秘境の珍しい滝 「滝の拝」

公開日 : 2018年09月27日
最終更新 :
筆者 : 麻巳子

古座川町には奇岩・巨岩が多いのですが、滝も多く、その中でも「滝の拝」と呼ばれる珍しい滝があります。

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穴だらけの川床

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柿太郎の廻りより古座川の支流である小川上流に向かって車で走り、約5分で滝の拝に到着しました。

バイパスが出来ていたので道が良くなっており、思っていたより早く快適に到着しました。

バイパスを通ってくると「道の駅 瀧之拝太郎」に着くのですが、私たちは滝の拝に架かる橋のそばの駐車場に車を駐車して周辺を散策しました。

空気がヒンヤリしていて川の轟音が聴こえています。

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まずは道路から橋のそばにある階段を下りて川床へおりました。

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橋にはここが滝の拝だと分かる大きな看板が掲げられています。

シーズンにはカヌーや鮎釣りなど釣りをされる方は多いかもと思いますが、古座川町の観光名所でもあるのに観光客は比較的少ないように思います。

この時も観光客は私達だけでした。

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この川床が凄いのです。

クレーターのような氷河のような川床は全てが岩で、約200mにわたり大小さまざまな奇形の岩穴が広がります。

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このような岩底や河岸の岩石上にできる円形の穴をポットホール、甌穴(おうけつ)と呼ばれていますが、水が渦巻き状に流れて石や砂がくるくると回り、岩盤を丸く浸食していく自然現象で出来たものです。

滝の拝の川床の岩盤には円形、船底型、溝形、壷型など様々な穴があいていて、ひとつひとつの穴の形が奇妙で面白いですね。

和歌山県内にも甌穴のある川床はあるけれど、これだけあるのは珍しいかもと思います。

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下流の様子です。

台風後なので川が白っぽい色をしていました。

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滝のように川が下っていた場所があったので、恐る恐る近くまで行って見てみました。

さすがにこれ以上近寄るのは怖くて私には無理でした。

ドドドド・・・という川の流れる音が迫力があって凄いですね。

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川の水に触れられそうな場所があったのでそばまで行って触ってみました。

思ったよりは冷たくなくて気持ちが良かったです。

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上流の様子です。

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対岸に神社があるので、そこまで歩いて行くことにしました。

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今度は橋を渡って対岸へ向かいました。

橋を渡り道なりに右の方へ行くと道の駅 瀧之拝太郎がありトイレや売店があります。

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橋の上から見た下流の様子です。

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こちらは上流の様子です。

橋から見る滝の拝は素晴らしくお勧めスポットですよ。

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初めて滝の拝に来た時に、もっと落差のある滝をイメージしていたので「これが滝!!?」と驚きました。

傾斜のある岩の上を滑るように流れ落ちる渓流爆の部類の滝なのでしょうか?

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今回は台風後だったので、川の水も増水していて水量が多かったです。

迫力~!

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水が勢いよく流れ落ちています。

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普段とは少し違った光景でした。

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穏やかな時はこのように水が澄んでいてきれいですよ。

滝の拝の金毘羅神社

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緑の木々の間から神社の境内と社殿の朱が見えています。

上の木が紅葉したら綺麗でしょうね。

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橋の袂に神社への道があります。

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こじんまりとした境内には、石垣の上に小さな社が2社並んであり、金毘羅さんがお祀りされています。

その手前には由来の説明板がありました。

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水・農・薬などの命の神様として信仰されているそうです。

うろ覚えですが向かって左側の社の中には彩色された社が、右側の社の中には石仏がお祀りされていたと思います。

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境内は滝の拝を眺められる舞台のようになっていて、ここからも滝の拝を眺められます。

滝の拝の名前は、滝に神を感じて拝んだことに由来するとも云われています。

滝の拝太郎伝説

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また、滝の拝には滝の拝太郎伝説があります。

説明板にはこのように書かれていました。

『大昔、沛太郎が大小のくぼみを岩に九百九十九掘りました

千壷目に深い壷を掘りに這入ったきりでてこなかったそうです

滝の沛の人達は遺言通りの五輪の塔を建てました

塔のひな型をほりつけた面を 下側にした岩が川底に沈んでいます』

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そしてこのようなお話もあります。

昔、滝の拝に住んでいた滝之拝太郎という侍は、刀で穴壷を掘っていてあと一つで1000壷という日に刀を滝に落としてしまいました。

刀を求めて滝壷に潜った拝太郎は、ある日ひょっこりと滝壷から戻ってきました。

拝太郎は滝壷に入ってから七日間の間、滝のお姫様の歓迎を受け、お姫様から刀と共に貰った丸い大きな石のお土産を持って帰ってきたのでした。

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以前は毎日、滝壷で雷のように鳴っていた音が、この丸い石を持って来た後は聞こえなくなり、この石は今も滝の神様を祀っている金毘羅様の境内に残されています。

という伝説があるので、この丸い石が拝太郎が持って帰ってきた石なのでしょうか?

気になります。

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境内から滝の拝を間近で見ることができて迫力があります。

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滝の拝を上から眺めるとさほど落差を感じさせないけれど、カヌーなどをされている方の下からの画像を拝見すると、まるで峡谷の中でカヌーをしているような風景でとても神秘的でした。

実際下から見ると、高さがあるのでしょうね!

私もカヌーが出来たらまた違った世界が楽しめるのに!と思わずにいられませんが、上から見る滝の拝も素晴らしいので古座川へ来た際はぜひ足を延ばして滝の拝をご覧くださいね。

秘境というには道も随分良くなっておりそばに民家もありますが、観光客も少なく秘境気分と自然のアートが味わえますよ。

*これが若衆組の宿!? 大正モダンな「互盟社」 (こちら)

*何コレ!? 奇岩の「虫喰岩」 (こちら)

*古座川に浮かぶ島全体が神社の「河内島」 (こちら)

*悲恋の話が伝わる「少女峰」 (こちら)

*まるで岩に咲く牡丹の花 「ぼたん岩」 (こちら)

*柿太郎の廻り (こちら)

<滝の拝>

・所在地 和歌山県東牟婁郡古座川町小川

・見学自由

・駐車場 有

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*滝の拝の近くに道の駅 瀧之拝太郎があります。

・住所 和歌山県東牟婁郡古座川町小川774番地

・営業時間 8:30~17:15

・物産コーナーは土・日・祝祭日の11:00~15:00

・トイレ・駐車場・公衆電話、屋外の休憩スペース(東屋)は24時間利用可能

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