No.267パリ・テロ事件後の週末明け:近隣諸国の様子、フランス観光施設の状況など
服喪期間、普段との違いはというと、公共の施設では、弔意を示す半旗あるいは弔旗が揚げられること。半旗とは、普通の高さの半ばまでの高さに揚げられた国旗で、弔旗は、黒いリボンを結んだ国旗です。
テロ事件の起こった金曜夜以来、「緊急事態(état d'urgence)」が宣言されているフランス。この緊急事態においては、大きな集会などは制限されます。また、通常の手続きを経ずに家宅捜索を行うことが可能になります。
功を奏して、夕べ日曜夜までに、168の家宅捜索が行われ、23人が勾留されました。また31の武器を押収したというニュースも流れています。
パリのテロリスムと関係して、ベルギー・ブリュッセルのMolenbeek地区でも7人の逮捕者が出ました(その後5人は釈放)。また、アルプスを越えたイタリアでも、テロ関連者と見られる容疑者をトリノのあたりで捜索中です。
上記「緊急事態(état d'urgence)」は、12日しか効力をもたず、それ以上の期間続けるには、議会の承認が必要となります。オランド大統領は、これを三か月に伸ばしたいと考えており、そのため、12日後には、議会で投票が行われると考えられます。
また、国内の取り締まりは強化されています。パリの地下鉄を含め、フランス国鉄もほぼすべて平常の運行を、テロ後すぐに取り戻しましたが、セキュリティチェックは厳しいものとなっています。空の便も同様。
また、国境を通る車の取り締まりも行われています。シェンゲン協定を結んだ国の間を動く場合でも、パスポートは必ず携帯するようにしてください。
大きな集会は、オフィシャルには禁止されていますが、追悼の意を表す人々が、フランスを代表する名を持つ各町の「レピュブリック(共和国)広場」や、惨事のあった場所などに、花やろうそくを手向ける行動が多く見られます。
日曜夜は、パリ・ノートルダム寺院で追悼ミサがあり、多くの人が集まりました。中に入れたのは1500人のみ。入れなかった人々も推定2000人ほどいたとされています。
パリ・ノートルダム寺院追悼ミサの様子
今日16日正午には、フランス全国で1分間の黙祷が捧げられました。パリではメトロ・トラム・バスともに交通を1分間停めての黙祷。ラジオなども沈黙の1分間を流しました。
週末の間、パリの文化施設はほぼすべて閉まっていましたが、私の住むノール・パドカレー地方は、通常通り開館。
パリでも、日曜午後は映画館が開き、今日月曜からは通常の開館時間に従って開館が予定されています。パリのマルシェ・ド・ノエルは、テロの直前開幕したところでしたが、今のところ休業状態。18日(水)より再開される予定です。
パリのユーロディズニーも、18日(水)より開園します。
町の様子はほぼ平常通りながら、週末からこの方、笑顔の人を見たような覚えがありません。ちょうど天気も悪くなり、気温も5度ほど落ちたこととも関係あるかもしれません。
ネット上では早い時期から、SNSなどで、パリに寄り添う発言や画像が投稿され、それらはフランスでも大きく取り上げられています。
喪に服して明かりの消されていたエッフェル塔でも、今晩から水曜夜までは、トリコロールに染まることになりました。
テロ事件に関する続報や、観光施設の開館閉館情報などは、その都度twitterで流していますので、よろしければ、そちらもご覧ください。
またNo.262でも触れましたが、海外へ出られる方、すでに海外にいらっしゃる方は、ぜひ外務省サービス「たびレジ」にご登録ください。
外務省 海外安全ホームページ
(冠ゆき)
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
【記載内容について】
「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。
掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。
本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。
※情報修正・更新依頼はこちら
【リンク先の情報について】
「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。
リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。
ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。
弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。