マラソン競技発祥の地・マラトンの歴史スポット
毎年、秋に開催される「アテネ・クラシック・マラソン」。ことしは10月31日開催で2500周年記念大会!なんといってもマラソン競技発祥地マラソナス(マラトン)からアテネまでを走るオリジナルコースですから、歴史だけはどこにも負けないマラソン大会ですよ~。
紀元前490年、アテネに進撃しようとしたペルシャ軍を相手に、マラトンの戦いでギリシャ人とプラタイア人連合軍が勝利しました。この勝利をアテネに伝えるため、伝令フィディピディスは42.195kmをひた走り、到着して伝え終えた後、息をひきとりました。彼の功績を元にオリンピックのマラソン競技の規定距離が決められました。2004年アテネ五輪のマラソンもほぼ同じ道筋を辿りましたが、このアテネ・クラシック・マラソンも毎年マラトンの地からスタートします。
画像はマラトンの戦いの古戦場跡。当時の戦死者を祀る塚があり、考古学上、重要な場所として管理、整備されています。
ことしの参加者は過去最高の約1万2500人で、8割は外国からの参加者。去年は約4000人の参加者なので、約3倍以上です!
古戦場のアテネ市民軍の戦死者を祀る塚は、かなり広い敷地にあり、画像だと大きさがわかりにくいですが、直径約30m以上あるけっこう大きいもの。敷地全体は公園のように整備され、歴史的スポットの説明が詳しく書かれている案内板や彫像などが複数あります。
マラトンの地に点在する歴史的スポットをわかりやすく紹介してある立体的な縮尺模型もありました(下の画像)。それによると牧羊神パンの洞窟、プラタイア人の塚、BC2000年からAD200年くらいまでの彫刻や陶芸作品などを展示するマラトン考古学博物館、その隣の古墳(BC2000年~BC1200年ごろ)、更に古い古墳(BC3200年ごろ)、アクロポリスのイロド・アティコス音楽堂の寄贈者として有名な大富豪イロド・アティコスの邸宅跡など見所いっぱいです。
博物館は小規模ながらもとても見応えがありました。イロド・アティコスのマラトンの邸宅のアーチの一部や、エジプトからの彫刻群など、期待以上に素晴らしいものがたくさん。歴史に興味のある人にはぜひおすすめです。
下の画像はスタート地点となるマラトンのスタジアム。走りもしないくせに、ここにもなんちゃって下見に行ってきました。ここ数年はゴールとなるアテネのパナティナイコ・スタジアムに見に行っているのですが、ずっと前にマラトンにスタートを見に来たことがありました。
あの時はランナーでぎっしりでしたが、普段は人もまばらなスタジアムです。でもことしは迫るマラソン大会に備え、既に現地入りし、スタート地点を下見に来ているランナーがけっこういました。お国を尋ねると、アメリカからだの、ドイツからだのとすごい気合が入ってるなあ~とびっくり。外国人の参加者が多いため、ここ数週間、アテネ周辺のホテルはどこも満室だそう。
参加者が過去最高の1万2500人で、例年の3倍以上...。このこじんまりしたスタジアムでちゃんと同時にスタートできるのか心配になったので、ランナーの友人に聞いてみたところ、ことしはあまりに参加者が多いため、スタートの位置をずらしたり、時間差でスタートするらしいということがわかりました。タイムで優勝者を決定するので、終わってみないと誰が優勝なのかわからないとか。ちょっと先頭ランナーのゴールの感動が薄れるかもですね^^;
何はともあれ、ことしは2500周年記念大会としてかつてない盛り上がりを見せているのは確か。なんとこの記念すべき年にと、30日かけて2200kmを走ってきたドイツ人のユルゲン・メネルさん(50)が、21日にアテネのパナティナイコ・スタジアムに到着!スタジアムでは完走を祝うセレモニーが開催され、わざわざゲルラノス文化・観光相までが出迎えたということです。
この記念すべき年にマラトン市長が記念碑制作の依頼をしたのはなんと日本人の 彫刻家・野田正明氏 !「The Spirit of Hermes」と題する作品(上下の画像)を制作されました。高さ約3.3mある同作品は、ギリシャ神話のへルメス神をイメージした躍動感あふれる造形。野田氏は「力強く走るランナーにも軽やかに羽ばたく鳥にも見えるだろう。自由にイメージを広げてほしい」と語りました。マラトンのスタジアムにパブリック・アートとして野外展示されています。
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