【ユーロ通貨圏】新しいデザインの10ユーロ紙幣が流通し始めています!(9月23日より流通開始)

公開日 : 2014年11月03日
最終更新 :

ユーロ圏では、2014年9月23日より新10ユーロ札が流通開始となっています。

筆者は昨年の5月に新しくデザインが変わった、新5ユーロ札に苦い思い出(?)がありますので、今日はその反省を踏まえ、新10ユーロ紙幣について読者の皆様にもお知らせしたいと思います。

9月23日から流通開始になりましたが、先月の半ば頃に初めて、この新10ユーロ札をスーパーマーケットでお釣りとして手に入れました(!)。

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↑ 新しい10ユーロ札です。色は前の10ユーロ札に比べると、ちょっとギョッとする様な、どぎついサーモン色です。(オレンジ色の色味が前の紙幣に比べると強い模様)

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↑ こちらの写真をご覧下さい。よりパワーアップした "透かし" を強調した写真です。

紙幣を表側から見ると、左側部分にエウロぺ(Europa)というお姉さんの"透かし"が入っています。エウロペはギリシャ神話に登場するフェニキア(現在のレバノン辺り)の王女で、お使いの者と花を摘んでいるエウロペのあまりの美女ぶりに虜になってしまったゼウスは、真っ白の魅力的な牡牛に化けて近づき、誘惑し、背中に乗せて連れ去ってしまいました。連れ去りながら、牡牛はヨーロッパ大陸を駆け回ったことから、"ヨーロッパ" という名前の由来となりました。そんなエウロペさんがヨーロッパを象徴するイコンとして入っています。

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↑ 具体的には、紙幣のエウロペお姉さんの肖像は、イタリア南部から出土した古代の壺(所蔵:ルーブル美術館)に描かれていたものより使用されています。

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↑ こちらも新紙幣のパワーアップした、"ホログラム" (紙幣の右側部分)を強調した写真です。 "ホログラム" の上から2番目の部分にエウロペお姉さんが入っています。

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↑ 新しい10ユーロ札です。写真左側が表側、右側が裏側です。新10ユーロ札は、偽造対策が非常に強化されています。デザイン変更で一番目に付くのは、紙幣上の、"10"という部分の色がより分かりやすいはっきりとした色になっています。(下に現行の古い写真も添付しますので、是非比べてみて下さい)

デザイン自体も変わっていますが、新紙幣は表面に特殊コーティングがされる為、パリパリとした触感となります。このハードなタッチ感が、昨年、筆者を惑わせたのでした。(理由は後述)

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↑ こちらが現行の古い10ユーロ札です。同じく、写真の左側が表側、右側が裏側です。

全体的に薄いピンク色で、偽造対策も3ヶ所と弱いです。

ヨーロッパでは、2002年に欧州単一通貨としてユーロが導入されましたが、この12年の間に、ならず者達による偽装技術はますます高くなりました。しかし、偽装を防止する方の技術も開発が進み、負けてはいません。

この現行の古い紙幣はパリパリ感はなく、しっとりしたタッチ(?)です。一方、新紙幣の売り所は、使い込んでもフレッシュでハードなタッチです。

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↑ お財布の中にあった、現行の古い10ユーロ札と新5ユーロ札です。表側の写真です。

ユーロ紙幣の新デザインは、"エウロペ (Europa)" シリーズと命名され、昨年の新5ユーロ札、今年の新10ユーロ札と段階的に新紙幣へと移行中です。将来的には、残りの20ユーロ、50ユーロ、100ユーロ、200ユーロ紙幣も新しいものに変わって行きます。新デザインのテーマは、"時代と建築様式" です。

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↑ 裏側の写真です。

使い込んでもシワになりにくく、パリッとした新紙幣の耐久性(下部の5ユーロ札)が見て取れます。

筆者は昨年の5月に新5ユーロ札が流通し始めた際に、コピー屋さんで初めてお釣りに貰ったのですが、新紙幣発行のニュースを知らなかった為、偽札をつかませられたとすっかり勘違いし、お店の人に確認し恥ずかしい思いをしたことがあります。このパリパリ感が曲者で、偽札っぽい(?)のです。色もカラーコピーをしたかの様なはっきり目です。

(勘違いした背景には、友人がその少し前に20ユーロ札の偽札をつかまされたことと、ヨーロッパで流通している偽札の50%がナポリで印刷されている!というニュースを小耳に挟んだことからです)

偽札の75%が20ユーロ札と50ユーロ札だといわれています。(ご注意下さい)

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↑ 偽造防止を強化する為の新しい工夫は、"触って、見て、傾けて (Feel, Look, Tilt)" にあるということです。

"触って、見て、傾けて" みることにより、本物のお札かどうかチェックできるポイントがあります。

傾ける⇒ 紙幣表側の右側に、エウロペお姉さん、窓、ユーロマーク、額面の数字が見える。また、左下に隅にある、"5"の文字上に反射する光が上から下に移動して行く。移動すると共に、数字の色がエメラルドグリーンから濃い青色に変わる。

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↑ "触る、見る、傾ける" ことでチェックできます!

触る⇒ パリッとしてしっかりとした触り心地。お札の両端には浮き上がった一連の筋があります。額面の数字などの印刷は少し厚めに感じられるそうです。

見る⇒ 光に透かして見ると、表側のEUのロゴの下にエウロペお姉さんの肖像、額面の数字、"窓"が見える。中央の少し左寄りの部分に、紙面にすき込まれている縦のストライプが見える。

筆者

イタリア特派員

阿部 美寿穂

ローマからイタリアの日常やイタリア旅行に役立つ情報などをお送りしています。

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