No.378今年で500歳!フランスの港町ル・アーヴル

公開日 : 2017年07月19日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

ル・アーヴルと言えば、フランスはノルマンディーの港。コンテナーの数でいえば、フランス一の規模を誇ります。

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最近では、フランス首相に就任したエドゥアール・フィリップが、首相に就任するまで約7年市長をつとめた町として注目を浴びました。

ル・アーヴルの南側にはセーヌ川の河口があり、その向こうには観光地として知られるオンフラールの町があります。

このセーヌ川河口近くには、1995年にノルマンディー橋が架けられました。当時は、世界一長い橋として知られたものです。

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ノルマンディ―橋

さて、このル・アーヴル。この港町は、フランス国王フランソワ1世が建設したものとされており、それは、ちょうど今を遡ること500年前、1517年のことでした。

今年は、ル・アーヴル誕生500周年を記念して、さまざまな催しが開かれています。

特に夏の間は、Un été au Havre(ル・アーヴルでの夏)と題されたイベントが、5月末から町を挙げて行われています。期間は、10月8日まで。

その一環として町中の公共スペース、教会などの施設に、巨大なモニュメントが置かれたりと、なかなか町全体が楽しい雰囲気を醸し出しています。

特に観光客にお薦めしたいのは、4通り準備された「散歩コース」

1. La ville Perret (ペレの町):所要時間2時間。1950年代にル・アーヴルの再建を行った建築家オーギュスト・ペレのアトリエの手による町の様子がよく分かるコース。ちなみに、この再建地区は、2005年UNESCO世界遺産の指定を受けています。

2. Vers le port(港の方へ):所要時間2時間半。町を流れる運河の周りを巡るコースです。例えば海岸近くには、コンテナーでつくられた鮮やかなVincent Ganivet(ヴァンサン・ガニヴェ)の作品が人目を惹いています。

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3. Les escaliers(階段):所要時間4時間。ル・アーヴルの高い部分と再開発された町中を結ぶコース。1944年の空爆を逃れたアール・デコの建築物などを見ることができます。

4. Les bassins(貯水池):所要時間3時間。海辺の近くに複数ある貯水地の水辺を巡るコース。1992年にできた日本庭園などもこのコースに入っています。

4つのコースは、重なる部分もありますから、上手に興味のある場所だけ選んで回るのもありでしょう。

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ル・アーヴルには、印象派絵画が好きな人なら見逃せない美術館もあります。それは、アンドレ・マルロー現代美術館MuMa

印象派絵画のコレクションの中でも、モネに屋外で絵を描くアイディアを与えたことで有名なEugène Boudin(ユージェヌ・ブーダン)の作品が、特に数多く揃っています。

親密な距離で貴重な絵画を鑑賞できる美術館で、お薦めです。MuMa美術館は上のコース2に含まれています。

ちなみに、8月20日まで、Pierre et Gilles Clair-Obscur(ピエールとジル、明暗)展を開催中です。

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500年の歴史を持つル・アーヴル市。この夏ノルマンディを訪れる機会があれば、ぜひ立ち寄ってみてください。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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