本屋のイベント『理想の図書館』Bibliotheques idealesのトークイベントでアメリさんに会ってきた

公開日 : 2018年09月16日
最終更新 :
筆者 : Coquelicots

皆さんこんにちは。フランス、アルザス地方、ストラスブール在住のCoquelicotです。

今回は今月9月7日~16日まで開催されていた本屋主催のイベントbibliotheques ideales(直訳すると理想の図書館)でフランスの人気作家、アメリ・ノートンさんに会ってきました。

Bibliotheques idealesとは?

ストラスブールの音楽院、コンセルバトワールもある音楽、ダンス都市(la Cité de la Musique et de la Danse). で開催されます。

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今年は70名ほどの作家、アーテイストの方のトークイベント、その中には20名以上の外国人作家の方の参加やイスラエル文学の紹介など、様々なイベントが企画されていました。

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アメリノートンとは?

そんな中、今回はベルギーの小説家で現代フランス語圏最有力の作家の一人であり、数多くの文学賞を受けているアメリー・ノートン(Amélie Nothomb)のトークショーに行ってきました。

彼女はベルギーの外交官であったパトリック・ノートンの娘としてベルギーのエテルベークに生まれ、出生直後に、父親がベルギー大阪総領事に就任したことに伴って神戸に渡り、5歳まで日本で育ちました。

その後父親の転勤によって中国・ニューヨーク・バングラデシュ・ビルマ・ラオスと移り住み、17歳の時にベルギーに帰国。その後23歳で再来日し、三井物産に1年間勤務したという経歴があります。

その後ベルギーに戻り、1992年に『殺人者の健康法』で作家デビュー。以来、年に1作ほどのペースで作品を発表し続けています。その作品発表に合わせて、ストラスブールにも年に一回トークショーとサイン会で訪れています。

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彼女は1999年に日本での就業体験をもとに、『畏れ慄いて』(おそれおののいて)という自伝的小説を発表。白人女性である主人公が日本の架空の大企業「ユミモト・コーポレーション」で味わう理不尽な体験を面白おかしく描いた作品でも知られており、この作品はフランスで50万部を売るベストセラーとなり、この年のアカデミー・フランセーズ賞も受賞。

一方、小説の舞台となった日本では、会社文化の不条理を誇張して描いていることに批判が集まり、2003年に、アラン・コルノー監督、シルヴィー・テステュー主演で映画化もされたが、日本では同年のフランス映画祭横浜などで上映されただけで、一般公開はされませんでした。

また、はアメリー・ノートンの小説『Ni d'Ève ni d'Adam』(2007年)が原作の映画『東京フィアンセ』は彼女の恋模様が描かれた作品もありますが、こちらもそこまで日本では知られていないかもしれません。

フランスでは日本に精通している人物として紹介される彼女ですが、実は日本の方にはそこまでまだ知られていないかもしれません。

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アメリ・ノートンのトークショーとサイン会

ということで、アメリ・ノートンのトークショーですが、メインは今回の新作の紹介や、彼女の小説の書き方についてなどについて話してくれます。

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そして、彼女はトークショーの時は必ずシャンペンを飲みながら進行するという決まり事があり、テーブルにはシャンパングラスが置いてあります。

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私は彼女が好きで、毎年時間が合えばトークショーとサイン会に行っています。

今回の小説は日本に関係していないのですが、リップサービスなのか、小説自体が日本に関係なくても、日本関連の話もしています。

今回は自分がいかに鯉が苦手かと言うお話。小さい時に見た池の鯉が、口をパクパクしている風がなんとも嫌なんだそう。

トークショーの後にはサイン会があります。一人一人とゆっくりお話しされる方で、ファンサービスも旺盛なので、これもファンを引き付ける魅力なんだと思います。

こして、サインもいただいてきました。彼女の普段のサインはローマ字でAMなのですが、日本人ですと言うと、自分のお名前を漢字で『雨理』と書いてくれました。

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パリを中心に色々な場所でサイン会やトークイベントを開催しています。実はパリでも行ったことがあるのですが、日本の方に会うことはあまりありません。

でもこういうイベントに行くと、アジア人は目立つのか、お話できる機会も多いのでお勧めです。

もしも機会があれば、フランス作家さんのトークショーやサイン会に行ってみませんか?

サイト

http://bibliotheques-ideales.strasbourg.eu

今年のプログラムはこちら

https://fr.calameo.com/read/00182191953f7f52a0716

筆者

フランス特派員

Coquelicots

アルザス地方のカフェ巡りとワイナリー巡りが好きで、アルザスワインPRの仕事をしつつ、アルザスの魅力をお届けできればと思っています。

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