ウィーン街中の耽美な建築デザイン、エンゲル薬局へ

公開日 : 2016年04月30日
最終更新 :

ウィーンにはバロックやゴシック建築が数多く残されていますが、それらと並んでつとに有名なのが"ユーゲントシュティール"と呼ばれる19世紀末~20世紀初頭に花開いた芸術スタイル。絵画や建築のみにとどまらず、インテリアや彫刻、家具調度品、織物など、幅広い分野で活動が展開されていました。

ウィーンではグスタフ・クリムトやオットー・ヴァーグナーなどがよく知られていますが、今回紹介したいのは、オスカー・ラスケ氏の手による"Apotheke zum weißen Engel"こと、「エンゲル薬局」。

Engelapotheke-mit-turisten-600.JPG

ウィーン旧市街のグラーベン通りとコールマルクト通りの交差する位置から、ほど近い場所にある古めかしい薬局です。

外壁には、大理石とモザイクづくりの美しいエンゲル(天使)2体が装飾されており、ご覧の通り、各国からの観光客にも人気の観光スポットの一つとなっています。

Engelapotheke-apothekezeichen-600.JPG

こちらはオーストリアの薬局の印。ギリシャ神話に登場する医学の守護神エースクラップ(Aeskulap)のイニシャルと彼の飼い蛇、および彼の娘であり、薬学の象徴でもあったヒュゲイアの杯とで構成されたユニークなエンブレムです。

Engelapotheke-zoom-600.JPG

よく見ると、エンゲル自体も盃を掲げていますし、手にはエースクラップの蛇が巻き付ているのが見て取れます。

Engelapotheke-schlange-600.JPG

外壁上部にも、ユーゲントシュティールの蛇が二匹。

一方店内に目を移すと、重厚ながらもどこか温かみを感じさせる、ダークブラウンの木材造り。かつての設えをそのまま残したような懐かしい調度類と雰囲気がいかにもウィーンらしく、現代的かつ無機質な日本の薬局とは対極の趣きを楽しむことが。

薬剤師さんは一見とっつきにくさが先行するものの、悩みを相談したり、薬について質問を重ねると、親身になって相談に応じてくれるのが嬉しいところ。

ウィーンの薬局では薬のほかにも、珍しいハーブ系のキャンディ類やバスソルトなど、おもしろいものが見つかるので、よければ一度覗いてみてくださいね。ホフブルク王宮やショッピングストリートからも近くて、アクセスも抜群ですよ!

Apotheke zum weißen Engel

住所:Bognergasse 9, 1010, Wien

筆者

オーストリア特派員

ライジンガー真樹

オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。