チモおじさんが情熱を傾けるベレン作り

公開日 : 2012年12月10日
最終更新 :

スペインのクリスマスには、ツリーよりも伝統的な飾りがあります。それはキリスト生誕の

シーンを人形で再現したもので、ベレン(スペイン語でベツレヘムの意味)と呼ばれています。

単に聖ヨセフにマリア、幼子イエス3人だけのものから、東方の三賢王や天使、羊飼いがいるもの、

果てはジオラマ風に当時のベツレヘムの町を作り上げたものと、タイプは実にさまざま。

大きさもミニチュアサイズから原寸大まで。12月に入るとこのような飾りを公共施設や商店、

個人宅などあちこちで目にします。

さて、バレンシアから各駅停車に揺られて50分ほど行ったところにあるハティバの旧市街には、

クリスマス時期になると行き交う人が足を止めてウィンドーに見入る小さなお花屋さんがあります。

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ここには、店主のチモおじさんが丹念に作ったベレンが飾られているのです。ウィンドー越しに

じっくりベレンを見る人には「ほらほら、入ってよーく見て行きなさい」とドアを開けてくれますよ。

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おじさんはベレン作りに情熱を傾ける"ベレニスタ"。子供の頃、クリスマスになるとせっせと

ベレンを飾る母親を見て育ったそうです。手先が器用で工作が好きだったこともあり、

今ではハティバで一番大きな教会や一番古い教会、ショッピングセンターなどのベレンも

手がけけるような腕前になりました。この時期になると本業とベレン作りの二足のわらじで大忙し。

材料には発砲スチロールや本物の木の枝などを使い、人形以外はすべて手作りです。

朝早くに近くの山に苔や木の枝を取りに行くことも。同じ材料を使い回しても、毎年何か新しい物を

加えたり、同じレイアウトにならないように工夫を凝らしているそうです。おじさんの話を聞いていると、

ベレンにかける情熱がひしひしと伝わってきます。

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<ベレンのメインはキリストの生誕シーン>

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<大天使ガブリエルから神の子を授かったことを告げられる処女マリアのシーン>

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<羊飼い達が救い主の誕生を天使から聞かされるシーン>

息子を連れてあちこちでベレンを見ることは、私のクリスマスの楽しみのひとつ。

おじさんが手がける2つの教会のベレンを見るのもとても楽しみです。

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<サン・フランシスコ教会にベレンを設置中のおじさん>

この時期にスペインにいらっしゃる方は、ぜひベレン観賞をお楽しみくださいね。

XIMOおじさんの店 RUBEN'S DECORACIO

C/ Sant Francesc, 34, Xativa

筆者

スペイン特派員

田川 敬子

東京生まれの東京育ち。オリーブオイル専門家としてスペインと日本で活動するほか、複数のウェブサイトにスペイン情報を寄稿。

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