ローマの地下鉄C線サン・ジョヴァンニ駅がオープン!

公開日 : 2018年05月22日
最終更新 :

5月12日(土)にローマの地下鉄C線の「サン・ジョヴァンニ駅」が遂にオープンしました!サン・ジョヴァンニ駅は、地下鉄C線の22個の駅の中で最も中心部に近い駅です。元々あった地下鉄A線のサン・ジョヴァンニ駅と連結することにより、ローマ郊外(東側)から中心部の移動がより便利になりました。

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↑ オープンしたばかりの地下鉄C線サン・ジョヴァンニ駅です!

写真右側の天井からぶら下がっている駅構内の表示に緑色の線が入っていますが、こちらはローマに3本ある地下鉄をそれぞれ表すシンボルカラーです。地下鉄A線は赤色、B線は青色、新しいC線は緑色となります。色を覚えておくと大きな駅での乗り換えの際に便利です。駅構内では、床や壁などに色別に路線情報が表示されています。

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↑ 緑がシンボルカラーの地下鉄C線の路線図です。ローマは地上部のみならず地下にも遺跡が多く、地面を掘ると何らかの遺構にあたります。今まで地下鉄はA線とB線のたったの2本しかありませんでした(最初に開業したのは地下鉄B線で1955年に運行開始。続いて1980年開通のA線)。

そして、3本目の地下鉄C線を作りましょうということになり、2007年から工事が始まりました。2007年当時、地下鉄C線の着工のニュースを興味深く聞いていたので、もうあれから10年も経ったかと思うと非常に感慨深いです。工事現場を毎日覗いていました。工事は全く進んでいない日が往往にしてあり、失礼ながら、30年はかかるだろうと思っていた位です。

地下鉄C線は、上記のマップで見ると、右側の部分がまずは2014年10月11日に第一弾としてごっそりオープンしました。その後も西へ西へと掘削工事が進められ、今月の5月12日にはサン・ジョヴァンニまで完成しました。

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↑ 新しく出来た地下鉄C線サン・ジョヴァンニ駅構内には遺跡なども展示され、さながら博物館のようになっています。

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↑ 古代のこの場所について詳しく説明がされています。立ち止まって見て行く人も多いです。

今まで、"ローマは首都なのにどうして地下鉄がA線とB線の2本しかないの?不便じゃない?"と聞かれることも多かったですが、建国から3000年と長い歴史を持つローマは、地面を掘ると高確率で何らかの遺構にあたります。一番新しいC線の工事中も、"今日の午後、〇〇駅と〇〇駅の区間を掘っている最中にローマ時代の貯水槽が出て来ました。これは考古学的に重要な価値があるものと推測されます。詳しい研究が待たれます。"などどしばしばニュースになっていました。これではすいすい工事が進むことの方が不思議かもしれません。

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↑ 土の見本とともに、時代ごとの地表の高さの移り変わりを知ることが出来る楽しいパネルです。ローマ帝国初代皇帝アウグストゥス帝の時代(紀元前27年~紀元14年)は、ローマのこの場所の地表は今より15メートルも下にありました!もっと大昔の旧石器時代ですと、今より地表が27メートルも下になっています。

地下鉄C線がサン・ジョヴァンニ駅まで開通したことにより、宿泊費を抑える為にローマの郊外のホテルに宿泊する観光客さんがタクシーやバスを使わずに、手軽に市中心部へ出ることが可能になりました。しかしながら、個人的には、治安の面では中心部の宿泊施設にご滞在されることをおすすめします。

地下鉄C線の営業時間は5時30分~23時30分(金・土曜日は深夜1時30分まで)で、予定では12分ごとの運行となります。これから住民の地下鉄の利用が増えることにより、ローマの交通渋滞やスモッグが減ることが予想されています。それではローマでの良いご滞在を!

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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