[モナコ] アラン・デュカス氏の三つ星旗艦店、Le Louis XV
アラン・デュカスの旗艦店、l'Hôtel de Paris内にあるLe Louis XVにお邪魔してきました。
厨房を任されているのは、Alain Ducasse氏の下で働いて10年になるという、Dominique Loryヘッドシェフ。
1987年に、"Menu du Jardin de Provence"と銘打ってベジタリアンコースを打ち出すなど、ヘルシーで美味しい料理を追求しているAlain Ducasse氏、フレンチリビエラの新鮮な食材で、脂肪も塩分も控えめな、軽やかな料理を生み出しています。
ちょうどモナコグランプリ開催期間中ということで、レストラン内ではなく、屋外のコースを望む眺望抜群の場所に特設の屋外レストランができており、そちらでいただきました。
特別4コースメニューは240ユーロ。
お昼なので、シャンパンを少しだけ。
アミューズはヘルシーに、ターニップと人参、きゅうりをごく細かく糸のように刻んだものを、薄切りにしたターニップで巻いて。もう一つはwicker leafと呼ばれる葉野菜を巻いたもの。
アミューズに合わせて出されたのは、人参やラディッシュ、ズッキーニの花などをちりばめた、紙のように薄い、グルテンフリーのひよこ豆のクラッカー。
Barbajuanという、ほうれん草とリコッタチーズのフィリングを入れた伝統的なラビオリは、全体を揚げるのではなく、下の部分だけ、カリッとなるように揚げ焼きしてあるので、とても軽やか。
一口サイズのヘルシーな蒸した肉や魚。
ホウボウとセロリ、去勢鶏とフェンネル、鰹とオリーブ、鯵にはレモン、コウイカにはケッパーなど、それぞれに合うソースを合わせて。銅製の器に入れ。250度に温めた小石を敷き詰めたところに、大きな石を置き、レモンの出汁を加え、すぐに蓋を閉めて蒸し焼きにしてあります。
パンは、ブリオッシュやクロワッサンなどの油脂分の高いものはなし。
バターは、生産量の少ない貴重なバター、ポンクレ。もちろん、ヘルシーなオリーブオイルという選択肢も。
Gamberoni from San Remo, rock fish gelee, caviar
レストランのある、リビエラ産の食材にこだわっている、というだけあって、主役はサン・レモ産のガンベローニ(赤海老)。レモンやサフラン、コニャックに漬け込んであります。脂のねっちりした印象というよりも、ふんわりとした優しい味わい。しっかり背わたも取ってあり、繊細な仕事が感じられます。
ふるふるの柔らかい、メバルの仲間の魚のゼリーは、シャンパンと合わせるとバニラやナッツのような香りが際立ちます。キャビアはクリスタル。
Steamed green asparagus, curdled ewe's milk and lemon condiment
アスパラガスは、軽く蒸したあと、エスペレット唐辛子の混ざった羊のヨーグルトのソース、苦味とぬめりのあるワイルドアスパラガスを添えて。
砂糖とともにローストしたレモンは甘みとともにほのかな苦味、リビエラの食材を中心に使っているというだけあって、地元のフレッシュなアスパラガスの葉が手に入ることから、グリーンアスパラガスのピュレには、葉も使っているそうです。
Milk-fed lamb, red leaf salad and tiny spelt
生まれて4〜6週間という仔羊を使ったロースト。
とてもジューシーに焼き上げた仔羊は、人参のジュースとスペルト小麦をタジンで調理したものを添えて、ソレルやバジル、ルッコラなどの野菜と合わせてサーブします。
レタスは、炭火でグリルしただけ、スモーキーで、甘くて瑞々しく、素材の良さを感じます。酸味のあるソレルのソースを添えて。
Local wild raspberrys, biscuit and lime, vanilla sorbet
地元産のラズベリーは、酸味が控えめの優しい味わい、ライムのフォーム、クリスピーなアーモンドプラリネの層、バニラのムース、下はバニラを使ったふんわりとした生地。ライムのソルベを添えて。
半分に切ったラスベリーの中には、ひとしずくだけラズベリーシロップを垂らして。
Chocolats de la Manufacture et mignardises
小菓子も、フルーツを中心に。いちごとゆずのフィリングが入った飴、パートドフリュイの中にサリサリした砂糖とリモンチェッロが入ったもの。
金柑のコンポートには、生姜とライムのジャムが入り、苦味と柑橘感を強調します。
チョコレートは、アランデュカスチョコレートから。
ダークなものは、酸味が強くフルーティで、パッションフルーツや、ベリーのような酸味がありました。
ミルクチョコレートには、地中海らしい、パスティスのような、アニスのような香りのリキュールが入っていました。
アーモンドのものは、香ばしいアーモンドのサクサクしたプラリネ入り。
お土産にいただいたのは、チョコレートとオレンジピールの入った、しっとりしたパネトーネ。
一番感じたのは、「シンプリシティ」。シンプルに、素材の良さを引き出し、一皿に使う食材の数も、構成要素を少なく、無駄を削ぎ落とした中で、美しいハーモニーを奏でる料理を提供するレストランだと感じました。
<DATA>
■Le Louis XV (ル・ルイ・キャーンズ)
営業時間:ランチ 12:15~13:45(金曜〜月曜)、ディナー 19:30〜21:45(木曜〜月曜)、
住所:Hôtel de Paris Place du Casino 98000 Monaco
電話:+377 98 06 88 64
https://www.ducasse-paris.com/en/addresses/louis-xv-alain-ducasse-hotel-paris
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
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