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単身タイへ!19歳現役ムエタイ選手、上野優翔さんにインタビュー

カテゴリー:スポーツ・観戦 投稿日:2022年1月25日

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親元を離れて単身タイでムエタイ修行に励む、現役プロ選手の上野優翔(ゆうと)さん(19)。コロナ禍で長期にわたって試合ができない状況のなか、一体どんな生活を送っていたのでしょうか。


未知なるムエタイ業界の裏側やプロ選手のトレーニング生活、そして優翔さんの素顔に迫ります。「ムエタイ界のチャンピオンになる」という夢を追いかけて、異国の地でひたむきに頑張る若者の姿に勇気をもらえるはずです。


親元を離れて単身タイへ。日々ムエタイ修行に奮闘中!


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▲現在優翔さんが所属するムエタイジム「ヌンポンテープ」にて撮影


――それでは優翔さん、まずは簡単な自己紹介をお願いします。


横須賀市出身の優翔です。2019年6月からタイにきて、3年弱のあいだムエタイ修行に励んでいます。



▲優翔さんが見事勝利した試合の様子


僕が所属しているのは、バンコクの東隣サムットプラカーン県にある、『ヌンポンテープ(nump pon thep)』 というムエタイジムです。このジムはもともとバンコクの中心にあったんですけど、コロナ禍で家賃を払うのが厳しくなっちゃって、「もっと広い場所がいい」という要望もあって1年ほど前に移転したんです。


最初は外国人をふくめて20人弱の選手たちが在籍していましたが、コロナ禍でだいぶ辞めてしまいました。今は僕をふくめて選手が5人、トレーナーが1人、先生が1人です。


――すごく開放的な雰囲気のジムですね! 優翔さんのお住まいはどちらなんでしょうか?


ジムのすぐ後ろにある建物がになっていて、僕たちはそこに住んでいます。寮のドアを開けて数歩でジムなので、いつでもトレーニングができてめちゃくちゃ便利です (笑)。男ばっかりのむさくるしい環境ですけど、素敵な人たちに恵まれて毎日楽しいですよ。


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▲優翔さんが所属するムエタイジム「ヌンポンテープ」


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――先日、優翔さんが出場された試合を拝見しました。勝利、おめでとうございます! ド迫力の試合で、「闘う戦士」の表情をされていて、とてもかっこよかったです。


ありがとうございます! 2020年の年末からコロナでずっと試合ができていなかったので、1年ぶりの出場で勝つことができて本当に嬉しかったです。


母の影響で小学1年からキックボクシングに没頭。中学でムエタイの世界に


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――ムエタイを始めたのはいつからだったのでしょうか。


もともとのきっかけは、小学1年生のときに始めたキックボクシングです。母がK-1とかの格闘技観戦が好きで、僕もその影響で興味をもって、キックボクシングのジムに入りました。やってみると、これがめちゃくちゃ楽しくて... 小学校時代は6年間ずっとその世界にのめり込みましたね。


リングで戦う先輩の姿はすごくカッコよくて、「あんなふうに強くなりたい」と憧れました。その頃に「キックボクシングで世界チャンピオンになりたい」という夢が芽生えたんです。


――そこからムエタイ選手に転身されたのは、なぜだったのでしょうか?


中学2年生のころ、所属していたキックボクシングジムがつぶれてなくなってしまったんです。そのタイミングで、なんとなく「ムエタイもやってみるか」という話になり始めてみたところ、これがまたおもしろくて。中学時代はムエタイに没頭していました。


――素人質問で恐縮なのですが、「キックボクシング」と「ムエタイ」はどう違うんでしょうか?


「キックボクシング」は、「ムエタイ」をもとに日本で誕生した格闘技です。「ムエタイ」は「キックボクシング」に比べて、ヒジでの攻撃や首相撲ができるなど、使える技が多いのが特徴ですね。ムエタイでは、両方のヒジ・ヒザ・手・脚の8カ所を使って攻撃できます。


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――中学時代は「ムエタイ」に打ち込まれていたとのことですが、毎日どのくらいトレーニングをされていたのでしょうか?


中学校3年間は、「力がついていいんじゃない?」と学校の柔道部にも入っていて、ムエタイと柔道部の活動を両立していました。


学校の授業が終わったら、まずは柔道部の練習を2時間。終わったら速攻で家に帰って、電車で片道30分かけて横浜のムエタイジムに通い、2時間のトレーニングをこなしていました。帰宅したらだいたい22時は過ぎていましたね。


――なんて忙しい生活...! ということは、毎日5時間ほどスポーツに捧げていたということですよね。宿題とかする時間はありましたか?


いえ、まったく (笑)。勉強はまったくできませんでした。ただ学校はすごく楽しかったです。僕、地元の友達が大好きなんで。


――ハードなトレーニングをしながら忙しい日々を送るなかで、ムエタイを「やめたい」と思ったことはなかったのでしょうか?


それは一度もなかったです。ムエタイの練習をする時間がすごく楽しかったし、心のなかは常に「ムエタイ界のチャンピオンになりたい」という野心でいっぱいでした。


「タイに行くか、日本の高校に進学するか...」進路選択に迷った末、日本の高校へいくことに


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――ムエタイを本格的に始めたのは中学時代ということでしたが、「タイで修行」という考えは、いつ頃からあったのでしょうか?


それはけっこう前ですね。小学校6年生のとき、家族旅行でタイを訪れたことがあって。そのときムエタイに初めてふれました。日本人オーナーが経営するムエタイジムにお邪魔して、少しだけタイ人とムエタイの練習をさせてもらったんです。


中学時代には夏休みを利用して、タイのムエタイ合宿にも何度か参加しました。ずっとタイのことは頭にあったんですよ。


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▲小学6年のときタイの「ムエタイジム」を訪問


――なるほど。昔から継続的に「タイでムエタイの練習」をされていたんですね。ちなみに当時は、タイという国に対してはどういったイメージをお持ちでした?


とにかく「暑い」というイメージでした (笑)。現地で出会ったタイ人はみんな優しくて、「いい国だな~」と思った記憶があります。現地に行ってみて、「タイで本格的にムエタイをやりたい」という想いがふくらみましたね。


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▲中学時代に参加したタイの「ムエタイ合宿」


――タイと日本で、ムエタイをする環境はけっこう違うものなんでしょうか?


違いますね。タイは本場ということもあって強い選手が多いですし、朝や夜も練習ができて、トレーニングに集中できる環境が整っているんです。日本にそういう場所はほとんどありません。


あと、年齢制限の有無の違いもあります。日本だと年齢制限があって、16歳以上でないとプロにはなれません。でもタイは年齢制限がなくて、アマチュアとプロの境目も曖昧なんです。


――ずっと「タイに行きたい」という思いがあったんですね。


はい。本気でムエタイの道に進みたくて、「中学を卒業したらタイにいこう」と思っていました。でも当時、担任の先生が地元の私立高校の推薦状を書いてくれたんです。地元の友達が好きだったのもあって、とりあえずその高校にいくことに決めました。


3ヶ月で高校を辞め、本場タイで「ムエタイの道」に進むことを決意


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――高校進学後は、どのような生活を送られていたのでしょうか?


実は僕、高校には3ヶ月しか行ってないんです。辞めちゃったんですよ。


――そうだったんですね。そこからどういった経緯で「タイ行き」を決意されたのでしょうか?


高校を辞めたのが、2018年の6月末ごろでした。なーんもやることがなくなって、真っ先に思い浮かんだのは、やっぱりタイのこと。もともと迷っていた進路だったし、母の「タイに行ってみたら?」という言葉にも背中を押されて、2カ月後には「タイ行き」の意思を固めました。


実際にタイに渡航したのは、翌年の2019年6月です。それまでの1年弱はジムに通いながら働いてお金を貯め、ビザなどの準備を進めていました。


――どんな仕事をされていたんですか?


家の解体をする仕事です。母の知り合いの格闘家で、解体工事を請け負う会社の社長さんがいて、その方にお世話になりました。


朝5時半くらいに起きて、横浜の現場まで電車で通って、夕方仕事が終わったら家に帰ってシャワーを浴びて、ムエタイジムで3時間トレーニングする... そんな感じの生活をしていましたね。


――タイでの住む場所やムエタイジムは、どうやって探したのでしょうか?


インターネットで情報を探しつつ、一度タイに下見にも行きました。中学時代にムエタイ合宿で出会った友人がタイに住んでいたので、彼の家に泊まらせてもらいながら、学生ビザを発行してくれる語学学校を見学しました。


ジムは、中学時代のタイ合宿で訪れたときに印象がよかったジムがあったので、そこ(現在所属しているジム)に決めました。


17歳で単身タイへ! 超ハードスケジュールで「トレーニング」と「タイ語の勉強」を両立


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――2019年6月から、いよいよタイで「ムエタイ修行」の日々が始まったわけですね。住む場所はどうしていたのでしょうか?


ムエタイ選手の仲間たちとの寮生活です。一部屋に3~4人がふりわけられて、トイレやシャワーなどはすべて共同。だだっ広い部屋にいつも布団が敷きっぱなしになっていました。若い男だけなので、とにかく汚かったです (笑)。平均年齢は、僕と同年代の18~21歳くらいが多かったかな。


――たしかに、その共同部屋を想像すると、なかなかすごそうですね (笑)。1日のスケジュールはどんな感じでしょうか?


朝は6時~6時半に起きてランニング、それからムエタイの練習をします。10時くらいから朝食をみんなで食べて、そこから自由時間。だいたいいつも昼寝をしますね。


16時くらいから午後の練習が始まって、18時半くらいに終了。そのあと夕食って流れです。


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▲現在優翔さんが暮らしている「寮」の外観


――食事はタイ料理でしょうか?


はい。当時は男性トレーナーがよく料理を作ってくれていました。このジムにはイサーン地方(タイ東北部)の出身者が多くて、食事もイサーン料理が多いです。正直、最初はキツかったですね。魚は生臭いし、なに食べても辛いし、お腹をくだしちゃうし... 


でも、力をつけるために食べるしかないんで (笑)。少しずつ慣れていって、今はだいぶ平気になりました。


――タイ人選手たちとの会話はタイ語ですよね? どうやって勉強されたのでしょうか?


タイに来てすぐの1年は、バンコクのタイ語学校に通っていました。授業は10時~13時の3時間。英語でタイ語を学ぶんですけど、最初はどちらも全然分からなくて、ほんと苦労しましたね。ムエタイのトレーニングと両立しなければいけなかったので、朝食や昼食をとる時間がなかったり、疲労でレッスン中に眠くなってしまったり、めっちゃきつかったです。


ただ正直いうと、僕のタイ語力はタイ語学校ではあまり伸びなくて、ジムや寮でタイ人とずっと過ごしているうちに、自然と身に付いていった気がします。今ではやっと、日常会話レベルのタイ語は話せるようになりました。


タイ人と付き合うなかで「言葉の壁」とか「文化の違い」とか、慣れないことも多かったけど... 同じ志や夢をもった仲間たちとの生活はひとつの青春で、すごく楽しかったですね。


賭博の対象でもあるムエタイは貧困層のスポーツ?「ムエタイドリーム」を夢みる選手も


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▲試合前のテーピングをする様子


――練習や試合中に、ケガなどはないんでしょうか?


ムエタイではパンチやキック、肘打ち、膝蹴りなどの危険な技が多くて、ケガをすることもありますね。練習中に相手のタイ人選手の頭を殴って、僕の手の骨にヒビがはいったこともあります。


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▲2020年8月の試合では、相手選手の肘が眉上にあたり負傷した


――優翔さんは現在、プロのムエタイ選手として活動をされていますが、「給料の仕組み」はどのようになっているのでしょうか?


基本給とかはなくて、試合に出場したときに「ファイトマネー」をもらいます。たとえば今の僕だったら、試合1回につき大体1万バーツ(約34,300円)ちょっとですね。


――なるほど。選手たちはファイトマネーで生計を立てているんですね。


はい。あと、タイでムエタイは「公営ギャンブル」なので、僕はまだ経験ないですけど、ギャンブラーからチップをもらえることもあります。


とある選手に大金を賭けているギャンブラーが、その選手が負けそうになると、試合の最中に「勝ったらあとで〇〇バーツをやるから、もっとがんばれ!」と鼓舞して、逆転勝利すれば選手たちにお金を渡すんです。


――えっ。それは合法なんですか?


合法です。「 "〇〇選手が逆転勝利したら〇〇万バーツ" の声が入りました~!」みたいなアナウンスがかかったりもしますよ。もちろんこのチップは勝たないともらえませんけど、数十万バーツとかの大金だったりするので、選手たちにとっては大きな収入になります。お金を受け取ったら手数料をいくらかジムに渡して、あとは選手のポケットマネーです。


最近はコロナで観戦が無観客になったので、オンラインでムエタイの賭けができるようになっているみたいです。


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――なるほど。スポーツとしてだけではなく、「賭博の対象」として観戦する観衆も多いんですね。選手たちのなかには「一攫千金を狙いたい!」みたいな人もいるんでしょうか...?


はい。「ムエタイドリーム」を夢みてムエタイの世界に入ってくる選手は、けっこう多いと思います。僕のまわりでも、貧しい家庭や田舎の出身者がわりといます。


聞いた話だと、裕福なタイ人家庭では、サッカーを習わせる親が多いらしいです。サッカーってお金かかるじゃないですか。でもムエタイを始めるのに必要なものって、ほとんどないんですよ。ムエタイパンツくらいかな。グローブもジムに置いてあるし。


そのぶん「貧困層から成りあがりたい」「家計を助けたい」という野心をもった、ガッツがある選手が多い気がします。


――「ムエタイ」ってタイの国技だから、日本でいう「相撲」のように、格式高いスポーツというイメージだったんですが... 「貧しい家の子どもたちが、大人の賭けの対象としてリングで戦う」といったダークサイドな部分があるのは驚きました。


タイって格差社会じゃないですか。「ムエタイは貧困家庭のスポーツ」となされる時期が長かったし、公営ギャンブルってのも影響しているかもしれないですね。


ただ最近では、ムエタイが「タイ文化」として海外で高く評価されてきていて。その流れを受けて、タイ国内でも「純粋なスポーツ」としての認知が見直されてきているみたいです。


2020年12月末「MBKスタジアム」のタイトルマッチで優勝!


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――これまでに出場された試合で、なにか実績はありましたか?


2020年2月に行われた「MBKスタジアム」のタイトルマッチで、優勝することができました。大きな大会ではなかったけど、チャンピオンとして人生で初めてベルトをもらって... あのときは本当に嬉しかったです。


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▲「MBKスタジアム」タイトルマッチで優勝しベルトを獲得


――経験豊富で強いタイ人との闘いで、日本人選手が優勝するって、本当にすごいことですね...! ちなみに試合前って、特別なトレーニングやルーティンとかあるんしょうか?


試合本番の2、3日前は、ハードなトレーニングは控えて、簡単な練習だけしています。試合直前にバンテージを巻いてもらうんですけど、そのときのワクワク感が本当にたまらないんです。


渡タイして1年経たずしてコロナ襲来。練習も試合もできず、気落ちする日々


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――コロナ渦でスポーツ界も大きな打撃を受けたと思いますが、優翔さんの生活には、いつ頃から影響が出始めたのでしょうか?


2020年春の最初のロックダウンの頃です。ジムが閉鎖されて、僕たち選手も部屋から出られず、本当になにもできなくて。やることがないのでスマホをいじったり、ごろごろしたり... さらにジムの会長がコロナに罹ってしまって大騒ぎ。みんな怯えましたね。


どんどん仲の良い選手たちが地元に帰ったり帰国したりして、とても寂しかったし、つまらなかった。トレーニングができないので、体もどんどん鈍っていって... とにかく毎日「練習がしたい!試合がしたい!」という葛藤と戦っていました。


――ロックダウンが終わったら、一度去った選手たちは、ジムに戻ってきたのでしょうか?


2020年6月ごろにようやくジムがあいて、8月からは試合も再開されたんです。でも、通常の練習ができるようになっても、ジムに戻ってこない選手たちは多かったです。みんなそのまま辞めちゃったんですよ。兵隊になった子もいます。あんなに同年代の仲間がいたのに、気付けば僕が最年少になっていました。


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――試合ができないということは、「ファイトマネー」をもらえないですよね? ということは、そのあいだはお給料って... 


ゼロです (笑)。お金がないので母に仕送りしてもらって、なんとか生活していました。かなり厳しい節約生活だったので、精神的にも経済的にもとてもキツい時期でしたね。スタジアムの試合の空気が恋しくて恋しくて、自分がどれだけムエタイを好きなのか改めて実感しました。


――2021年の夏ごろに、タイでは2度目のロックダウンがありましたが、当時はどんな状況だったのでしょうか?


2度目のロックダウンのときは、体が鈍らない程度にトレーニングをしていました。1回目のロックダウンのときは練習も一切できなくて、「なんのためにタイにきたんだ。時間の無駄じゃん!」と辛かったので。


2020年の12月末ごろからは、試合ができない状態が1年も続きました。まさかコロナがここまで長引くなんて思ってもなかったし、ずっとしんどかったです。


――コロナ前にくらべて、ムエタイに対するモチベーションの変化などはありましたか?


たくさん仲間がいたコロナ前の方が「楽しかった」とは思います。ただ、モチベーションはコロナ前も今も一緒です。「ムエタイ界のチャンピオンになる」という夢は変わらないし、やっぱり僕はムエタイが大好きなので。


タイにきて後悔はない。よきライバルで、リスペクトするタイ人選手たちと切磋琢磨する日々。


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▲ムエタイジムの仲間たちと(一番左が優翔さん)


――ムエタイ界において、「日本人だから不利」だと思うことはありますか?


タイ人選手は小さいころから何百戦も試合をしている子が多くて、「経験値のレベルがまったく違う」というのは大きいですね。


――優翔さんのまわりにいるタイ人選手は、どんな人が多いですか?


みんな本当に優しいです。良き仲間、良きライバルとしてリスペクトしあってるし、彼らとバカなことしてワイワイする時間も大好きです。喧嘩もほとんどないし、人間関係でのストレスはほぼゼロですね。最高の仲間に出会えて心から幸せです。


あと、みんな適当な性格なので、気を遣わなくていいのが楽チンですね。試合の集合時間に遅れるとか「時間を守らない」みたいなことは日常茶飯事ですけど (笑)。


――「ムエタイを辞めたい」とか「日本に帰りたい」と思ったことはないですか?


ムエタイを辞めたいとか、タイに来たのを後悔したことは、一度もないです。タイでしかできない経験をたくさんできているし。でも、「日本に帰りたい」と思うことはありますよ。家族や地元の友達が恋しいし、いつだって日本食に飢えてますから (笑)。


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――休日はなにをして過ごしているのでしょうか?


日曜日が休みなんですけど、バンコクで買い物をしたり、友達と遊んだりすることが多いです。やっぱりそういう時間はリフレッシュになるので、とても大切ですね。


2,3年以内にムエタイ界でトップになって、いつも支えてくれる母に恩返しがしたい


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▲お母さまとのツーショット


――タイに来てから「変わったこと」はありますか?


自分なりにいろんなことを経験して、少しは「心が強くなったのかな、成長できたのかな」と感じています。正直コロナのことは想定してなかったし、大変なことも多かったけど...


どれだけ自分がムエタイが大好きかということを再認識できたし、周囲のサポートや恵まれた環境に改めて感謝をするきっかけにもなりました。


女手ひとりで育ててくれ、いつも優しく応援してくれる母には、早く恩返しがしたいですね。もっと強い選手に成長して活躍することが最大の親孝行だと思っているので、もう少し待っていてほしいです。


――今の夢や、将来の展望について教えてください。


今考えているのは、2~3年のうちに「ムエタイ界でトップ」になること。アジア圏で一番大きな大会である「ONE Championship(ワンチャンピオンシップ)」のベルトが欲しいんです。


この大会には強豪選手だけが出場できて、その出場権を得るためには「実力と実績」が必要になります。ムエタイ界で強い選手として知名度が高まれば、関係者の方から「出場しませんか?」と声がかかるんだそうです。この大会でチャンピオンになることが、今の最大の目標ですね。


――夢をお聞きして、私までワクワクしてきました...! ちなみに、ムエタイは生涯続けたいと思われていますか?


ムエタイを長く続けるつもりはないです。やっぱり体を酷使する仕事なので、ずっとはキツいかなと思っています。現役選手を引退したら、将来的には自分のジムを開いたり、トレーナーとして若い選手を育てたり、そんなことがしてみたいですね。

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――優翔さんを応援する方々に向けて、なにかメッセージをお願いします。


応援してくださっている皆さん、本当にありがとうございます。いつも感謝しています。みんなそれぞれ、いろいろと大変なことがあると思う。僕も困難に負けないで、自分を信じて頑張っていきたいです。


甘えてられないし、逃げてられない。せっかくタイにいられる今、悔いがないように、残された時間を走り抜けていきたいと思います。ぜひ今後とも応援をよろしくお願いします!


■優翔さんのSNSアカウント
Instagram
Twitter
・優翔さんが所属するムエタイジム 『ヌンポンテープ(nump pon thep)』

インタビューを終えて


照れながらも真っ直ぐな瞳でひとつひとつの質問に答えてくれた優翔さん。くしゃっとした笑顔が印象的ですが、リングに立つとその表情は一変、鍛えられた肉体で荒々しく戦う「勇ましい戦士」に変貌し、そのギャップに圧倒されました。日本代表としての活躍は、私たち日本人にとっても大きな誇りです。


ご自身の夢に向かってひたむきに走り続ける姿は、多くの人に感動と勇気を与えています。その志の強さはもちろん、周囲の環境に感謝の心を忘れない謙虚で心優しい青年に、心からリスペクトを感じました。今後の活動も応援しています!


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日向みく さん

タイ・バンコク2特派員の日向みく さんが現地からアジア地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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タイタイ/バンコク2特派員
名前:日向みく さん

日向みく さん

バンコク在住ライター。岡山出身。2019年9月より夫の仕事の都合でタイに移り住む。中南米やアフリカ、中東を含む世界41ヵ国100都市以上を訪れた旅好きです。バンコクは世界有数の国際都市でありながら、歴史ある寺院や屋台文化、東南アジアらしい混沌とした路地など新旧が共存する懐の深い場所。世界中を旅したけど私はやっぱりバンコクが一番好き! 現地の観光・文化・グルメなど在住者目線の生の情報を随時お届けします。Twitterでもタイ生活のいろいろを発信中。 DISQUS ID @disqus_dgZksfpphN

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