかも?!
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新しくできた足湯も、ある方がポ〜ンと個人で寄付して下さったんだとか。なんて太っ腹...あやかりたい。
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壁面に飾られた金魚のタイル絵も近所の人からの寄付で、昭和初期に銭湯でよく使われていた手描きのタイル絵です。

「温泉再建にあたって泉質を再調査してみたところ、なんと飲泉許可が下りたんですよ!足湯の蛇口からどなたでも無料で飲んでいただけます。」
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別府には意外と飲める温泉が少ないので、飲泉許可は非常に貴重。コップも併設されてみては?

「それは私も考えたんですが、コップの使い回しは保健所から許可がおりなくて。だから受付で梅園温泉オリジナルの飲泉カップを販売しようということになりました。飲泉カップとタオル、トートバッグをセットにして「梅園温泉お風呂セット」として販売するのもいいかななんて考えているところです。」

カップは近日中に製品化されるとのこと。できあがりが楽しみですね。
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「私は35年ぐらい前から別府の歴史や文化を後世に伝えていこうと、別府の資料なんかを少しずつ集めて資料館に展示する活動をしていました。そんな矢先に梅園温泉が地震で倒壊してしまって、最初は更地にして駐車場にでもしようと話していたんですが、でもこれは歴史的なものだから後世につながんとダメやと思って。そこで私が実行委員長になったんです。以前梅園温泉は「梅園温泉会」というところが管理運営していたんですが、高齢者が多くて被災した梅園温泉を再建するのは大変すぎるから、誰か代わりにやってくれんやろうか?という相談も受けて、「梅園温泉組合」という組織も新しく立ち上げました。」
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そういえば、以前は温泉道 ※から脱退されていたと聞きましたが、運営が新しくなってまたスタンプを置くことになったんですね。
「観光客の入浴マナーの問題で地元との折り合いがつかなくなって、それが原因で温泉道を脱退していた時期がありました。"自分たちの管理する温泉"という意識も強かったんだと思います。でも震災で取り壊しが決定した後、県外から再建して欲しいという要望が非常に多く寄せられて、署名も1,000人以上集まりました。寄付などの金銭的な支援が大きな助けになったこともあって、今では観光客の方々に助けていただいたという認識です。復興をきっかけに、地元の人の意識も大きく変わりました。」


「共同温泉というのは地域の人が集まるコミュニティです。しかも温泉だから身体にいい。別府の場合は観光地だから、そこに観光客が加わると、地元の人から『あそこに行ってみたらいいよ〜』なんて観光案内までしてもらえます。知らない顔を見るといろいろ世話を焼こうとして、しゃべりまくってもういいよ!と言われるんじゃないかってぐらい(笑)でもきっとそれも観光に来た人にとってはいい思い出になると思うんです。別府は昔から観光地だしお店やったりしてる人も多いから、観光客やよその人に親切な人が多いんです。地域の文化として根付いているものだから、そういうのは一朝一夕ではできません。何物にも代えがたい財産だと思っています。」

来年は大分でワールドカップラグビーが開催されます。それも視野に入れてこの先も新しい試みにどんどん挑戦していきたいと、平野さんは目を輝かせておられました。

※温泉道...別府88湯をめぐり「スパポート」と呼ばれるスタンプ帳にスタンプを集めることで、「別府八湯温泉道名人」の称号がもらえるスタンプラリー


【施設概要】
営業時間...11時〜23時(受付は22時30分まで)/足湯は11時〜17時
料金...一般300円/組合員200円
定休日...なし(点検のため休業する場合あり)
住所...大分県別府市元町541-3

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藤井 さなえ

日本国内・別府特派員の藤井 さなえが現地から日本地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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藤井 さなえ

1977年、大阪生まれ。武蔵野美術大学彫刻科卒。趣味のバイクで日本各地の温泉地を巡るうち、温泉好きが高じて大分県別府市に移住してしまいました。本業・ライター。趣味は温泉・バイク・お酒やグルメ・日用食器収集です。Twitter Instagram

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