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フランス南西部 ビアリッツBiarritz (1)

カテゴリー:文化・芸術・美術 / 旅行・ツアー・ホテル / 見所・観光・定番スポット 投稿日:2011年5月14日

フランスを横切り、大西洋側でピレネー山脈に近いビアリッツBiarritzに滞在しました。南と言っても地中海沿岸とは違い、荒々しい大西洋に面したこの町は海からの風が強く、4月末ではセーターや海風のためのちょっとした防寒具がまだ必要です。スペインの国境までは30キロほどでスペイン・フランスにまたがるバスク地方でも北バスクと呼ばれる地域がフランスのピレネー・アトランティック県(départment de Purénées-Atlantiques)の中にあります。ビアリッツは、バヨンヌBayonneやサン・ジャン・ドゥ・ルズSaint Jean de Luzとともに大西洋側の観光地として知られています。いろいろと興味深かったので、歴史と観光・食べ物・スポーツについてご紹介します。

(1)歴史散策― くじら漁港からヨーロッパ貴族の保養地へ

11世紀から12世紀頃までは大西洋近海にくじらがたくさん生息していて、ビアリッツの人々もほとんどがくじら漁で生計を立てていたそうです。現在のビアリッツの町の徽章にもくじら漁の様子が描かれています。捕獲されたくじらは、食用としてだけでなく、脂をろうそくに使ったり、骨を農耕具に使ったりと人々の生活に欠かすことのできない資源だったようです。
bia.jpg

くじらの骨などが海洋博物館Musée de la mer で見ることができます。

その後スペインとフランスの間でバスク地方の領土をめぐって論争が続き、17世紀には国境も定められたものの、バスク地方一体を領土としていたナヴァレ王国の王がアンリ4世としてフランス王としても君臨していたため、ある程度の自治を保っていた北バスク地方ですが、フランス革命の波に押され自治権を失い正式にフランスの一部となりました。この歴史からスペインのバスク地方に共通する文化が多く残っています。言語としてもバスク語Basquaseがまだ多くの人々の間で話されます。こういったバスク地方の歴史については、お隣の町、バヨンヌBayonneにあるバスク博物館Musée Basque で細かく紹介されています。

一方、18世紀終わりには、「海水浴」の医療的な効果が認められ、海で泳ぐことは一つの流行になっていき、ビアリッツ周辺の海岸にもヨーロッパ各国から海水浴客が多く訪れていたそうです。そして1854年に当時の皇帝であったナポレオン3世Napoleon IIIが妻のウェジニ皇后Eugénie de Montijoと2ヶ月ビアリッツに滞在。ウェジニ皇后はすっかりビアリッツが気に入り、皇后の名前の頭文字・Eの形に離宮を建てることにしたそうです。これがきっかけでヨーロッパの貴族や上流階級の人々がビアリッツに保養に来るようになり、その名がが知られるようになりました。18年間という決して長くはない即位期間中に、ナポレオン3世夫妻によって、漁港防波堤の建設が行われたり、漁師を海難事故から守るために岩の上に聖母像を作ったりと、ビアリッツの町がどんどん整備されました。ドイツ宰相のビスマルクもナポレオン3世との政治会談をビアリッツで行ったそうです。ロシア革命前にはロシア貴族も多かったため、ロシア正教会聖堂も建設されました。現在、ウェジニ皇后の離宮はホテル・デュ・パレHotel du Palaisとして残っています。
hotel du palais.JPGHôtel du Palais

roche maria.JPG聖母の岩

port.JPGナポレオン3世により建設された防波堤に囲まれた漁港


そしてココ・シャネルが初めてのメゾン・ド・クチュールを1915年にビアリッツで開業。ビアリッツはファッションの町としても注目を浴びるようになり、高級ブランドも次々とビアリッツに進出し始めます。この建物は、今も海外沿いのカジノの向かいに残っていてます。

こうしてビアリッツはフランス国内でも高級リゾート地として注目を浴びてきました。
(つづく)

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西岡 佐知子

フランス・旧アヌシー特派員の西岡 佐知子が現地からヨーロッパ地域に至るまで、旅行・観光・食事などの現地最新情報をお伝えします。

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名前:西岡 佐知子

西岡 佐知子

昨年よりフランス在住。途上国における開発協力を仕事とし、オランダで開発学修士を取得した後、アフリカやアジアに滞在。滞在先で出会ったフランス人の夫のジュネーブ転勤に伴ってスイス国境沿いのオート・サヴォアに転居してきた。アルプスの見える家に住み、自然に囲まれたフランスの田舎暮らしに適応中の日々。都会とはまた違ったナチュラルなフランス南東部の魅力を紹介していく。

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