アッペンツェルバターは特別なバター?
美味しいチーズで有名なアッペンツェル。
どうして美味しいのかというと、「のどかなアッペンツェルの丘で太陽をたっぷり浴びながらのびのび暮らしている牛が幸せで、その幸せたっぷりな牛が出す健やかな牛乳でできているから」と、アッペンツェルの住人からよく聞きます。
となると、乳製品はぜんぶ美味しい!ということになりますね。
だからでしょうか、「アッペンツェル」という冠とお馴染みの例のイラストがついた乳製品をよくみかけます。
バターもそのひとつ。
ひとつは、牛の乳の部分が妙にリアルで、しかも風船みたいで、あんまり可愛らしくないですが・・・
アッペンツェルの田園風景を表してはいます。
もうひとつのは、お馴染みのアッペンツェルのイラスト。
フォントも可愛いし、これは欲しくなったので先日試しに買ってみました。
バターを買う前、スイス大好き!な愛国心全開のスイス人の夫に
「アッペンツェラーバターと普通のバターと何が違うの?」と聞いてみたところ、
あんなにスイスLOVEでいつも熱弁をふるう夫が、
「おんなじだよ、イラストが違うだけ」
とつれない様子でした。
それでもイラストが可愛いから買ってみて、さっそく料理に使ったところ、夫が一言。
「美味しいね! バターの香りが特にいいね!」
はい? おんなじなのではなかったのですか?
気になって、成分表を見てみました。
「アッペンツェル」と名のつくバターの成分はこんな感じです。
まったく同じ!
まあ、アッペンツェルで作られているので、秘伝の中身も同じなのでしょう。
では、MigrosやCooppで買えるバターと何が違うのかと調べてみたら・・・
なんと、ほとんど同じではありませんか!
なにが違うのでしょうか・・・なんの成分が彼の鼻に反応したのでしょうか・・・
そういえば、夫の鼻の高さは私の2倍あります(本当に)。
=粘膜も2倍と単純計算して、嗅覚も2倍ということにします。
その付け鼻のような高さの鼻で「香りがいい!」と判断したのですから、きっと本当に違いがあるのでしょう。
種明かしのように、「あらら、今日はアッペンツェラーバターを使ったからかな」と種明かしをしたら、付け鼻を真っ赤にして喜んで、
「やっぱり! アッペンツェラーバターはいい牛乳でできてるから香りが違うんだよ!」とご満悦。
こないだは「おんなじだよ」とつれなかったのに・・・
猫アレルギーですっかり鼻をやられている私には、たいした違いは感じませんでした。
でも、美味しいらしいのと、パッケージが可愛いのでときどき買っています。
鼻の効く方、違いがわかったら教えてください!
*アッペンツェラーバター上 100g Fr. 2.40
*アッペンツェラーバター下 100g Fr. 2.15
(2016年3月時点 アッペンツェルの某近所の店で)
筆者
スイス特派員
ヘス 順子
スイス東部のアッペンツェルに住んでいます。日本とスイスの橋渡しになるような仕事をし、それを深めていきたいです。
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