ペリーの黒船来航より早かった! 「日米修好記念館」
日米修好の歴史は嘉永6年(1853)、浦賀に入港したアメリカのペリー提督によるものがその始めとされています。
しかし、これより62年前の寛政3年(1791)に、レディ・ワシントン号(ケンドリック船長)とグレイス号(ダグラス船長)の2隻の商船が日本にやってきて貿易を申し込んでいたことがアメリカの文献などで明らかにされました。
その地点が串本町の大島地区であることが調査の結果、日本の文献等によっても確認されたそうです。
日米修好記念館は、日米親善の幕開けというこの事実を永久に後世に残すために建設されました。
日米最初の修好を知ることができる日米修好記念館
日米修好記念館にやってきました。
日米修好記念館では当時の様子の解説や、船の模型などを展示しています。
昭和50年(1975)に建てられた茶色いユニークなデザインの建物は船をイメージしています。
入館料は館内の受付で支払います。(大人250円)
エントランスは天井が吹き抜けになっているので見上げてしまいます。
3枚の星条旗が掲げられています。
こちらはアメリカ合衆国独立当時のもので星の数が13個(13州)です。
レディ・ワシントン号とグレイス号を中心とした展示室
エントランスの奥に展示室があります。
訪れたときは展示が変わるときでしたので今は多少内容が変わっているかもしれません。
パネルではワシントン号とグレイス号が大島へ訪れた経緯や背景、大島での様子など当時の様子が分かりやすく紹介されていました。
紀州徳川家の正史である『南紀徳川史』(複製)の展示もありました。
南紀徳川史ではレディ・ワシントン号とグレイス号の2隻が串本に来航したということはごく簡単に記録されていただけでした。
和歌山城から派遣された一団が串本に着いたときに、
「既に退散行衛知れず」
と記述されているぐらいで詳しい詳細は分かっていませんでした。
しかし2015年、グレイス号に乗り組んでいたサミュエル・テラノ・ジュニアが書き残した航海日誌が発見されました。
テラノ家の屋根裏部屋のタンスの中から発見された古文書には、日本人とアメリカ人の初めての交流の様子が描写されていたそうです。
中央のケースに展示されているのはレディ・ワシントン号の模型です。
日本へは交易を目的として来航したのですが、ケンドリック船長は、日本人の警戒心を和らげるために嵐にあって漂流したと装い、中国人の船員に頼んで手紙を書き日本人に渡しています。
その後、地元民たちが乗船し、薪や米を船長に贈ったり、船上の宴もおこなわれました。
鎖国の時代ではあったのですが、とても友好的な雰囲気です。
ただ交易は、ラッコの毛皮を交易しようとしたのですが、住民は毛皮の使用方法を知らなかったのと季節外れもあり交渉が成立しませんでした。
ペリーの黒船来航より以前に、日本人の普通の人々と触れ合い、友情を育んだケンドリック船長と、船に乗ってきた人々を思い、接した大島や古座の普通の人々と交流があった歴史なども日米修好記念館では知ることができます。
またスタッフの方も説明してくださりより詳しく知ることができました。
展望台から見る大島の海
展示室を出て屋上展望台へ階段を上って行きました。
星の数が違う星条旗が並んで掲げられているのを見ながら、さらに上へ行きます。
上からエントランスを撮影してみました。
扉を開けて屋外の階段を上ります。
夫も上ってきましたが・・・展望台からは水平線が広がる風景が見られます。
いつも思うのですが、面白い形の展望スペースだなと思います。
海とは反対側の向こうには木々に覆われているという感じです。
眼下に無料駐車場が見えます。
日米修好記念館や海金剛へはこちらの駐車場を利用します。
1989年にグレイス・ハーバー歴史協会が、レディ・ワシントン号を復元し、ワシントン州アバディーンにあるグレイス・ハーバーを拠点に教育プログラムを提供しているそうなのですが、復元されたレディ・ワシントン号が大島へ来たら凄いことだなと、穏やかな海に船が通り過ぎるのを見て思いました。
レディ・ワシントン号とグレイス号が大島へ来たのは折しも1791年の今日、
4月29日から10日間のできごとでした。
<日米修好記念館>
・所在地 和歌山県東牟婁郡串本町樫野1033
・電話番号 0735-65-0099
・開館時間 9:00~17:00
・定休日 年中無休
・入館料 大人 250円、小・中・高校生 120円
・駐車場 無料駐車場有り
【記載内容について】
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