ローマ発!地上の楽園!?アルプスのおとぎの国へ

公開日 : 2018年09月13日
最終更新 :

先日、山の上でバカンスしたいなと思いつき、イタリア最北部に位置するオーストリアの国境に近い街、ボルツァーノ(伊語:Bolzano)及びその周辺のレノン高原を訪れたので、前回のトリエステ旅行に続き旅の記録をご紹介させて頂きます。

※「ローマ発!興味深い国境の町トリエステを訪れて」はこちらからどうぞ!

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今回、訪れたボルツァーノは、2つの独立した県が一緒になった州「トレンティーノとアルト・アディジェ(伊語:Trentino-Alto Adige)」にあるアルト・アディジェ(伊語:Alto Adige)側の中心都市です。この特徴的な州の州都は、トレンティーノ(伊語:Trentino)側にあるトレント(伊語:Trento)になり、同州は特別自治州に指定され、イタリア国内には同様の自治州が5つあります。そして、それぞれ異なる性格を持った二つの県が広大な地域から成るため、場所によっては受ける印象も異なってきます。

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ボルツァーノに到着するとイタリアを離れていつの間にオーストリアへ行っているかのような錯覚に襲われ、言語的にもイタリア語とドイツ語が公用語となっているだけあって、2つの言語が街のあちこちで見かけることができます。実際、イタリアの歴史よりもオーストリアの遺産をはるかに受け継いでいることから、建物もイタリアという感じがしない特徴的な街でもあり、レストランやホテルもイタリア名とドイツ名が並び、紛らわしい印象を受ける。

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市内にあるボルツァーノの大聖堂(伊語:Duomo)やその街並みと少し郊外にあり、宮廷詩人たちが広く語り伝えたと言われる恋愛物語の「トリスタン物語」のフレスコ画で有名な中世の城であるロンコロ城(伊語:Castel Roncolo)もイタリアにはない雰囲気を醸し出している。

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中世より築かれたボルツァーノの街を中心としたチロル地方は、19世紀からバイエルン、オーストリア、ナポレオンのイタリア王国に次から次へと支配され、最終的にはオーストリアに帰属されるもの束の間で第一次世界大戦後にはイタリアに割譲されている。まさにイタリアらしさも垣間見えるオーストリアの街という雰囲気を作り出しているのかもしれません。

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児童文学の「アルプスの少女ハイジ」の場面にあるようなアルプスのおとぎの国をもっとも強く感じられるのが、雄大な山々に囲まれ、風光明媚な自然風景が広がるレノン高原(伊語:Altopiano Renon)がその一つだろう。

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アルプスの連なる山々から発するエネルギーを感じながらハイキングする場所で知られています。このレノン高原へは、ボルツァーノの街よりロープウェイで高原ハイキングへの入口となるソープラボルツァーノ(伊語:Soprabolzano)まで約12分程度で結ばれ、ソープラボルツァーノから乗車できる100年以上の歴史を持つレノン高原鉄道もまたこの高原ハイキングを充実させてくれる。

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この高原地域は、比較的イタリア語話者が多いボルツァーノと違ってドイツ語話者が中心になっていることからホテルやレストランも主にドイツ語で標記されている。また、この地を訪れるならレノンの土柱(伊語:Piramide di terra del Renon)は外せないだろう。侵食という自然現象が作り出したこのレノンの土の柱は、塔の上に帽子を被ったような形状が特異な印象を受ける。日本では徳島県にある阿波の土柱、アメリカ合衆国のブライスキャニオン国立公園の土柱と並んで、「世界三大土柱」の一つとして取り上げられているようだ。

Piramide di terra del Renon.jpg

高原ハイキングを中心に旅するなら是非、レノン高原内にあるペンション滞在がお勧めです。高原にあるペンションの宿泊料金にリッテンカード(ドイツ語の"リッテン=Ritten"は、イタリア語のRenonを意味し、レノンとなる)が含まれているペンションが多いので、このカードを使えば、滞在期間中に高原鉄道やロープウェイへの乗り放題、さらにボルツァーノ市内の博物館等の観光施設が無料で入場できるという嬉しいメリットを受けることができる。

※Ritten Cardについてはこちら

Costalovara, Bolzano_4.jpg

また、華やかなクリスマスマーケットと雪化粧した山々と煌びやかで美しい白銀の世界を持つことから"イタリアのクリスマスの都"でも知られているボルツァーノは、避暑地として有数の山岳リゾートとしての楽しみだけではなく、冬でもまた違った顔を覗かせてくれるので、タイミングが合えば再度、訪れてみたいものだ。

Lago di Costalovara.jpg

【アクセス方法】

ローマより1日1便のイタロ(伊語:ITALO)が運営する特急利用にて約4時間45分。トレニイタリア(伊語:Trenitalia)は1日5便で約4時間30分。又は、ベローナ経由にて普通列車にて約2時間30分とアクセスも可能。

筆者

イタリア特派員

田澤 龍太郎

現地でサッカーを中心にしたスポーツ留学サポートや旅行アシスタントやコーディネーター等と現地在住の強みを活かした仕事をしながらどっぷりと濃いローマライフを満喫中。

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