No.101 Urbinoへ遠足してきました。Galleria Nazionale delle Marche へ①

公開日 : 2020年01月08日
最終更新 :
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みなさん、おはようございます。昨年から続いているウルビーノの紹介ですが、新年に入ってもまだ続きます。アンコーナへは日本からのお客様はあまりいらっしゃりませんが、ウルビーノへは多くの方がいらっしゃっているという事実を無視するわけには行きません。ウルビーノはラファエッロが生まれた町として広く知られ、イタリアのルネッサンス文化が花開いた都市のひとつとして、興味深い歴史を持つ町です。マルケ州をご存じない方でもウルビーノという地名は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

今日はこのウルビーノにある国立マルケ美術館:Galleria Nazionale delle Marcheをご紹介しますね。写真も多くなっているので、○回仕立てさせていただきます。

ルネッサンス時代にこの町を芸術と文化の都市として栄えさせたのは、フェデリコ ダ モンテフェルトロ公爵です。立派な軍人として戦績をあげた公爵が、15世紀にウルビーノ公国の君主となり、画家などの多くの文化人を集め、いわゆるパトロンとなり、ここウルビーノ公国にフィレンツェやヴェネチアで見ることができるルネサンス文化をもたらしました。あのフィレンツェやヴェネチアと肩を並べるルネッサンス文化の地がマルケ州にあったとは。驚きですね。ちなみに彼の肖像画はフィレンツェのウフィツィ美術館にあり、二番目の妻と向かい合う形で描かれた横顔の肖像画です。どこの誰れの肖像画と意識せずに目にしたことがある方は多くいらっしゃると思います。

このフェデリコ公の時代に建築されたPalazzo Ducale(ドゥカーレ宮殿)が現在は国立マルケ美術館としてりようされており、当時の公爵の住まいぶりを感じながら数多くの絵画や展示物を見学することができます。

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建物を入ると中庭が広がります。当時は中庭でパーティなども開かれたのでしょうか。チケット売り場は中庭奥の右手にあり、美術館の入口は中庭に面してチケット売り場の対角の扉になります。

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1階にはお手洗いもありますが、その手前にはロッカーがあり、大きな荷物はここに預けることになります。傘も預けられて便利。しかも無料です。

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さて、美術館としては二階と三階が開かれています。この馬が上ることができるといわれている、広くなだらかな階段を上っていざ美術館内へ。

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噂によると数名のグループで見学する場合は、美術館のスタッフが案内係として付いてきてくれるのだとか。私は一人で行ったため、まったくのフリーで見学しましたが、確かに美術館内にかなり大勢のスタッフがいたのは事実です。

扉の多くはこの様に、木象嵌というのでしょうか、細かく繊細なデザインが施された設えになっています。これを見ただけでもため息。これは確か入り口の扉ですが、宮殿内、多くの扉がこの設えになっていました。

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さて、入口を抜けるとすぐにフェデリコ公の住まいとして、リナシメント広場に沿う形で配された連続した七つの部屋が始まります。

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とにかく広い。Urbinoは内陸部で寒さも厳しい場所。雪もかなり降ります。ということで、どの部屋にも立派な暖炉が備え付けてありました。

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窓の作りも独特で、このように窓の両脇に向かい合う形で椅子が配されています。このスタイルはラファエロの生家でも見ることが出来、この宮殿の窓辺を模したらしいです。

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そして、続いてのお部屋ではフェデリコ公の寝室を見ることができます。寝室の中の寝室ですね。内部にも外部にも絵が描かれています。7部屋もつながった部屋にある寝室ですので、プライバシー性を高め、また冬の寒さに対して暖を取りやすくするためにこのような寝室が使われていました。

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階段を上がって三室を見ただけでもちょっとした感動を覚えます。フラッシュをたかなければ写真も自由に撮れますし、何といっても、シーズンオフは見学者がとても少ない。美術がお好きな方、中世のイタリアがお好きな方、おすすめします。

では、Galleria Nazionale delle Marche へ②へ続きます。

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名前:Galleria Nazionale delle Marche所在地:Piazza Rinascimento, 13, 61029 Urbino PUTEL: 0722 2760時間:月:8:20~14:00 火~日:8:20 - 19:20

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筆者

イタリア特派員

丹羽 淳子

イタリア、アンコーナ県の海辺の町に住んでいます。毎日を気ままに過ごすことが堂に入ってきました。

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