No.278飲まない方がいい?!フランスの市販薬28種

公開日 : 2015年12月09日
最終更新 :
筆者 : 冠 ゆき

テロ事件のあとは、COP21、地方議会選挙...と矢継ぎ早にニュースが続き、その合間に埋もれてしまった感がありますが、12/3(木)フランスの市販薬について聞き捨てならないニュースを耳にしました。

この日発売された雑誌『60 millions de consommateurs(6000万人の消費者)』の出した特集号によれば、処方箋なしで買える市販薬には、効果がないどころか、有害なものまであるという内容の話です。

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フランスでは、病気の時は、まずgénéralisteと呼ばれる内科医の診察を受け、薬や検査の処方箋をもらい、検査のできる病院やラボへ行ったり、薬局で薬を買うのが普通です。専門医の診療が必要な時も、内科医に紹介状を書いてもらいます。

フランスの薬局には、処方箋がないと買えない薬と、処方箋なしで買える薬とがあります。

この処方箋なしで買える市販薬はなんと2500種以上あるそうです。

ちょっとした風邪や頭痛だと、医者の予約を取るのも煩わしく、ついつい市販薬に頼る人がいるのは、フランスも日本も同じこと。別な調査では、78%のフランス人が、市販薬を飲んだことがあると答えています。

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今回、『60 millions de consommateurs(6000万人の消費者)』が発表したのは、薬理学者と薬剤師の調査による結果です。それによれば、61種の市販薬のうち、効果があるとみなされたのはたったの13種のみだったそうです。例えば、咳の薬 «Clarix toux séche »や«Humex adultes toux sèche dextrométhorphane abricot », «Vicks vaporub »(日本でも売ってるヴィックスヴェポラップ)。また、 下痢止めの «Imodiumcaps »や 胸やけの薬«Gavscon menthe »、 胃痛薬 «Maalox sans sucre »などが効果のある薬として挙げられています。

問題なのは、それ以外、48種の市販薬。そのうち20種は、効果が少ない、あるいは確認されていないが、特に目立った副作用はない、というもの。薬にも毒にもならないということで、これはまだ良いとしましょう。

一番困るのは、残り28種の市販薬で、同誌研究によれば、「期待できる効果を上回る副作用の危険があり、自分で買って飲むには、リスクが高すぎる」という見立てです。この28種の薬は、各メディア(例えば、MedisteFranceinfo francetvinfo など)で名前のリストが報道されていますので、そちらをご覧ください。

内訳は、風邪薬が6種。インフルエンザ薬が3種、咳止めが7種、咽頭痛薬が8種、下痢止め1種、便秘薬3種です。

簡単にまとめると、胃痛や消化の薬にはリスクが少ないものの、咳止めや、咽頭痛、風邪薬、インフルエンザ、便秘薬には、気を付けた方が良いものもあるということでしょうか。

フランス旅行中、ちょっと風邪かな?くらいだと、薬局に直行することもあるかと思います。その時はぜひこのリストを思い出して、リスクの少ない薬を選ぶようにしてくださいね。

(冠ゆき)

筆者

フランス特派員

冠 ゆき

1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。

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