南東部の自然の旅　（２）アルデシュ

公開日 : 2009年09月14日

最終更新 : 2009年09月14日

筆者 : 西岡佐知子

フランスでも景勝地として知られているアルデシュArdèche県。ローヌ・アルプ州の西はしに位置します。フランス南部は、石灰岩が雨などに浸食されてできたカルスト地形が多く見られる地域です。アルデシュ県は、このカルスト地形とその石灰岩盤の間を縫うように流れるアルデシュ川でできたアルデシュ峡谷や、石灰岩層下にできた数多くの鍾乳洞でも知られています。鍾乳洞探検はフランス語でspéléologieと呼ばれ、家族で楽しめるアウト・ドア・レジャーとして親しまれています。

アルデシュ川の両岸は時に高さ100メートル以上の岩壁で挟まれ、展望台から遥か下に見下ろせる川が乾いた石灰岩の中をうねりながら流れる姿はフランスの自然のスケールの大きさを実感させてくれます。

中でもポン・ダルクPont d'Arcは、自然の岩が川をまたいでアーチ橋になっていて、アルデシュ観光の目玉の一つでもあります。夏場はカヤックでアーチの中をくぐりながら川を楽しむことができます。

そしてもう一つの楽しみ方は前述の鍾乳洞。専門家に先導してもらい、つなぎ服やヘッド・ライトを装着して本格的な洞窟探検もできますが、歩いて鍾乳洞の一部を見ることもできます。今回は、アヴン・ドルニャックAven d'Orgnacに入りました。洞窟の中の温度は年間を通じて常に11度で、半袖では寒いです。途中立ち止まりながら鍾乳洞の形成過程や発見にまつわるエピソードなどがガイドさんが話してくれます。そして最後には光と音を使った鍾乳洞のスペクタクル・ショーを見せてくれます。日本の鍾乳洞には何度か行きましたが、こういう見せ方はあまりしないですね。他の鍾乳洞では、洞内でジャズ・ライブをしたりするそうです。

フランスは2006年に国内18箇所の鍾乳洞を世界遺産として登録するようUNESCOに申請しました。その多くがローヌ・アルプ地方にあります。