No.486パリで50余年ぶりにツタンカーメン秘宝展開催!

公開日 : 2019年03月15日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

ツタンカーメンの墓発掘からもうすぐ100年

古代エジプト第18王朝のファラオのひとりトゥト・アンク・アメン。ツタンカーメンという表記で、より広く知られます。B.C.1340年頃生まれ、20年に満たぬ短い一生を終えたこのファラオの墓が、考古学者ハワード・カーターにより発見・発掘されたのは、今からおよそ100年前、1922年のことでした。盗掘をほとんど受けていなかったツタンカーメンの墓からは、数多くの副葬品が見つかり、その宝物の数々は、世界中の人々を沸かせました。

発掘からちょうど100年後にあたる2022年には、エジプト、ギゼーに、大エジプト博物館が完成し、これらの発掘物はすべてそこに納まることが決まっています。この博物館完成を待つ間、ツタンカーメンの秘宝の数々が、エジプト国外で展示されることになりました。エジプト国外に持ち出されるのは、ひょっとするとこれが最後となるかもしれないということで、世界の注目を浴びています。

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ツタンカーメン、ファラオの秘宝展ポスター

パリで「ツタンカーメン、ファラオの秘宝」展

フランスでは、パリ北東部のラ・ヴィレットにあるグランド・アールで、来週3月23日から、9月15日まで『ツタンカーメン、ファラオの秘宝(TOUTANKHAMON, Le trésor du Pharaon)』展として、これらの秘宝から150点以上が展示されます。

パリでツタンカーメンの墓の埋葬品が展示されるのは、50数年ぶりのこと。1967年の展覧会には、なんと120万人もの見学者が集まったそうです。。

とはいえ、前回とはまた異なるアプローチとなる今回の展覧会。展示物も同じではなく、今回初めてエジプトの外に持ち出された秘宝も含まれます。例えば、下の写真の像。

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警戒態勢をとるツタンカーメン王像, B.C.1336-1326

これはツタンカーメン王を象った等身大の像です。肌の黒さはナイルの肥沃さと、永遠の命への甦りを象徴し、金色は太陽と、王の神性を表しています。

また、ツタンカーメンと王妃アンケセナーメンの様子を刻んだ黄金の木製ナオス(祠堂)や、ツタンカーメン王を象ったミニチュア像のカノプス(ミイラ化の施術を行う際、取り出される臓器を収める器)も、注目に値します。ポスターに見られるのがカノプスの写真です。

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ツタンカーメン王と王妃アンケセナーメンの様子を描いたナオス, B.C.1336-1326

ルーヴルと古代エジプト学

今回の展示は、エジプト考古学に造詣の深いルーヴル美術館の協力も得ており、ルーヴル美術館からも、「ツタンカーメンを守護するアモン神」の像など、貴重な展示物が加わっています。

もともと古代エジプト学というのは、ヨーロッパで培われた面があります。上述したように、ツタンカーメンの墓発掘も、英国人考古学者によるものでしたし、それに先立ち、1822年ヒエログリフを解読したのも、フランス人ジャン=フランソワ・シャンポリオンでした。ルーヴル美術館の古代エジプト学部門は、まさにシャンポリオンによって設立されたものなのです。それらを考え併せれば、パリで古代エジプトの造詣を深めるのにも、意味があることに思えます。

事前の予約は必須ではありませんが、ネット予約をした方がスムーズな見学が望めるかと思います。また、フランスの学校の休みの時期や週末は値段も高いので、できれば、平日を選んでお越しください。詳細は下をご覧ください。

「ツタンカーメン、ファラオの秘宝(TOUTANKHAMON, Le trésor du Pharaon)」展

会期:2019年3月23日~9月15日

場所:ヴィレットのグランド・アール(Grande Halle de la Villette)

住所:avenue Jean Jaurès, 75019 Paris

開場時間:毎日10時~20時

オンラインブッキング:www.expo-toutankhamon.fr

会場でのチケット売り場:10時~19時

入場料:大人ひとり22ユーロ、週末・祝日やCゾーンの学校休みは24ユーロ

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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