No.111フランスの子供はみんな大好き!Carambar(カランバール)の魅力。
フランスの子供、もしかしたら、大人も、みーんなつい手が出てしまうおやつといえば、Carambar(カランバール)!棒状のキャラメルを想像してもらうといいでしょう。現在売られているものは、基本8センチで8グラム。
なんと年間10億本が消費される人気です。
元祖のキャラメル味が売り出されたのは、1954年。ここフランス・ノール県のMarcq-en-Baroeul(マルカンバロル)が誕生の地です。マルカンバロルは、リール市のすぐ北に位置する町で、閑静な住宅街が多いことで知られています。
カランバール工場。
このトラックの中にはキャラメルが一杯詰まってる?!
カランバールという名前は、Caramel(キャラメル)+ barre(バール)、つまり、キャラメル+棒を組み合わせた鞄語です。ちなみに、「鞄語」は二つの単語がくっついて出来た言葉で、有名なものには、ブランチ(ブレックファーストとランチの鞄語)などがあります。
上述したように、最初はキャラメル味でしたが、その後ヴァリエーションが増えて、今では、いろんな果物のフレーバーや、コーラフレーバー、ソーダフレーバーなど、種類も豊富です。
カランバールを語るのに忘れてならないのは、その「ジョーク」。1969年に始まったもので、包み紙の内側に、必ずジョークが書いてあるのです。たわいない言葉遊びともいえますが、同じものにはなかなかあたらないくらい多くの種類があり、子供たちはカランバールを口に入れる暇も惜しんで、夢中で読むのが常。
「Q:美容院に、火がついたろうそくがないのはなぜ?
A:メッシュ(髪の房も意味すれば、ろうそくの灯心も意味する)を切っちゃったから。」
「Q:一番女性的な果物はなに?
A:ラナナ。(La nanaは女の子。L'ananasは、同じ発音でパイナップルのこと)。」
「Blague Carambar」(カランバール・ジョーク)というと、「まずいジョーク」を意味するほど、ポピュラーな用語です。日本で言う「おやじギャグ」のようなイメージでしょうか。
でも、そうは言いつつ、カランバール・ジョークのファンは多く、それを証拠に、カランバール・ジョークを集めた日めくりカレンダーが人気だったりします。
カランバールジョークの日めくり
丁度2年前の2013年3月21日に、カランバール・ジョークを終わりにするという発表がありました。このニュースはフランス国内の全メディアで流され、驚くほどの反響を呼びました。多くのフランス人がこの決定に反対し、署名運動を呼びかける動きさえ現われたのです。
ところが、この発表は実はカランバールの「ジョーク」でした。
4日後発表されたこの真相に、みんな胸をなでおろしました。
「今年一番のジョークだった!」という声もあり、カランバールへのフランス人の愛を感じたものです。
その時の様子についてはこちらのヴィデオで見られます。
マルカンバロルには、今もカランバールの工場があり、甘い匂いを周りに振りまいています。ただ残念なことに、この会社は2010年にアメリカのモンデリーズ・インターナショナル・グループに買収されたそうです。
カランバールの旗の後ろに翻るモンデリーズ・インターナショナルの旗
オランジーナ(No.95)といい、フランス人のアイデンティティにつながるような商品を扱う会社が、国外の企業に買収されるのを見ると、やはり残念な気がします。
(冠ゆき)
(3月お題"子どものお菓子")
筆者
フランス特派員
冠 ゆき
1994年より海外生活。これでに訪れた国は約40ヵ国。フランスと世界のあれこれを切り取り日本に紹介しています。
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