スイスのロックダウン 5月と6月の緩和について政府が発表したところ
スイスのロックダウン44日目。
2020年4月27日の第一緩和で、私の印象だと、人々は元の生活に戻ったような活気にあふれています。
園芸センターなど一部の店舗しか開いてはいないものの、花や草木を買って庭に植えることができます。
公園や道では美しい花や草木が楽しめます。
そして、可能な業種ではホームオフィスに切り替わっているため「家族としての時間」はたっぷりあります。
毎日家にいると退屈......と思っている人々の一部は、第一の緩和ですっかり解放された気持ちになった!と感じているかのような自由っぷり。
これは、スイス東部に位置するザンクトガレンでの光景ですが、私が食料品の買い物に行ったとき、「人と人の間には2mの距離を置く」というルールは忘れ去られていて、スーパー内でも道でも、友達同士ぴったりくっついて歩いたり、他人でも計量したり会計したりするときの距離は50cm、怖かったのはバスでほぼ満員というか、人と人との距離は30cmくらいでした。
何より怖いのがマスクをつける習慣がない人たちなので、この日はマスクをしている人を見かけたのはたった3人。
そんななか、スイス連邦政府が大きな決断をして声明を出しました。
・再開は未定だったレストランも5月11日再開OK
・6月に再開予定だった映画館は前倒しで5月解禁
・旅行会社も再開
6月8日の第三の緩和では、
・動物園や植物園、プール、登山鉄道、各種学校などがオープン。
・引き続き、2mの距離をあける、手洗い消毒を徹底する
私はちょっとした衝撃を受けました。
再開自体はうれしいし、楽しむ機会が増えるし、その業種に従事する人々にとっては経済的にも心理的にもいいと思うし、反対ではないのです。
ただ、急な展開だったのでついていけず......
そう思っていたのは私だけではなかったらしく、NZZという大手新聞社だけは政府の方針を認める記事を出したのですが、ほかの新聞社はこぞと「まだ早い」「これまでの政策と正反対のよう」「今までいっていたことはなんだったのか」という論調。
あふれるであろう失業者や不況を見越しての政策なのだとは思います。
致死率が低いウイルスだということもわかっています。
でも、そこはかとなく漂うこの「なんで?」という気持ち。
あとは、私が住んでいる地域のことですが、マスクをしている人の数が圧倒的に少ないこと。
家とスーパーの往復と買い物中、約3時間あったのですが、マスクをしている人はたった3人だったのです。
あとは、人と人の距離が近すぎて、そのあたりも不安になる原因のひとつ。
在スイス日本国大使館からの情報によると、4月29日の時点で、
感染者数:2万9324人(前日比+143)
死亡者数:1407人(前日比+28)
だそうです。
今週はずっと雨模様で、ときどきおひさまが出るものの、ピクニック日和でもグリル日和でもなく......アッペンツェルでは最高気温が12度前後、最低気温が6度前後なので、庭に出ることもなく家で過ごしています。
とにかく、自分の頭で考え、できることを一つひとつしていくだけなのだな、と気が引き締まりました。
さて、世界中で流行っているというパン作りに私も挑戦してみました。
日本の味が恋しくて、あんこを作り、アンパンを、そしてソーセージパンを作りました。
あああ......コンビニ行きたい(笑)
筆者
スイス特派員
ヘス 順子
スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。
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