まさかの新型コロナ感染?!
1日あたりの新型コロナウイルス感染者も、それによる死者も日々減ってきていて、スイス全国での感染者が20人前後という結果が当たり前のようになっています。
あああ......コロナは去ったのだろうか......とホッとしたのも束の間、私自身が新型コロナに感染したかもしれない?!という事態になってしまいました。
ことの発端は寒さ。
最高気温が28度ほどになってアイスクリームや冷えたビールがおいしかったのに、急に肌寒くなり、ダウンジャケットが欠かせなくなっていました。
最高気温が12度前後の日には、セントラルヒーティングがないわが家では薪をくべて暖炉で火を焚きました。
それに加えてオーバーワーク。
そしてある朝、頭痛と喉の痛みを覚えたのです。
私は風邪を引いても関節が痛くなったり咳が出たりするだけで、頭痛はほぼ経験ないし、喉の痛みもあまりありません。
だから、ホルモンの調子が悪いのだろう、と判断して仕事をしていたら、初めて調子が悪くなってから3日目の夜中、今までにない咳が出ました。
喘息とも違う、乾いた咳がずっと続いて、咳スプレーを吸入しても一向に効きません。
そして次の朝、職場に行ったのですが「今日は働けない、集中力もないし、力もまったく出ない」という状態になりました。
朝、上司に健康状態を説明したら、ただちに帰宅しなさい、病院には行かなくてもいい、とにかく元気になれ、それまでは働かなくていい、とのこと。
帰宅してソファに横になっていたら、調子がどんどん悪くなりました。
頭は割れるように痛い、咳は出る、汗はかくし(でも熱は高くない)、とにかくだるい。
笑ってしまうくらいのくしゃみの連発!
翌日、ホームドクターに電話をし、受付の女性に「頭が痛いのと喉が痛いので、診ていただきたい」と言ったら、彼女はお医者さんに聞きに行ってから、こう言いました。「11時半に来てください。でも、入って来てはいけません。ドアの外でチャイムを鳴らして待っていてください」。
その日は雨、しかも寒い......その診療所の入口には屋根がありません。
私が震えながら外で予約時間になるのを待っていたら、時間前に全身完全装備のホームドクターがまろび出てきました。
帽子、シュノーケルレベルのゴーグル、青い大きなマスク、首から足首までカバーしているマントのような防護服、手袋......見える肌は耳くらい。
「どこにも触らず、静かに通ってください、どこにも触らず、静かにここに座っててください。座るだけです」と半パニックになったホームドクターは言い放ち、どこかへ消えました。
数十秒後、急いで戻って来て、長い綿棒のようなものを私の両鼻の奥にさしてグリグリグリグリ。
「ああ、これが噂の!」
と余韻に浸る暇もなく、今度は左腕から注射針を刺され採血。
ホームドクターは「最長2日間かかりますが、これでコロナかどうかわかります」と。
続けて「診断書を書くから。ほかに必要な薬はないね、じゃ、帰ってください。どこも触らず! 結果が出るまでは誰とも接触しないように」と言って入口まで誘導し、さようならをしました。
所要時間、わずか5分ほど。
結局、陰性だったので問題はなかったわけですが......
社会の一面というか、何かの負の部分を見たような気持ちになりました。
これで陽性だったらおおごとになっていたので、現状に感謝しつつ、「一寸先は闇」という言葉が脳裏を駆け巡る......
あれだけ気をつけていたのに、あれだけ仕事を休まないようにしていたのに、こんなことって......と思いながらも、今後の改善点を浮き彫りにしてくれた出来事から学び、元気にいきたいと思います。
今日は写真がありません......
追記:これはアッペンツェル地方の、しかも私が住んでいる地域の、しかもこのタイミングでの診察になります。スイス全体を表すものでもなければ、誰にでも適用される状態ではありません。あくまでも私個人がした体験を書きましたのでご了承ください。
筆者
スイス特派員
ヘス 順子
スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。
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