【ロワール古城のクリスマス・アンボワーズ城】18世紀ルネッサンスなナポリタン・クレッシュ♪

公開日 : 2019年01月24日
最終更新 :
筆者 : リリィ

フランスのクリスマス装飾に欠かせないのが、「クレッシュ」。ミニチュア模型でキリストの「降誕場面(Nativity Scene)」を再現したものが「クレッシュ」と呼ばれます。教会や大聖堂から一般家庭まで、ツリーと同じく、フランスで、とてもポピュラーなクリスマス装飾で、小さな子供から大人まで親しまれています。クレッシュでもイタリアのサントスのものが飾られているというので、早速、昨年12月、アンボワーズ城のイタリアのナポリタン・クレッシュを見に行ってきました。

お城の敷地内を歩いていくと、アンボワーズ城の壁に、巨大なクリスマスリースが見えてきます。こちらのお城のクリスマス装飾は、全て、城内の庭園を担当している庭師さんたちによるもの。このクリスマスリースは、写真でみると小さいですが、実際にみると、とっても大きいです。

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フランスの王家の居城にふさわしい荘厳なナポリの「クレッシュ」は、フランス国王の居城の建物内の、メインの部屋でもある「会議の間」にありました。18世紀のイタリアの伝統的スタイルのクレッシュを堂々と再現。

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そして、(クレッシュに飾られる)人物像(イタリア語でPastoriパストリ)は、一番大きなもので、背丈20㎝~30㎝。南フランスで作られる、「サントン人形」のクレッシュよりも大きいサイズ。この「パストリ」と呼ばれる人物人形は、テラコッタといわれる土の素焼きので作りです。よく見ると、顔の表情がとても豊か。ナポリの職人さんたちの腕前は、昔から有名だったといわれますが、さすが、精巧にできています。

山の見える景色、ナポリらしい露店や漁師の人形がおかれていますが、庶民的なナポリの日常を描写しています。廃墟となった古代神殿には、キリスト降誕シーンを再現。

通常フランスでよく見る、クレッシュ装飾では、キリストの生まれる場所というのが洞窟だったり、馬小屋が設置されたりしますが、「古代神殿の廃墟」を設置して、降誕シーンとして使うというのが、イタリア・ルネッサンス時代のナポリ・クレッシュの特徴です。

大きさもロワイヤルにふさわしく、横幅は約3m。設置するのに、2人がかりで30時間かかったそうで、フランス3のお昼のニュースでも取り上げられていました。展示期間は、11月30日から1月6日までです。撮影したのが、クリスマス前ということもあり、、キリストは生まれておらず、キリスト不在のクレッシュ。ここまで大きなクレッシュだと、なかなか見ごたえがあり、ずっと眺めていても飽きません!キリスト生誕後の12月25日以降は、生まれたてのキリストのミニチュアが、聖母マリアと、ジョゼフの元に飾られます。

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そして、聖母マリアとジョゼフの二人の頭上には、天使が舞い、光が灯っています。この光が、「星」になります。この星めがけて、東方の三人の博士(賢者ともいわれるようです)が手に贈り物を持って旅をしています。この3人の博士を、フランス語では、「Trois rois mages トワ・ロワ・マージュ」といい、ガレット・デ・ロワのロワの由来にもなります。ちなみに、この3人の博士が1月6日(エピファニー)に、生まれたキリストの元に到着します。それを祝って、ガレット・デ・ロワを食べるという習慣がありました。今日のフランスでは6日にこだわりなく、1月上旬あたりから、ガレット・デ・ロワという焼き菓子が出回ります。

私が訪れたときは、この3人の博士たちは、旅の途中のため、かなり離れたところに配置されています。

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さて、クレッシュを見てから、アンリ2世の部屋へぶらり。かわいらしいツリーがありました。

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レオナルド・ダ・ヴィンチのお墓のある礼拝堂の中にもクリスマス装飾♪↓。

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2019年は、レオナルド・ダ・ヴィンチが1519年に亡くなってから、500年目を迎えます。アンボワーズの街は、レオナルド・ダ・ヴィンチのルネッサンス500年記念で2019年は盛り上がるのでしょうか。

[撮影・掲載内容:アンボワーズ城 広報様 承諾済]

Château d'Amboise

http://www.chateau-amboise.com/

営業時間:時期によって営業終了時間が異なりますので(特に冬季期間)こちらをご覧ください。

筆者

フランス特派員

リリィ

フランス在住14年目。仏文簿記の国家取得を目指し学習中。

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