ギリシャの年始 主顕現祭と冬物セール

公開日 : 2010年01月15日
最終更新 :

 やっとクリスマス&新年の雰囲気から通常モードに戻りつつあるギリシャです。ギリシャの年始にはヴァシロピタというパウンドケーキを食べる習慣があります。去年の記事でもご紹介しましたが、アルミホイルに包んだコインを中に入れて焼き上げてあります。切り分けられたケーキの中にコインが入っていたらラッキーな年となります。ことしは私にコインがあたったので、何かいいことがあるかも〜と期待しているのですが…。

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 以前の記事で「ギリシャのクリスマスは1月6日のセオファニア(テオファニア・主顕現祭)まで」と書きましたが、セオファニアはギリシャの年始において重要な宗教行事です。日本はクリスマスを過ぎるとケーキが安売りされたり、クリスマスソングはピタッと止みますよね。街中でもクリスマスツリーは姿を消して、いそいそとお正月モード、門松などの準備がされるかと思います。同じヨーロッパでも他の国に住む友人の話など聞くと、やはり日本のようにすぐお正月モードに切替るところもあれば、続くところもあり興味深いです。

 ギリシャは12月25日を過ぎて、年が明けても街はクリスマスイベント中。テレビのコマーシャルではサンタやクリスマスツリーが相変わらず登場しているし、ラジオを聴いていてもクリスマスソングが流れています。というのも、12月25日、新年の1月1日、そして6日のセオファニア、この3日間が連結したクリスマスを祝う重要な期間であるというギリシャ正教の教えに基づいているからです。

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 セオファニア=主顕現祭。顕現祭または公顕祭とも訳されますが、キリストがヨルダン川で洗礼を受けたことを祝福する日です。ギリシャは国の行事が日本のように政教分離ではないので、宗教行事の日が国民の祝日というのが多くあります。

 クリスマスに関しても特派員ブログの特集【世界各地のクリスマス】を読んで、いろいろお国柄があるんだな〜と面白かったですが、このセオファニアも宗派によって多少の違いはあれど、キリスト教国では同じような儀式が行われるようです。ギリシャ語では「エピファニア」ともいいますが、世界各国の顕現祭の名前にその響きの名残を見つけることができます。

 この日はギリシャ各地で海や川、湖畔などで司教が水中に投げ入れた十字架を、男性たちが水の中に飛び込んで競って拾い上げます。アテネ周辺でメインとなるのはピレウスでの儀式。ギリシャ正教において最高位のアルヒエピスコポス(大主教)がピレウスの港に赴きます。写真はテレビの中継を撮ったものですが、軍隊のパレードもありますし、写真のように軍隊の船が港をせきとめ(写真左上)、カロロス・パプーリアス大統領も儀式に出席する(写真右上)という大掛かりな国全体の行事となります。

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 まさに大主教が十字架を投げ入れんとすると、屈強な男性たちも位置について…。ことしは十字架を投げ入れる作業をやり直していたので、男性たちがあわやフライングかという状態になっていました。二度目、十字架が無事に海面に浮いたら皆、争うように海に飛び込みました。

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 十字架を最初に獲得した者には年間を通して幸運に恵まれるとされ、皆、我先にと競って泳いでいきます。この冬、ヨーロッパは大寒波で、他の国のニュースなど観ていても大雪や凍てつく湖の映像など凄まじいものがありますが、アテネは相変わらず暖かい年末年始でした。まあそれでも冬の海に飛び込むのですから、なかなか勇気が要りますよね…。ついにひとりの男性が十字架をゲット。力強く掲げました。その後、大主教のもとに十字架を持っていき、祝福を受けます。

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 セオファニアが終わってやっと休日ムードが終わり、子供たちの学校も始まってと通常生活に戻りますが、皆、パーティー続きやごちそうの食べすぎで体重の大幅増量にげんなりする時期です。昨日会ったギリシャ人カップルは女性が3キロ、男性がなんと5キロ増えたとぼやいていました。かくいうわたしも2キロ増!しかもいまだに胃もたれが…。

 そして今日15日から冬のセールです。ギリシャ語ではエクプトシス。都心のショッピングストリートや大型モールなどでエクプトシスの文字が躍ります。既に一部始まっている店舗もありますが、正式には今日から大幅値下げです。服や靴などのブランド商品はもちろん、家具や電化製品も大幅にディスカウントされるので、本当にお得。私はことしは掃除機を狙っています!金曜日は遅くまで店がオープンしているので、仕事が終わったら、夜、勝負をかけようと思っています。セールは約1ヶ月、2月の半ばまで続き、徐々に値下げ幅が大きくなっていきます。

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