【ロワール古城クリスマス・シュノンソー城】カトリーヌ・ド・メディシス生誕500年記念装飾♪

公開日 : 2019年01月22日
最終更新 :
筆者 : リリィ

フランス王家のロワール古城で、最もエレガントで美しいと呼ばれるシュノンソー城。16世紀から19世紀にかけて、6人の女性が城主となり、それぞれの好みに合わせて改築を重ねたとして、「女性のお城」として有名です。そのため、女性的な建築が見受けられます。今回の主役は、2人目の女性城主、王妃カトリーヌ・ド・メディシス。

実は、今年、2019年は、彼女がイタリアで生まれてから生誕500年目にあたります。この記念すべき年を迎えるため、2018年のクリスマス装飾は、カトリーヌ・ド・メディシスに思いを込め「メディシスのノエル-NOEL MEDICIS(ノエル・メディシス)」がテーマでした。シュノンソー城にとって特別なクリスマスだというのを感じさせる、華やかなロワイヤル花装飾を、昨年12月に訪問。豪華絢爛な装飾を、たっぷりと堪能してきました♪

ヴィジットを始める前に、カトリーヌ・ド・メディシス時代の歴史背景をフィードバックしてみましょう(見学用ガイドはこちら)!。

カトリーヌは、フランス国王アンリ2世との結婚し、王妃となります。しかし、アンリ2世は愛妾ディアーヌ・ド・ポワティエを愛し、国のものであったシュノンソー城も、1547年にディアーヌに贈られます。ところが、馬上槍試合に出場したアンリ2世が相手のやりを目に受け、それがもとで、アンリ2世は息を引き取りました。その後、王妃カトリーヌは、ディアーヌからシュノンソー城を返還させ、シュノンソー城からフランスを統治します。王妃カトリーヌは、改築にも力を入れ、フランス宮廷主催の舞踏会や賓宴を催す場所として、ギャラリーを2階建てに改築したり、庭も造園。イタリアの豪華絢爛な装飾も取り入れました。

今日でも、そんな当時のエスプリがシュノンソー城では受け継がれています。招待客を招いていた当時のように、観光で訪れる私たちを「ゲストのように迎え、もてなす」という精神を大切にしているのだそうです。今回も、観光客である私たちへの「おもてなし」を感じた旅となりました。

シュノンソー城までは、列車の旅。トゥール駅から出発。ローカル列車TERにて30分前後。パリからの場合は、パリ・モンパルナス駅からTGVでサン・ピエール・デ・コール駅で下車、TERに乗り換え。私も、まるでカトリーヌ・ド・メディシスの宮廷舞踏会の招待を受けてお邪魔するような気持ちで、お城に向かいました。お城に入ると、暖炉の火が、お城までの旅で冷たくなったからだを温めてくれました。

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お城入り口からすぐのルイ14世サロンにて。荘厳なクリスマスツリーを見つけました。フランス宮廷のツリーらしく、ゴールドは「太陽」のように、ルイ14世の権威を表すかのごとく。

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アンリ2世に愛されたディアーヌの部屋へ行ってみましょう。上品なブルー色のリボンに、宝石をちりばめたティアラのようなエレガントな装飾。妖精が舞っているようです。中央には、教会で使用するキャンドルを使用。左手暖炉の上には、カトリーヌ・ド・メディシスの肖像画。

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こちらは、王妃カトリーヌの図書室。彼女のデスクには、カトリーヌ・ド・メディシスのイニシャル「C」を組み合わせたバラのモノグラム。この文字からインスピレーションを受けたのが、ココ・シャネルです。彼女もシュノンソーを愛した女性の1人。

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さて、次は、王妃カトリーヌ・ド・メディシスが舞踏会や夜会を開いていた「ギャラリー」です。今回のクリスマス装飾のメイン会場でもあり、当時の、華麗なる宮廷舞踏会場を、贅沢に再現しています!160mにわたるテーブルに、華やかにグラスやパティスリー白を基調とした花で演出。

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近くに寄ってみましょう! イタリア・ルネッサンスを思わせるグラスセレクト。こちらは、パリ16区にある創業1750年老舗クリスタルブランド「Cristal de Sèvres」です。そして、パティスリーは、「Café Pouchkine」デザインのもの。この2つのグラン・メゾンとシュノンソー城の花装飾がコラボ。フランス宮廷テーブル装飾も、とっても贅沢に演出されています。

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さて階段を降りて、地下の食堂へ行ってみましょう。

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当時、イタリアからフランスにもたらされたもの、といえば、柑橘類の果物もその1つ。ということで、イタリアをイメージして食堂のクリスマス装飾は、柑橘類がテーマです。

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そして、カトリーヌ・ド・メディシスのお部屋です。カトリーヌ・ド・メディシスが身にまとうドレスの「襟(フレーズ Fraise)」からインスピレーションを受けてデザインされたもの。コンパクトながら精巧な作品、見事です。

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こちらは伝統的なクリスマスらしい装飾。キャンドルスタンドへのアレンジメントを施したもの。

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そして、シュノンソー城で、注目したいのは、フランス国内で唯一、古城内に花装飾部があり、専属フロリストが毎日花のメンテや制作をしているということ。お城敷地内に、花装飾の作業をする小さなアトリエ「アトリエ・フローラル(Atelier Floral)」が別棟にあり、20年以上続いています。現在の花装飾部のチーフは、フランス最高職人フロリストMeilleur Ouvrier de France ジャン-フランソワ・ブーシェ氏。彼が全館の装飾のデザイン・コンセプト等を担当。スタッフは他2名。フランス・トップクラスのフロリストチームです。

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写真左はスタッフのオーレリー・ファッシネさん。写真右はMeilleur Ouvrier de France(MOF) フランス国家最優秀職人フロリストのジャン-フランソワ・ブーシェさん。

今回は、Meilleur Ouvrier de France(MOF)ジャン-フランソワ ・ブーシェ氏から沢山お話しを伺いました。今回ご紹介したのは、お城の一部で、夏の観光シーズンには、庭園や家庭菜園も見事な姿で皆さんの目を花や植物で楽しませてくれます。城内の花装飾、すべてが「ピエス・ユニック」。まさにフランス宮廷の花装飾の世界へようこそ!といったところでしょうか。

[撮影・掲載内容:シュノンソー城 広報様 承諾済]

Château de Chenonceau 37150 CHENONCEAUX

https://www.chenonceau.com/

営業時間

1月1日から2月9日:9時30分~17時00分

4月7日から5月7日:9時00分~18時30分

5月以降のオープン時間詳細はこちら

☆営業時間は冬季シーズン中は営業終了時間が早まる場合もあるようです。

シュノンソー城公式HPトップページ左上に、その日の営業時間が記載されていますので、チェックしてみてください。

☆シュノンソー城では団体様向けオーダーメイドのフラワーレッスンも受付けています。

お問せはこちら:events@chenonceau.com

筆者

フランス特派員

リリィ

フランス在住14年目。仏文簿記の国家取得を目指し学習中。

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