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インドインド/ベンガルール特派員ブログ

インド初の「アクアポニックスファーム」

カテゴリー:レストラン・料理・食材 投稿日:2019年1月21日

「インドの野菜は、農薬を多く使うことで大量生産し市場に出回っている。野菜を使う時は、野菜専用の洗剤で洗うか流水でよく洗うか水につけ置きし農薬を落とさなければならない。」
インドで生活する日本人にとってはそれが常識だった。しかし、農薬を多く使った野菜を食べ続けると後々体に影響し病気になるという事実が、インド国民の教育水準の向上、インターネットの普及により徐々に理解されるようになってきた。それを知っていることやしていることがステイタスかのようにインテリなインド人は熱く語る。
嬉しいことに、ここ5年間で急激にオーガニック商品を扱う店が増えているのは確かである。実は、インドでは2005年に農林水産省が「有機農業政策」を打ち出していた。「化学物質の過度の使用は、土壌と人の健康に悪影響を及ぼす。有機農法は、土壌と人の健康及び環境への取り組みの1つだ。」そして現在インド政府は、土壌の肥沃度を向上させ、農家の収入を倍増させる目的で、2022年までに有機農業を促進するための措置を講じている。適切な政策手段が講じられれば、有機農法は今後5年間で20%成長し、農家の収入は倍増する可能性がある予想している。は言え、インドで栽培されている有機野菜は、まだ全体の1%以下に過ぎないのだ。しかしカルナタカ州は、2004年インド初の有機政策を一足早く策定することにより、認証有機栽培の土地2500ha(2004年の時点)が93,963haにまで増加している。
今回は、その中の1つベンガルール南部に広がるマダビファームを紹介する。

「理想を追い求めた結果のファーム」
マダビファームは、この土地の所有者が1998年何も生えていなかった土地を20エーカー購入し、そこにブラックペッパー、コーヒー、シナモン、ココナッツ、チークなど400種類のハーブや香料、果物を植えるところから始まった。
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この時代を先読みしていたかのように全ての植物は無農薬で育てられて、木々たちはこの時代を待っていたかのように立派に成長していた。その一角に2017年11月にスタートした「アクアポニックスファーム」がある。アクアポニックスとは、水産養殖(魚の養殖)と水耕栽培(土を使わずに水で栽培する農業)を掛け合わせた新しい農法。魚と植物を1つのシステムで一緒に育てることで、魚の排出物を微生物が分解し、植物がそれを栄養として吸収、浄化された水が再び魚の水槽へと戻るという地球にやさしい循環型農法である。その為アクアポニックスでは、農薬や化学肥料は使用しない。農薬を使用すれば、それが魚の水槽にも流れ、魚が死んでしまう。アクアポニックスで育った野菜や魚は、結果的に完全オーガニック(無農薬)になるのだ。しかも、場所を取らず、水の量も9割削減でき、無農薬、二酸化炭素排出量を減少できるアクアポニックスは米国、カナダ、オーストラリア、中国、香港、バーレーン、オマーンなどで注目されている。このファームでインド初のアクアポニックスを導入したアルビンドさんは、カナダのトロント大学でアクアポニックスを7年間学んだ後ベンガルールに戻り、ハウスの設計から栽培技術の指導まで行った。
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「ハウスの中はまさに別世界」
ハウスに入るには、まず入り口で靴を脱ぎ、外からの害虫を入れないよう入り口で足を洗う。ハウスの中は27度に管理され、まるで日本の春のような気持ちいい環境だ。
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空気も綺麗でにおいもない。水の音が響き渡るまさに癒しの空間。土を使わない農法なので、埃っぽさもなく土壌はココナッツの表面の繊維や石を使用している。
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中には、発砲スチロールを使って植物を浮かせ下から水を吸い上げるという仕組みで栽培されている野菜もある。
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水分は、全て根から水を吸い上げているため、葉の色が美しく洗わないで食べてもいいほど衛生的なのだ。水槽の中では、鉄分を導入した水の中で鯉が飼育され、海藻を食べながら野菜作りに貢献している。
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アクアポニックスでは土を使わないので、土に産卵したり、土を住処とする害虫はつかない。
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それでも現れる小さな虫は、体に害のないガーリックスプレーやチリスプレーを使って退治している。
この農法なら成長するのに3カ月かかる野菜も5~6週間で収穫できるのも魅力の1つ。近い将来、このハウスを現在の1エーカーから4エーカーまで広げたいと意気込みを見せている。


(取材協力)
Madhavi Organic Farms
No.55A, Sakalavara Village & P.O.,Bangalore - 56008.
電話番号:+91802783 7011  +919731261359
営業時間:10:00~16:00
休み:毎週日曜日
http://www.madhavifarms.com/

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竹内里枝

インド・ベンガルール特派員の竹内里枝が現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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竹内里枝

(元NHK名古屋キャスター)
1996年最初にインドを訪れたの学生時代の旅行。以来インドには縁がありデリーにも2年住んでいた。 シンガポールの日本語ラジオ放送ではラジオプロデューサーを務めた。今回は、月間「Chalo」のライターとして、また日本語教師として再渡印。 趣味は、遺跡巡りとダンス。23年間でインド国内主要な世界遺産や都市を制覇。 その経験を活かし旅人、生活者に役立つ情報を発信したい。 また、ベンガルール(旧バンガロール)で生活することにためらいを感じている方へ 「ここで住んでみたい!」と思える生活に密着した情報も盛り込んでいく。 DISQUS ID @disqus_s48CxIcmIg

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