"嵐"という名の葡萄酒 ~オーストリア名物~
さて今年も9月後半となり、シュトゥルム(Sturm/嵐の意)が懐かしい季節となりましたね!
近頃はナッシュマルクトをはじめとするマルクト(市場)でも、ボトル入りのシュトゥルムが各店の店頭でこぞって売られています。
昨年の記事でも紹介した通り、シュトゥルムとはワインになる前段階にして発酵中の濁った葡萄酒。
その特性として発泡性であるため、ワインボトルには栓が付けられず、シュトゥルムを味わうにはレストランでオーダーするか、マルクトで売られている産地直送ものを購入し、ホテルに持ち帰って飲むしかありません。つまり、オーストリア現地でしか味わえない、秋限定の名物なのです。
そして、レストランで頂くと1杯3~5ユーロ程度のお値段が、マルクトではボトルで3~4ユーロと非常にお買い得!シュトゥルムに目がない著者も、本日ナッシュマルクトにて早速1本購入してみました。
こちらがその赤いシュトゥルム。
ボトルの底から幾筋もの泡が常時、細く細く立ち昇っています。
シュトゥルムは白が主流ですが、たまにこうして赤いものを見掛けることも。
そして何と言っても有名なのが、シュタイヤマルク西方シルヒャー産の、珍しいロゼのシルヒャー・シュトゥルム(Schilchersturm)!
同じシュトゥルムでもこのシルヒャーという葡萄のブランドが付くと、お値段も1ボトル9~10ユーロ前後に跳ね上がります!
ここで、ご旅行の皆様が「美味しく、賢くシュトゥルムを愉しむ」ためのちょっとしたアドバイス。
1.ナッシュマルクトではシュトゥルムが至る所で販売されているので、1店舗目で買ってしまわずに、自分の欲しいものを見比べて回りましょう。
白しか置いていないお店、白・赤・シルヒャー(ロゼ)全て置いてあるお店、シュトゥルム「風味」のラズベリー酒を置いてあるお店など多岐にわたるので、ご自分の欲しいものをよく見て買って下さいね。
2.お店によっては店先で飲めるシステムになっていたりするので、白(Weiss)は飲んで帰って、赤(Rot)は買って帰る、などもお勧め。ワインと同じく、シュトゥルムも色々な種類があるので、微妙な味の違いを楽しんで下さい。
3.発泡性なので栓がされておらず、ボトル上部はアルミホイルなどで覆われているだけのものが大半です。買っても袋は貰えず、ボトルのまま「はい!」と差し出されることが多いので、そのまま抱えて帰るか、持参した袋に入れて下さい。
4.くれぐれも横にしたり、逆さにしたりしないように!!!(こぼれます)
歩くときもなるべくボトルを振らないように!!!(発泡が加速します)
5.栓が施されていないので、このボトルを抱えての長距離の旅行は無理です。
購入後は滞在先のホテルで美味しく飲んでしまって下さい。
グラスが備え付けられていないお部屋の場合は、フロントに申し出てると大抵貸してもらえます。(グラスを持ってきてもらったら、お礼のチップを忘れずに)
追記で6.スリに気を付けて!
オーストリア在住の日本人ですら、お財布をすられてしまうナッシュマルクト。
珍しいものが沢山あるので、思わず注意が散漫になりがちですが、お財布を入れた鞄やポケットはきっちりガードして下さいね。
このシュトゥルムのシーズンは例年9~10月なので、これから渡墺の方は一度は試されることをお勧めします!
筆者
オーストリア特派員
ライジンガー真樹
オーストリアっておもしろそうな国だな、ウィーンって見どころのある街だな、と読者の皆さまに思っていただけるような記事を配信していければと思います!
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