ドイツ語にもようやくフェミニズム運動が?デザートのカイザーシュマーレンに女性形が登場!
女性参政権が日本より26年も早いなど、フェミニズム運動による男女平等がかなり進んでいるオーストリアですが、言語面では英語などに比べていまだ男性優位感がところどころに感じられるドイツ語。
例えば、「誰も」という単語を通常の背景で用いる場合は、女性形のjedeではなく男性形のjederが正解。国の主催するドイツ語の模擬試験にて、ジェンダー問題を喚起するためにも敢えて女性形で回答したところ、「通常は男性形を使用する」との理由で間違い扱いされた際には驚いたものです。
そんなオーストリアのドイツ語にも、ジェンダー意識の高まりを再び感じさせるニュースが!
オーストリア内でも殊にトラディショナルな価値観を保持していることで有名なフォアアールベルク州にて、皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の好んだとされるオーストリア発のデザート、Kaiserschmarren(カイザーシュマーレン/オーストリア風パンケーキ)の名称に女性形が登場したのです!!!
カイザーというのはドイツ語で(男性)皇帝のこと。
これに女性形の接尾語"/Innen"を付けくわえた、Kaiser/Innenschmarren(カイザリンネンシュマーレン)の名前がメニューに登場し、現在オーストリアではネットを中心として賛否両論の嵐が巻き起こっています。
もしこの風潮が本格化した場合、カイザーシュマーレンに続いて登場しそうなジェンダーネームとして、
・HamburgerIn:ハンバーガー(ハンブルクっ子の女性形)
・LinzerInnen-Torte: リンツァートルテというリンツ発祥のケーキ(リンツっ子の女性形)
・FrankfurterInnen: フランクフルター(フランクフルトっ子の女性形)
・WienerInnen Schnitzel: ウィーン風カツレツ (ウィーンっ子の女性形)
・BaeuerInnen-Toast: 農民風トースト (農民の女性形)
・Kleine/r Braune/r: クリーム入りのシングル・エスプレッソ (小さな日焼をした人の女性形)
・BernerInnen Wuerstel:: スイス・ベルン風ソーセージ(ベルンっ子の女性形)
・MohrIn im Hemd: オーストリアのデザート、モア・イム・ヘムド(シャツをきたムーア人の女性形)
・SzegedinerInnen Gulasch: セゲド風グーラッシュ(セゲドっ子の女性形)
・TirolerInnen Knoedl: ティロル風のお団子(ティロルっ子の女性形)
などがジョークとして挙げられています。
いずれも伝統的な呼称ですし、表記も随分面倒なものになりますが、オーストリア人が果たして伝統を取るか、フェミニズムを取るか、これからが見どころとなることでしょう。
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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