ジュートバッグでお洒落にそしてエコフレンドリーに
それほど高くない値段で、様々な種類のバッグが手に入るインド。珍しい素材で作られているバッグを見るとついつい買ってしまう。今回は、ナチュラル雑貨として日本でも人気のジュートを使ったバッグを紹介します。
【ジュートって何?】
麻は、植物に含まれている繊維の総称で20種類近くあり、同じ麻と呼ばれながらも原料となる植物によってそれぞれ性質が異なる。ジュート(黄麻)は麻の一種で、その多くは日本へも輸出されており、インド麻という名で知られている。また、色が黄金色なので別名「黄金の糸」とも呼ばれており、主に麻袋として穀物(米、大豆など)の輸送保管などに使われている。
また、繊維の強さが大きく耐久性に優れ、無公害であることから農業・工業用資材を入れる袋として、さらにカーペットやマットの裏側といった身近な部分にも使われている。
【コルカタ生まれのジュートバッグ】
ベンガルールの国際空港のお土産屋さんにもジュートバッグを卸している「Jute Cottage」のオーナーMr,Nasreen Khanさんは、15年前コルカタからベンガルールに移り住み、当時は小学校の先生をしていた。ジュートは、インドの東、西ベンガル州コルカタやバングラデッシュで栽培されている植物。「その当時、ベンガルールの人達はジュートが何かを知らなかった。コルカタでは地元の人が当たり前のように使っていたジュートバッグがベンガルールではとても新鮮だったようで、私の使っていたジュートバッグを見ては欲しがる人もいた。それがきっかけで1999年から本格的にバッグの製造・販売を始めた。最初は、小さな店でミシンを2つ並べて...」と懐かしそうに語るMr,Nasreen Khanさん。最近のエコブームで、ジュートバッグの魅力は広まりつつあると言う。ご存知の通り、現在インドでは「クリーン・インディア」をテーマに、買い物の際は使い捨てのビニールバッグではなく、何度でも使えるマイバッグを推奨している。特にジュートは、焼却処分しても有害な物質を一切出ないのでエコフレンドリー。世界各国では、ショッピングバッグとして既に広く利用されている。ゴツゴツとした麻袋のイメージは、お洒落なイメージに変わりつつあるのだ。
【ジュートができるまで】
ジュートは、暖かく湿気の多い環境下でよく育成する天然の植物性植物繊維。
4月に土地を耕すことから始まる。肥料も農薬も一切使わず、種からたった4カ月で2~3mに成長し刈り取られる。それをおよそ20日間水につけ繊維をはがし洗浄する。その後、太陽の下で乾燥させ、さらに撚ることでジュート糸にする。
【ベンガルール市内にある小さな作業場を訪ねる】
全てが手作業!3階建てのビルでそれぞれの工程が行われていた!
材料となるジュート糸で編んだ布はコルカタから運ばれてくる。
①布は機械で裁断。通常この作業は2人でやっている。
②一番感動したのは、生地に模様を施すセクション。シルクスクリーンができる腕のいい技術者をコルカタから連れてきているそうだ。
まず、判を作るのにデザインを紙焼きし、メッシュの上に特殊なインクを塗る。
そこに絵を重ねて下から光を当てること10分。黒い部分にインクが通るくらいの穴ができる。
そして最後は天日干しできあがり。
昔夢中になった「プリントゴッコ」を思い出す。
③布の上に判を置き、インクを上から塗っていくと見事に転写する。重ねていけばよりカラフルなものが出来上がる。ずれないよう作業は2人で行われていた。
④デザインされた布を縫っていく。ジュートのバッグは固いので、折りたたむにも少々力が必要。パーンとした仕上がりが物を入れやすかったりする。
④こちらは、刺繍担当。刺繍する部分にマークしミシンで縫っていく。
ここで働いている従業員は、オーナーの故郷コルカタから来ていてここで寝食を共にしている。これだけ手間暇かけているのに、それほど高価でないジュートバッグは、広く普及することで環境への理解を深めて欲しいというメッセージがたくさん詰まっているのではないだろうか。インド土産にもなりそう。
[Jute Cottage]
291/1,Cambridge Lyout 1st cross,Halasuru
080-2530-8694
ForumValueMall,Whitefild/MantriSquareMall,Malleshwaram etc
www.jutecottage.co.in
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