マイナーと思いきや見ごたえ十分のパトリアルカ神学校

公開日 : 2018年01月19日
最終更新 :

バレンシアに来てこの春で丸16年になるのに、今頃知りました、パトリアルカ神学校の魅力!! そんなモニュメントを一般公開していることはずっと知っていて、いつか行かなきゃと思っていてやーーーっと実現。正直「わー、まだこんな素晴らしいモニュメントがあったんだ!!」と頭を叩かれた思いです。個人的には、世界遺産のラ・ロンハよりこちらが好きですね。

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モニュメントの正式名称はReal Colegio Seminario de Corpus Christi、訳すと、王立聖体神学校になります。16世紀の終わりにセビージャ出身の総大司教、聖フアン・デ・リベラによって建てられました。現在では、教会、礼拝堂、中庭、そして美術館を一般公開しています。

中庭には、真ん中に創設者である聖フアン・デ・リベラの彫刻があり、回廊はイタリア製の大理石の柱で囲まれています。壁のモザイクは、トレドのタラベラ焼きとのこと。

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小さな美術館の所蔵品は、もちろん宗教画。なんとスペイン黄金世紀を代表するエル・グレコやイタリアのバロック期に活躍したカラヴァッジョの作品もあるのです!! 不思議なことに、エル・グレコの『羊飼いの礼拝』にはイラスト付きの日本語解説がついています。こんな詳しい解説は、どの展示品にもスペイン語ですらないというのに。受付のおじさんに「なぜ?」と聞いたら、「ここにある作品で日本人が知っているのはエル・グレコぐらいだろうし、日本人はエル・グレコが好きでしょう」って(笑) プラド美術館にもエル・グレコの同名の作品がありますが、細部が微妙に違います。どこが違うかは、見てのお楽しみ。

薄暗く厳かな雰囲気が漂う礼拝堂の壁はフランドル製のタペストリーで覆われており、陶器のタイルは地元バレンシアのマニセス焼きです。中央右手にとてもかわいいパイプオルガンがあるので見てみてくださいね(下の写真には写っていません)。どんな音色なのか聴きたくなります。

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教会は壁から天井まですべて絵が描かれており、とてもゴージャス。外から見たら地味な石の建物の中に、こんな華やかな宗教世界が広がっていたのかと驚きます。ミサの最中は教会見学はできませんので、入場券を買う際に教会に入れる時間を確認することをお勧めします。教会の入り口近くの壁に大きなワニのはく製が飾られているのでびっくりしますが、これはペルー副王が神学校創設者のフアン・デ・リベラに贈ったカリブのワニの子どもだそうです。大事に育てられ長生きし、亡くなってからここに飾られるようになったのだとか。

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カトリックの宗教世界が好きな方にはぜひともおススメのスポットです(^_-)-☆

Real Colegio Seminario de Corpus Christi

住所: Calle Nau 1, Valencia

見学時間: 11:00~13:30、17:00~19:00(午後は平日のみ)

入場料: 3ユーロ

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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