ギリシャの祝日 オヒ(NO!)デー

公開日 : 2009年10月28日
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 今日、10月28日はギリシャの国民の祝日「オヒ・デー」(イ メラ トゥ オヒ)です。「オヒ」とはギリシャ語でNO!の意味。1940年の今日、突然ムッソリーニ率いるイタリア軍がギリシャに侵攻することを宣言、「降伏するか?」との問いかけてきたのに対し、ギリシャのメタクサス将軍が「オヒ!」と言って断固拒否したのが由来です。

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 この日から徹底抗戦が始まり、突然の侵略とあって不利な状況でしたが、数ヶ月かけて激しい戦いを繰り広げ、ついにイタリア軍を撃退しました。その記念日として国民の祝日となり、学校や会社は休みです。アテネではトルコからの独立記念日・3月25日に盛大な軍隊パレードがありますが、今日はギリシャで2番目に大きな都市、テッサロニキという北部の街で軍隊パレードがあります。

 ただアテネはもちろん、全国の街で学生などによるパレードがあり、私の住むアギア・パラスケヴィでも子供たちのパレードが行われます。教会のある広場周辺の通りが車両通行止めになり、毎年だいたい11時半くらいからスタートするので、普段は静かな我が家の周辺も、朝からけっこう賑やかな雰囲気になります。

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 近所でもバルコニーに青と白のギリシャの国旗を掲げている家がたくさんあります。住んでいるマンションのお隣さん一家の姉妹2人もパレードに参加するというので、私も久しぶりに「オヒ・デー」のパレードを観に行って来ました。子供たちは皆、この日のために誂えた軍服を模したユニフォームや学校の制服を着ているのですが、こちらでは日本のように毎日制服は着ず、パレードや式典などの際のみ着用するようです。最初に小さい子たちのパレード、だんだんと年長の子たちという順番なのですが、小さい子たちのパレードはかなり可愛い!

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 ここ最近はずっと雨の日が続いていたのですが、なんとか雨は降らずにすみました。曇り空でしたが、昼近くに少し太陽が顔を覗かせました。誇らしそうにパレードをする子供たちや、その姿をカメラにおさめようとする家族の姿など、平和そのものの光景。しかしギリシャは約400年間もトルコに占領されたり、ヨーロッパ列強国の影響を常に受け、熾烈な戦いに巻き込まれたりと過酷な歴史を持つ国です。よって「オヒ・デー」も独立記念日とともに、自由を勝ちとった日として、重要な意味を持っています。

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 そんな大切な記念日の前夜、アギア・パラスケヴィで怖ろしい事件が起こりました。警察署の前でテロリストによるカラシニコフ銃での襲撃事件がおき、6人の警官が撃たれ、うち2人の容体はかなり深刻。なんとも傷ましいニュースですし、決して許すことのできない凶悪な犯行です。いつも警察をねらうアナーキストグループの犯行とみられており、乗り捨てられたバイクが近隣のパパグゥ市で見つかりました。この犯人グループは数々の重い犯罪歴があるのですが、ずっと逮捕に至らず、一昨日、政府が彼らに関する情報提供者に懸賞金をかけたところでした。その報復だとの見方もあるようです。

 私が住むアギア・パラスケヴィはアテネの都心から約8キロの静かな住宅街。アメリカンスクールやフレンチスクールなどがありますが、治安の悪い地区では全くないので本当にびっくりしました。事件が起きたのは夜10時ごろ、私はちょうどその時刻にバルコニーに出ていて、銃声を聞きました。現場とウチとは1.5kmくらいなので、かなりはっきりと連続して30発くらい銃声が聞こえました。しばし呆然として本当に銃声?!と驚いたのですが、誰も外に出てこないし、その時はまさかと思い、爆竹か何かだったのかなと思っていました。しばらくしてテレビをつけたら、この事件が報道されていて本当にショックを受けました。パトロール中の警官に、一方的に銃弾を浴びせたという凶悪な犯人グループの逮捕、2人の警官が命をとりとめて回復に向かうことを祈るばかりです。

 ことしも残すところ約2ヶ月ですが、去年も今頃からクリスマスにかけて、経済不況に伴うひどい暴動がおきたりしました。都心・シンタグマ広場のクリスマスツリーが放火されて燃えさかる様子などが日本でもずいぶん報道されましたけれども...。ことしはなんとかもうひどい事件がおきず、クリスマス、新年にかけて安らかな気持ちで過ごせることを願っています。

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