アテネのデモ犬ルカニコスのその後

公開日 : 2012年09月27日
最終更新 :

 アテネの都心で大規模なデモがあると、 催涙ガスをものともせず、警察とデモ隊の間を走り回り、世界中のニュース映像に登場したデモ犬ルカニコス。アメリカのニュース情報誌TIMEが、その年のニュースに最も影響を与えた個人または団体を決定するPerson of the Year を発表しますが、昨年末、そのひとり(?)にも選ばれました(その詳細はコチラの過去記事へ)。

 最近、そのルカニコスの生活に大きな変化があったようです。ルカニコスはもう今後、デモには参加することはないでしょう。

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 ギリシャのニュースサイト、Newsbeast.grの記事によりますと、ルカニコスのもともとの名前はソドロスなのだそうです。ギリシャ危機の勃発以来、多くのデモがおこりましたが、ここ数年のほぼ全てのデモに参加したルカニコスは、日本のメディアを含む世界中のメディアに登場し、ギリシャのデモのシンボル犬となりました。デモ犬としてルカニコスは2代目です。初代はやはりデモに参加することで有名なカネロスというワンコさんがいました。よってルカニコスはカネロス2世ルカニコスと書かれることもあります。

 ここ最近、ルカニコスはシンタグマなど、デモの行われる都心に全く現れませんでした。多くの人が行方を心配したり、他の犬とルカニコスと混同したりしていました。一体、ルカニコスはどこに行ってしまったのでしょうか...。

 なんとルカニコスはついに飼い主を得て、その家族と一緒に暮らし始めていたのです。エクサルヒア在住のある一家が彼をひきとりましたが、はっきりした居場所は公表されていません。一部のラッキーな近所の人だけが彼がどこにいるのか知っているとのこと。元記事は、その飼い主さんがNewsbeastにいろいろと語ってくれた内容となっています。

「もともと予防接種や健康診断もしていて健康ですが、ソドロスはもう7歳です。もうデモには参加せず、静かな余世を送ってほしいのです。いまは食べ物も愛情もたっぷりで、穏やかな生活をしています」と飼い主さんのコメント。デモのなかを走り回る姿はすごかったですが、怪我をしないか、火災などにまきこまれないか、いつもハラハラしていたので、本当によかったと思います(^^)

 ルカニコスは若い頃、アカデミア周辺、アテネ市役所の文学や芸術に関する業務を行なっている部署、プネヴマティコ・ケンドロの建物近くで暮らしていたそうです。ギリシャに野良犬の殺処分はなく、アテネの野良犬はアテネ市役所がえさや健康状態の管理をしています。市役所や近所の人々、ボランティアの人々などが他の犬たちと同じように、彼にえさをやっていました。ソドロスという名前は当時つけられたものですが、特に由来はないとのこと。とても社会性の高いフレンドリーな犬で、絶対に人々にむかって吠えたり、仲間の犬と喧嘩したりしたことはなかったそうです。しかしデモではいつも市民側にたち、警察に対して勇敢に吠えたてました。

 しかしルカニコスはもうデモからは卒業です。私たちはデモの映像で催涙ガスや火災の煙の中を走り抜けるルカニコスの心配をせずにすみますが、同時にもう彼を見ることはないでしょう。幸運にも偶然、飼い主と一緒に静かに散歩するルカニコスを見かけることはあるかもしれませんが...。と記事は結ばれています。

 本当によかったね!ルカニコス(^O^)/  

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