【世界を旅した植物コレクショナー&造園家 エドワード・アンドレ氏の旧邸宅へ】一日限定の子孫フローレンス・アンドレさんのガイドヴィジットへ参加

公開日 : 2021年09月30日
最終更新 :
筆者 : リリィ

日本でも、切り花でお花屋さんに並んでいる、アンスリウムの花をご存じですか?

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17世紀後半に活躍した、フランスの造園家でもあり、世界を旅する植物コレクショナーでもあった、エドワード・アンドレ氏が南米旅行の際にコロンビアにて発見し、その後、ヨーロッパや世界に知られることになったということから、アンスリウムの学術(ラテン語)名には「アンスリウム・アンドレアヌム(Anthurium andreanum)」とアンドレ氏の名前がつけられています。この、エドワード・アンドレ氏の旧邸宅と敷地内、そして彼の子孫でもあるフローレンス・アンドレさんが特別企画した1日限定のビジットに、今年2021年6月に参加してきました。

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1871年からサントル・ヴァル・ド・ロワール地方、シェール川が流れるシュノンソーに近い、「ラ・クロワ=アン=トゥーレーヌ」という小さな村に家族とともに移り住みました。現在の公園横、駐車場には、当時は大きな温室があり、世界各地でアンドレ氏が集めてきた植物を育てていた場所でもあります。

【村の中心、ナショナル通りへ】

アンスリウムを発見したエドワード・アンドレ氏の旧邸宅は、現在、自然公園として一般開放されています。駅から市役所を目指して、ナショナル通りを歩きます。

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すると正面門が右手に見えてきます。

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中に入ってみましょう。写真下、正面奥に見えるのは、旧母屋で、現在は小さな図書館として住民の方が利用しています。図書館へは開館時間であれは自由に入ることができ、エドワード・アンドレ氏についての書籍がディスプレイされています。

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1871年から、エドワード・アンドレ氏はラ・クロワ=アン=トゥーレーヌ村のこの邸宅(写真下)に住み、代々、アンドレ一家が邸宅を手放すまで、子孫のフローレンス・アンドレさんが住んでいました。現在も、フローレンスさんは、ラ・クロワ・アン=トゥーレーヌの村に住み、庭園歴史家として、エドゥアール・アンドレ氏に関する書籍や論文を発表しています。

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2003年から自治体が所有し、改装工事が行われ、2008年から旧エドワード・アンドレ邸(写真下)はラ・クロワ=アン=トゥーレーヌ村の役場として、またNPO団体の活動の場所としても利用されています。

【今年は150周年記念年、エドワード・アンドレ氏ラ・クロワ=アン=トゥーレーヌへ】

2021年はエドワード・アンドレ氏がラ・クロワ=アン=トゥーレーヌに居を構えてから150周年にあたります。それを記念して、2021年6月5日(土)、フローレンス・アンドレさんが中心となって、「第1回パーク・フェスティバル(Parc en Fête)」が開催されました。開催前日の6月4日(金)には、フローレンスさん自身が公園内をガイドする「パークヴィジット」が開催され、今回は第1回開催のイベントとあって、地元の住民が参加し、フローレンスさんの記憶をたどりながら、3.3ヘクタールある敷地内のエドワード・アンドレ氏の当時のこだわりについて、植わっている木々の樹齢、種類、などを見て回りました。写真下、説明している女性がフローレンスさんです。

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そして、フランス国鉄の線路沿いに公園内を歩いていくと、シンメトリーな「ローズリー」というバラ園が見えます。

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昔はフランス語で「ポタージェ」、家庭菜園のスペースでした。

筆者が訪問した際には、バラはまだ植えられたばかりといった若い苗でした。

またヴィジットポイントとして、写真下には線路が見ていますが、フランス国鉄の線路になります。この線路を背中にして(次の写真)、庭園を見てみてください。

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この景色(写真下)が、フランス庭園で見られる技法「遠近法」を用いた景色になります。ヴェルサイユ宮殿などに見られる遠近法はスケールが大きいですが、このコンパクトな庭園内にも遠近法を用いるこだわりはエドワード・アンドレ氏ならではです。

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また、こちらも期間限定ですが、敷地内の別の建物では、

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フローレンス・アンドレさんによる、エドワード・アンドレ氏の展示が見学できます。

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今回は、初めての展示とフェスティバルでしたが、歴史上の人物の子孫の方と直接お話しできたことに感動しました。おすすめは、6月第1週の金・土・日に開催される「パーク・フェスティバル(Parc en Fête)」の時期に訪れ、可能であれば、プログラムもチェックしていくと、フローレンスさんに出会えるかもしれません。私が参加したパークビジットであれば、英語も可能です。またトゥール(またはサンピエール・デ・コール)駅発、シュノンソー城へ行く際の列車と、同じ路線ですので、シュノンソー城を観光する前に訪れるならば、「ブレレ-ラ・クロワ」駅で途中下車します。駅から歩いて5分と、アクセスにも便利です。敷地内には、ピクニックテーブルも設置されていますので、お弁当持参もできます。

【写真・文│アンジボー由利子、撮影許可・情報提供│フローレンス・アンドレ】

・最寄り駅: フランス国鉄「ブレレ-ラ・クロワ(Bléré - La Croix)駅下車、徒歩約5分

・住所: Parc Edouard André, 30 Rue nationale, 37150 La Croix-en-Touraine

(公園営業時間は季節により変更のため、確認が必要です)

・問い合わせ先: mairie.la.croix-en-touraine@orange.f

筆者

フランス特派員

リリィ

フランス在住14年目。仏文簿記の国家取得を目指し学習中。

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