カナダのサンクスギビングデー(感謝祭)
10月最初のブログとなりました。最近トロントでは、街を歩いているとジャケットやトレンチコートなど、薄手のコートを羽織っている人たちを多く見かけます。とは言え、寒さに強いトロントニアンの中には、まだTシャツのまま歩いている人もいます。かと思えば、ダウンジャケットを着ている人もいて、服装は人によって千差万別です。
さて、カナダでは来週月曜日(10月9日)は「感謝祭」のため祝日です。英語では「サンクスギビングデー」(Thanksgiving Day)と言います。日本にはない習慣ですが、名前は聞いたことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、そんな「サンクスギビングデー(感謝祭)」について書きたいと思います。
サンクスギビングデー(感謝祭)とは
アメリカとカナダの祝日の一つで、サンクスギビングと略したり、(七面鳥を食べる家庭が多いため)「ターキーデー(七面鳥の日)」と呼ばれたりもします。アメリカでは11月の第4木曜日ですが、カナダでは10月の第2月曜日となっています。「どうしてアメリカとカナダでは日が異なるのか」については、後にお話します。
感謝祭の歴史
その歴史は長く、古くは古代ギリシャ人、ローマ人、エジプト人や中国人などにより「秋の収穫を祝う行事」として開かれて来ました。北米では、ヨーロッパから人々が移住して来る以前から、先住民たちによって、感謝祭の儀式が執り行われていました。先住民たちは、他の文化圏と同様に、歌や踊り、祈りを豊穣の神へ捧げていたといいます。
現在のアメリカの感謝祭の起源は、今から約400年前、アメリカの植民地に遡ります。1620年、宗教の自由を求め、イギリスから102人のピルグリムファーザーズがアメリカ(マサチューセッツ州)に移住した年のこと。新天地で彼らが迎えた最初の冬は大変厳しく、飢えや病気により、多くの人々が命を落としました。その翌年、ピルグリムは先住民からトウモロコシなどの穀物の栽培方法や、ワイルドライス、ベリーの収穫方法、釣りまで教わりました。
その甲斐あって、彼らは長い冬を越すのに十分な食糧を収穫することができました。そして同年、ピルグリムは感謝の気持ちで先住民を招待し、3日間にわたって盛大な祝宴を開きました。その後も、入植者による「感謝祭」は受け継がれ、今日では北米の伝統的な年間行事の1つとなっています。
カナダのサンクスギビングデー
意外に思われるかもしれませんが、カナダのサンクスギビングデーの歴史は、実はアメリカよりも古いのです。
カナダで初めて感謝祭が開かれたのは、1578年のこと。イギリス人の探検家マーティン・フロビッシャー率いるイギリス人開拓者らが、新天地のカナダのニューファンドランドで行った、英国の伝統的な収穫祭が起源だそうです。その後、カナダ人は収穫の祝いのみならず、軍が勝利した時や病気から快復した時など、良いことがあれば一緒に祝ったそうです。
先に、アメリカとカナダのサンクスギビングデーは日が異なる、と書きました。どうしてかという問いの答えは、「カナダとアメリカの生育時期の違い」にあります。カナダは、アメリカに比べ生育期が短く、冬の到来も早いです。そのため、アメリカよりも早くサンクスギビングを祝うのです。
サンクスギビングデー(感謝祭)の過ごし方
サンクスギビングデーが、カナダで正式な「祝日」に制定されたのは1870年のこと(アメリカは1863年、リンカーンによって制定)。現代では、以前のように宗教的な意味合いは薄れ、親族や家族、友人を囲んで、食事や会話を楽しむというものになっています。伝統的な感謝祭の料理は、七面鳥にスタッフィング(詰め物)をして焼いた「ローストターキー」。ターキーには、クランベリーソースやグレービーソースをかけて食べます。その他、マッシュポテト、カボチャ、カブ、パンプキンパイも定番です。
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