No.474フランス北部リール新交通機関iLéviaイレヴィア明日誕生!
No.472でちらりと触れましたが、フランス北部リル(リール)を中心とする地域に走っている公共交通機関Transpole(トランスポル)は、2019年1月28日からiLévia(イレヴィア)として生まれ変わります。
トラム駅スクリーンに映るiLévia告知の映像
リルとその周辺約90の自治体は、まとめてMEL(Métropole européenne de Lille)として管轄されています。イレヴィアは、これまでより、MEL内の交通の流れをスムーズにする目的で組織されました。
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イレヴィアとなることで、何が変わるのか?何が変わらないのか?主なポイントをまとめてみましょう。
1.既存のチケット、パスの利用
まず、安心したいのは、これまでのトランスポルのカードや定期はそのまま継続して用いることができる、という点。
2.TERが加わります
これまであったメトロ、トラム、バス、レンタサイクル V'Lille に加え、SNCF(フランス国鉄)運営のTERもイレヴィアのチケットまたは定期で乗車可能となります。バスや地下鉄のチケットでTER乗車が可能となるのは、フランスでも初めての試みです。
具体的なTER路線は下の通り。
リル(Lille)―アルマンティエール(Armentières)間を15分で結ぶTER電車
リル(Lille)―ラバセ(La Bassée)間は25分
リル(Lille)―スクラン(Seclin)間は12分
リル(Lille)―フレタンーレカン(Fretin-Lesquin)間は12分
リル(Lille)―トゥルコアン(Tourcoing)間は15分
リル(Lille)―ベジユー(Baisieux)間は20分
リルとトゥルコアンはトラムで30分ほどかかる距離。電車は便数もそう多いわけではなく(一日46本)、しかも別料金になるので、わざわざリルに行くために使うことは、これまであまりありませんでした。けれども、トラムのチケットで乗れるとなると、気軽に利用する人もこれから増えることでしょう。
トゥルコアン駅 ©Kanmuri Yuki
3.便数増加
バス、トラム、メトロ、それぞれ便数が増えます。特にメトロなどは、土曜夜の最終が0時半から1時半に1時間も遅くなります。また日中の運転間隔もこれまでより密になります。
4.新路線増加
バスには新しい路線も複数加わります。これにより、これまで、ぐるっと色々乗り継がないと移動できなかった自治体間の移動が複数改善されます。
例を挙げれば、レカン(Lesquin)から、ヴィルヌーヴダスク(Villeneuve d'Ascq)にある4 Cantons Stade P.Mauroy路線が新たに開通し、15分でレカンのリル空港とヴィルヌーヴダスクのスタジアムを結びます。
新しいバスの全路線図は、こちらのサイトから見ることができます。
5.バスの予約が可能に!
便数の少ない路線では、バスを予約できるようになります。イレヴィアサイト か、電話(03 20 40 40 40)、またはアプリilévia réservation を用い、予約したい時間の1時間前までに、どこの停留所から、どこのメトロやTER駅まで行きたいかを予約すればよいだけです。追加料金は一切かかりません。
6.ライドシェアも可能に!
フランス語でコヴォワチュラージュと呼ばれるライドシェア。イレヴィアがリリースするアプリilévia covoiturage は、MEL内のA地点からB地点へマイカーで移動する予定のある人と、車はないけど同じ旅程を移動したいと思っている人を効率よくつないでくれます。
7.料金
これまで通り、1枚のチケット(1.65ユーロ)では、1時間以内のA地点からB地点までの移動ができます。つまり、トラムからバスだとか、TERからメトロに乗り換えても同じ方角の移動で、しかも1時間以内であれば、チケットは一枚で済みます。ただし、たとえ1時間以内でも、行って帰ってくるというような往復はできませんし、乗り換え途中で、寄り道をする場合はこの限りではありません。
また、昨年から進められてきたメトロ改札口の導入も続けられることになっています。
MELのイレヴィア、いよいよ明日お目見えです!
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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