まさかの新型コロナ感染?!

公開日 : 2020年06月20日
最終更新 :

1日あたりの新型コロナウイルス感染者も、それによる死者も日々減ってきていて、スイス全国での感染者が20人前後という結果が当たり前のようになっています。

あああ......コロナは去ったのだろうか......とホッとしたのも束の間、私自身が新型コロナに感染したかもしれない?!という事態になってしまいました。

ことの発端は寒さ。

最高気温が28度ほどになってアイスクリームや冷えたビールがおいしかったのに、急に肌寒くなり、ダウンジャケットが欠かせなくなっていました。

最高気温が12度前後の日には、セントラルヒーティングがないわが家では薪をくべて暖炉で火を焚きました。

それに加えてオーバーワーク。

そしてある朝、頭痛と喉の痛みを覚えたのです。

私は風邪を引いても関節が痛くなったり咳が出たりするだけで、頭痛はほぼ経験ないし、喉の痛みもあまりありません。

だから、ホルモンの調子が悪いのだろう、と判断して仕事をしていたら、初めて調子が悪くなってから3日目の夜中、今までにない咳が出ました。

喘息とも違う、乾いた咳がずっと続いて、咳スプレーを吸入しても一向に効きません。

そして次の朝、職場に行ったのですが「今日は働けない、集中力もないし、力もまったく出ない」という状態になりました。

朝、上司に健康状態を説明したら、ただちに帰宅しなさい、病院には行かなくてもいい、とにかく元気になれ、それまでは働かなくていい、とのこと。

帰宅してソファに横になっていたら、調子がどんどん悪くなりました。

頭は割れるように痛い、咳は出る、汗はかくし(でも熱は高くない)、とにかくだるい。

笑ってしまうくらいのくしゃみの連発!

翌日、ホームドクターに電話をし、受付の女性に「頭が痛いのと喉が痛いので、診ていただきたい」と言ったら、彼女はお医者さんに聞きに行ってから、こう言いました。「11時半に来てください。でも、入って来てはいけません。ドアの外でチャイムを鳴らして待っていてください」。

その日は雨、しかも寒い......その診療所の入口には屋根がありません。

私が震えながら外で予約時間になるのを待っていたら、時間前に全身完全装備のホームドクターがまろび出てきました。

帽子、シュノーケルレベルのゴーグル、青い大きなマスク、首から足首までカバーしているマントのような防護服、手袋......見える肌は耳くらい。

「どこにも触らず、静かに通ってください、どこにも触らず、静かにここに座っててください。座るだけです」と半パニックになったホームドクターは言い放ち、どこかへ消えました。

数十秒後、急いで戻って来て、長い綿棒のようなものを私の両鼻の奥にさしてグリグリグリグリ。

「ああ、これが噂の!」

と余韻に浸る暇もなく、今度は左腕から注射針を刺され採血。

ホームドクターは「最長2日間かかりますが、これでコロナかどうかわかります」と。

続けて「診断書を書くから。ほかに必要な薬はないね、じゃ、帰ってください。どこも触らず! 結果が出るまでは誰とも接触しないように」と言って入口まで誘導し、さようならをしました。

所要時間、わずか5分ほど。

結局、陰性だったので問題はなかったわけですが......

社会の一面というか、何かの負の部分を見たような気持ちになりました。

これで陽性だったらおおごとになっていたので、現状に感謝しつつ、「一寸先は闇」という言葉が脳裏を駆け巡る......

あれだけ気をつけていたのに、あれだけ仕事を休まないようにしていたのに、こんなことって......と思いながらも、今後の改善点を浮き彫りにしてくれた出来事から学び、元気にいきたいと思います。

今日は写真がありません......

追記:これはアッペンツェル地方の、しかも私が住んでいる地域の、しかもこのタイミングでの診察になります。スイス全体を表すものでもなければ、誰にでも適用される状態ではありません。あくまでも私個人がした体験を書きましたのでご了承ください。

筆者

スイス特派員

ヘス 順子

スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。

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