今と昔のコントラスト!地下鉄から永遠の都ローマを垣間見る

公開日 : 2018年02月22日
最終更新 :

皆さん、初めまして!このたび「地球の歩き方」イタリア/ローマ特派員ブログを担当することになりました"田澤 龍太郎(たざわ りゅうたろう)"と申します。

ここイタリアの首都であり、永遠の都として知られるローマには、2012年より住み始めましたのですが、最初のローマ滞在1年を経て、仕事や勉学の関係でイタリア各地を転々と暮らしながら、最終的に2年前ぐらいから再び、ローマに戻ってきました。これも1960年に公開されたフェデリコ・フェリーニ監督の映画「甘い生活 (La Dolce Vita)」のワンシーンにもあるように、あの有名なトレビの泉でコインを投げたお陰なのかもしれません。

fontana_di_trevi_3.jpg

数々の歴史を積み重ねた建造物が街の中で今でも誇らしげに凛々と構えているイタリアの首都ローマは、そんな儚い歴史とそこに住む人々が共存している街です。そんなローマには、路線が蜘蛛の巣のようにあちこちへ散らばる複雑な東京の地下鉄という程ではありませんが、旅行者の足としてもちょっとした便利な地下鉄があります。今回は、この地下鉄を通して、ローマという街の魅力とも言える一部分を解剖させて頂きたいと思います。

Roma_metro.png

たったの3路線と首都にしてはとてもシンプルです。

ローマを走る地下鉄は1955年に開通され、現在はA線(赤)とB線(青)、C線(緑)があります。2014年になってようやく開通したC線も路線を拡大中です。(注意:上記写真でC線の緑の白抜きライン部分が現在拡張中の路線になります。)そもそもC線は2007年から工事が開始されましたが、予算もなく、工事が何度も中断する等、思うように拡大されていません。その上、ローマは数々の貴重な遺跡がまだ地下に眠る街ですから遺跡が見つかる度に考古学調査が始まることからそう簡単に工事できない複雑な事情もあります。

closseo_metroc.jpg

もし、C線の路線が拡大されれば、主な観光施設へのアクセスがスムーズになるだけではなく、A線やB線への乗り換えがスムーズになることであちこちへ移動するのもこれまで以上に容易になることから一気にインフラが進み、地元の人たちだけではなく、旅行者にとってもかなり便利になることは間違いないのです。もう1本路線が加わるだけでインフラが一気に進むのもローマという街ならではで、それは大きな意味を持つのですが、やはり経済力を持つ国々の首都を走る地下鉄と比較すればここローマは地下鉄ができてから半世紀以上の歴史を経ているにも関わらず、極めて少ない路線数です。

metroc.jpg

ローマは地下鉄の路線が少ないこともあって逆に路線が非常に複雑なバスが細かくカバーしていますが、バスと比較しても渋滞や遅延のストレスが少ない地下鉄はやはり、旅行者には分かりやすく、地元ローマっ子にとってもフットワークがとても快適です。

ただ、残念なことにここ首都ローマの地下鉄にはスリが良く出没します。

イタリアのテレビ番組でも毎回、取材者が身体を張って掏られる瞬間を見つけてはその手口をクローズアップしています。もちろん、テレビ番組では警察も呼ぶので、その撮影した様子を見せることで現行逮捕ということになります。特にラッシュの時間帯等、人混みのある地下鉄はスリにとって格好のターゲットが存在しており、実際に多くの旅行者が被害に遭われています。普段と違う景色に遭遇できる年に何回かの旅行で羽を伸ばす気分に浸かるのも分かりますが、ただいつもより常に注意深く堂々と歩いていれば、スリのターゲットとなる可能性は少なくなるので、そこをしっかり身構えて行動すれば良いでしょう。

永遠の都と呼ばれるローマ。やはり、地下鉄を作るのも困難なのも地上だけではなく、地下にもまだ3000年以上の貴重な歴史がいくつも眠っているからで、そこに永遠の都と呼ばれるゆえんの歴史的ロマンの一部を感じられます。

ローマを訪れる際には、地下鉄(メトロ/Metro)を意味する"M"の案内文字を探しながら、地元の人の足である地下鉄を利用して、悠久の歴史と共に時を過ごすローマっ子の気分に乗りかかって、効率よくローマ市内を観光してはいかがでしょうか?

metro_repubblica.jpg

筆者

イタリア特派員

田澤 龍太郎

現地でサッカーを中心にしたスポーツ留学サポートや旅行アシスタントやコーディネーター等と現地在住の強みを活かした仕事をしながらどっぷりと濃いローマライフを満喫中。

【記載内容について】

「地球の歩き方」ホームページに掲載されている情報は、ご利用の際の状況に適しているか、すべて利用者ご自身の責任で判断していただいたうえでご活用ください。

掲載情報は、できるだけ最新で正確なものを掲載するように努めています。しかし、取材後・掲載後に現地の規則や手続きなど各種情報が変更されることがあります。また解釈に見解の相違が生じることもあります。

本ホームページを利用して生じた損失や不都合などについて、弊社は一切責任を負わないものとします。

※情報修正・更新依頼はこちら

【リンク先の情報について】

「地球の歩き方」ホームページから他のウェブサイトなどへリンクをしている場合があります。

リンク先のコンテンツ情報は弊社が運営管理しているものではありません。

ご利用の際は、すべて利用者ご自身の責任で判断したうえでご活用ください。

弊社では情報の信頼性、その利用によって生じた損失や不都合などについて、一切責任を負わないものとします。