No.109 Tranquillo (穏やか)な今日の様子をご紹介します

公開日 : 2020年03月11日
最終更新 :

皆さん、おはようございます。日本では、イタリアの「悲惨そうな」ニュースが衝撃を与えているでしょう。その重たい雰囲気を少しでも和らげたく、今日、私が1日、見聞きしてきたものを紹介させてもらいますね。少し長いですがよろしくお願いします。

今日の私はといいますと通常通り、火曜朝8時半に家を出て仕事先へ......。そう、特に何も連絡がなかったので仕事場に出かけました。主人も同様、7時半に出勤していきました。 道路は交通量は若干少ないものの、ここ数日続いている道路の舗装作業や、スーパーマーケットの新築工事もガンガンやっています。 ちなみに現在は仕事や健康(買い物を含む)上の、必要最低限の理由がある場合以外での外出は制限されており、コムーネを越えることは禁止されています。 私の仕事場は自分の居住地のコムーネと異なる場所にあるので"通行許可証"を勤務先と共に作成し携行することが必須条件になります。徹底していますね。

さて仕事先ですが、アルコールや消毒薬を常備し拭き掃除や掃き掃除などをマメに行い、人との距離の間隔を1m以上とることをスタッフ間またお客さまとの間でも徹底するようになっていました。ってお客さんは常にほとんど来ないし、広いオフィスにいるのはいつも社長夫人と私のふたりだけなんですけどね。

仕事のあとはどうしても買いたい物があったので、スーパーマーケットへ。大手のスーパーではなく少し小さめのスーパーマーケットなのですが、出入口の自動ドアは手動になっており、そのドアには「入店者数制限中」の張り紙がありました。

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「買い漁り行為が発生してるのかな?」と、内心すこし不安だったのですが、そんな下品な行為も起こっていないようで安心しました。ただ、これだけは今後の風評によってどうなるかですよね。だれかがフェイクニュースを流したら一気にこの平和な状況も殺伐としたものに変わるでしょう。

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私が行った小さなスーパーの横には大型の一流スーパー「Famila」があり、そこはこの写真のように入店待ちをしている人だかりが。もっと離れて待たせないと、入店者数規制をしている意味がないのにね。

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さて、学校に関する新しい情報も今日知りました。 仕事先の社長夫婦には別々の高校に通うお子さんがふたりいらっしゃいます。「自宅待機で勉強なんかしないでしょ〜」と婦人に聞いたところ「ふたり共インターネット経由で、クラス単位の授業を受けてるのよ。しかも1日5時間もよ!」とのこと。知りませんでした。すごく進んでいますよね〜。先生が授業をする動画をネット経由で生配信して、それを生徒たちが自宅で視聴するんですって!  すべての学校で対応されている訳ではないようなのですが、ちょっと感動しました。イタリア、やるな〜!!

また、仕事に関してですが、移動規制が出ている状況なので基本的に在宅ワークが勧奨されています。主人の妹も今日の午後から自宅ワークを開始しています。

イタリアでは救急車はボランティア団体が組織していることが多いのですが、彼らは身体の不自由な方や車がなく移動ができない方に対して移動手段を提供しています。また、私が住むコムーネは、家族のサポートが受けられない70歳以上だけの世帯(約3000世帯)を対象に、買い物や日常生活を援助するボランティア体制を整え、今日から依頼受付を開始しています。

今、まさにコムーネの車が「外出は控えて家にいるように!」というアナウンスを発しながら、わが家近くを通り過ぎました。何度か聞いているので、町をぐるぐる巡回しているようです。

昨日の夜に決定し、今日から施行の法令。 州、コムーネへの落とし込みもしっかりと考えられていて今のところ大きな混乱もなく、政府の意気込みと本気度が感じられます。 そして、その州やコムーネも市民のことを考えた対応をしっかり取ろうとしているように見受けられます。

国民(私は正確には住民ですが)も状況の悪化は数字に表れているので、公機関がスピーディで大胆な決定を行ったことによって、より真剣に考え真面目に行動するようになっているのが感じられます

明日は2日目。 みなが穏やかに過ごせるように、少しでも感染リスクが下がるように、手洗いしっかりで過ごしたいと思います。

長々とお付きあいありがとうございました❤皆さまもくれぐれもお気をつけて。簡単に防ぐことはできませんが、感染するリスクをできるだけ避けるようになさってください。Buona giornata a tutti!みなさん、よい一日を。

筆者

イタリア特派員

丹羽 淳子

イタリア、アンコーナ県の海辺の町に住んでいます。毎日を気ままに過ごすことが堂に入ってきました。

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