[ Gastromonth 2017] 授賞式のガラディナーへ!
Robert Parker による初の1ヶ月を通してのイベント、Gastromonth。Mineral, Terroirなど、ワインに合わせた4つの週替わりテーマに沿って、シンガポール国内のレストランで特別メニューが提供される他、マスタークラスなど様々なイベントが行われます。中でも、1つの目玉が、最も人気のあるレストランや個人を表彰する、Circle of Excellence Awards Singapore 2017。
今年初のイベントですが、Christphe Megel、Edmund Toh、Otto Weibel, Peter Tsangの各シェフによる審査と、一般投票を含めた結果発表が、11月4日(土)オーチャードにあるShangri-la HotelのIsland Ballroomで行われました。
ノミネートされたシェフやソムリエ、バーテンダー、サービススタッフやメディアの他、一般にもチケットが販売され、合計約300人の方が授賞式、そして7名の著名なシェフによる特別なコースを楽しみました。
参加したシェフは、地元シンガポールのみならず、香港やマカオからも、ミシュラン星付きシェフを始めとする人気シェフがやってきて、この祭典を盛り上げました。
食事の合間にそれぞれの賞が発表される形です。
まずは、Rober Parker Wine Advocateのコミュニケーション・ディレクター、 Patrick Sauze氏と、パートナー会社、レクサスのセールス・ディレクター、Alex Yap 氏からから挨拶が。
(Patrick Sauze氏)
まずは最初のコース、
Pineapple Gazpacho, Compressed Watermelon, Junsai by Chef Pepe Moncayo (BAM!, Singapore)
以前にBAM!にお邪魔した際にもいただいたメニュー。はっきりとした甘酸味にパイナップルのエキゾティックな香り、つるりとしたジュンサイ。酸味が同じトーンの甘酸味の、少し乳製品の香りがあるリースリングと共に。
Hokkaido Monkfish Liver, Sea Urchin Sake Gel by Chef Min Kim (Mizumi, Wynn Palace Cotai, Macau)
北海道産のあん肝に日本酒のゼリーをまとわせ、上にウニを飾った前菜。マカオで日本料理を提供しているMin Kimシェフは、日本のNarisawaや龍吟でも働いていたそうで、このプレゼンテーションは、賀茂茄子にエディブルフラワーを乗せてトマトエッセンスのゼリーで覆ったNarisawaのシグネチャー、「祇園祭り」へのオマージュのようにも感じました。
濃厚な味わいに合わせたのは、きりりとした酸のRuinart のブランドブラン。日本酒のように旨味を乗せるというよりも、次のコースに向けて、しっかりと舌をニュートラルにするコンビネーションでした。
Matsutake Mushroom Seafood Soup by Chef Liu Guo Zhu (**Golden Flower Wynn Macau, Macau)
そして、中国料理の中でも大切なスープ。上湯スープのような香ばしさと、ゼラチン質の濃厚なコクのある、海鮮スープでした。中にはロブスターを細かく刻んだもの、松茸がゴロゴロ入っています。中華の王道という感じの味わいのスープでした。
Baked Sustainable Cod with Glutinous Rice, Morel Mushroom and Red Shrimp sauce by Chef Mok Kit Keung (Shang Palace, Shangri-la Hotel, Singapore)
そして、ここShangri-la のシェフで、サステイナブルな鱈をオーブンで焼き上げ、おこわのようなライスケーキを添えた一皿。まず、鱈の一口目の旨味のインパクトが抜群。焦がしバターを使い、鱈の脂を香ばしく仕上げた上に、アメリケーヌソースを思わせるような、甲殻類のソース。それでも、その横には間に煮た椎茸を加えた中国風おこわで中国料理のバランスに。以前お邪魔した際も感じたのですが、Mokシェフは、洋の要素を取り入れるのがとても上手で、ワインと相性の良い料理が多い印象。ペアリングはRuinart のロゼ。甲殻類のソースとの相性も良いように感じました。
Pigeon Breast, Potato Kimchi Pie, Burnt Parsnip Puree by Chef Sun Kim (*Meta Restaurant, Singapore)
Waku Ghin の和久田哲也シェフの元で修業した、ミシュラン一ツ星のモダンアジア料理、MetaのSunシェフからは、フランス産の鳩。個人的にも大好きな西京味噌を塗ってオーブンで焼き上げ、ほんのり焦がした香ばしい甘みのパースニップのピュレとともに。自家製のキムチを挟んだミルフィーユを添えて。キムチというと、強烈な香りがしそうな感じですが、こちらはとても上品な仕上がりのキムチで、重なったジャガイモとすんなり溶け合っていました。ピュレの味噌のコクにキムチとの合わせ方は、ちょっとコチュジャンを思わせるバランスですが、あくまでもほのかにその雰囲気を感じる程度で、鳩本来の味の脇役として楽しめました。
Australian Wagyu Beef Char Siew, White Eel, Snap Peas, X.O.Sauce by Vicky Cheng (*VEA Restaurant, Hong Kong)
NYのDaniel などでキャリアを重ねたVicky シェフは、香港出身という自身のルーツを生かした、オーストラリア産の和牛のチャーシュー仕立て。しっかりと霜降りの入った和牛は、牛肉と相性の良いグリーンピース、そして焦がした香りも含めて、チャーシューのソースと印象が重なる、蒲焼仕立ての白鰻を添えて。
Banana Cake, Miso, Parsley Oil by Rishi Naleendra, (*Cheek by Jowl, Singapore)
デザートは、バナナケーキ。シンプルなネーミングにも関わらず、単調にならずしっかりと計算された一皿。バナナのビスケットの間にバナナのクリームを挟み、味噌のアイスクリーム、そしてパセリオイルを液体窒素で固めたものを散らして。パセリオイルがバナナにある青い香りを思い起こさせ、味噌が濃厚なコクを強調する組み合わせになっていました。
そして、Gastromonthでノミネートされた候補者の中から、"Favorite(お気に入り)"に選ばれたのはこちらの方々。
Innovative and Bold Restaurateur: Beppe de Vito (il Lido Group)
Innovative and Bold Chef: Pepe Moncayo (BAM!)
Favourite Restaurant Team: CUT by Wolfgang Puck, Marina Bay Sands
Favourite Restaurant Manager: Paul Joseph (CUT by Wolfgang Puck, Marina Bay Sands)
Favourite Street Food Vendor: A Noodle Story
Favourite Bartender: Boo Jing Heng (Tess Bar & Kitchen)
Favourite Sommelier: Daisuke Kawai (La Terre)
Les Amisを経た後に、自身のバーLa Terreで独立した、日本人ソムリエの川合大介さんが今年のWorld Gourmet Summit のBest Sommelier に続いて栄冠に輝きました。
川合さんは受賞後、シンガポール各界の名士や映画やドラマで活躍するスターたちを前に、この日提供されたワインについて、わかりやすくステージ上で解説しました。
(↑私のテーブルにも、テレビで有名な女優さん、俳優さんたちがいらっしゃいました。)
イベント自体は11月26日までの日程で、この他にも様々なダイニングイベントが行われます。
詳しくは下記の公式サイトをご覧ください!
<DATA>
■Gastromonth(ガストロマンス)
2017年10月30日〜11月26日
公式サイト:https://www.gastromonth.com
筆者
シンガポール特派員
仲山今日子
趣味は海外秘境旅行、現在約50カ国更新中。
【記載内容について】
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