第6回 リーガの日本ゆかりの地を訪ねる
みなさんこんにちは。今日は、意外と知られていないリーガの日本ゆかりの地をいくつかご紹介します。ラトヴィアは今年で建国100年と比較的若い国ですが、この間に日本とこんな繋がりがあったのかと驚く方もいると思います。ぜひ、リーガ観光の際の参考にしてみてください。
1 戦争博物館の日章旗
最初にご紹介するのは、リーガ旧市街にあるレンガ造りの「ラトヴィア戦争博物館」。ここには日本とラトヴィアの隠された関係を示す日の丸が展示されています。これは、1940年代後半、サハリン抑留中の日本人兵士を助けたお礼にとラトヴィア軍医・ブリウクス氏に贈られたものです。「祈武運長久」という文字と日本軍捕虜41名の署名が入ったこの日章旗は黒パンの中に挟んで密かに持ち運ばれ、40年以上もの間隠されたままだったそうです。
13世紀初頭のドイツ人によるリーガ侵攻・都市建設に始まり、リヴォニア戦争、大北方戦争、第1次・第2次世界大戦、そしてもちろん独立闘争...と戦争なしには語れないラトヴィアの歴史。そんな戦争の歴史の一部に日本人とラトヴィア人の友情にまつわるエピソードがあるのは何とも不思議な縁を感じます。こちらの戦争博物館は、特に20世紀の軍事品や写真・文書などのコレクションが充実しています。要塞の一角として14世紀に建てられた火薬塔も見どころです。
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ラトヴィア戦争博物館(Latvijas Kara muzejs)
・開館時間 4月~10月:10:00~18:00、11月~3月:10:00~17:00
・入場料 無料
・住所 Smilšu iela 20, Rīga
・ウェブサイトはこちら[](http://www.karamuzejs.lv/lkm/home.aspx?sc_lang=en)
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2 ブラックヘッド・ハウス
次は、リーガ旧市街でひと際目を引く「ブラックヘッド・ハウス」。主にドイツ人商人、その中でも独身男性だけが入会できたというギルドの会館で、1334年の建設当初は商人が扱うワインやはちみつ、穀物、リネンなどの保存場所として使われていました。17世紀までは女性が建物に入ることすら禁じられていたそうです。やがてダンスホール、コンサート会場、レセプション会場として開放されるようになり、2012年~16年までは大統領官邸としても機能していました。
外国から要人が訪れた際は、ほぼ毎回このブラックヘッド・ハウスでイベントがあります。日本の場合も同様で、「歴史の間(Historical Cabinet)」の入り口には2007年に天皇・皇后両陛下がブラックヘッド・ハウスを訪問された際の記念写真が飾られています。また、2018年1月には安倍総理もここを訪問し、祝賀ホールで昼食会が開かれました。
桃井かおりさん主演映画「ふたりの旅路」でも、夜のブラックヘッド・ハウスと市庁舎前広場が映るシーンがあり、独特の印象を与えています。
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ブラックヘッド・ハウス(The Black Heads House/Melngalvju nams)
・開館時間 火曜~日曜11:00~18:00
・入場料 大人6ユーロ 子ども3ユーロ(学生・シニア割引あり)
・住所 Ratslaukums 7, Riga, Rīga
・ウェブサイトはこちら
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3 神戸クロック
そして、知る人ぞ知る「神戸クロック」。リーガ市の姉妹都市である神戸市から1993年に贈られた時計台で、上の時計はラトヴィア時間、下の時計は神戸の時間を示しています。
リーガ市と神戸市は1974年から姉妹都市関係にあり、リーガ市は阪神淡路大震災の翌年、傷ついた子どもたちのためにリーガ動物園にいたメスの象「ズゼ」を贈ったことがあります。姉妹都市関係樹立40周年にあたる2014年には両都市の市長が相互に訪問するなど、リーガ市と神戸市の温かい関係は今でも続いています。
神戸クロックは新市街の「ラトヴィア芸術アカデミー」の角にあります。荘厳なゴシック建築が美しいアカデミーの建物も併せて眺めたいポイントです。
4 ウズヴァラス公園の桜
最後にご紹介するのは、ダウガヴァ川を挟んで旧市街の反対側にあるウズヴァラス公園(勝利公園:Uzvaras parks)。この公園には2012年に在ラトヴィア日本大使館が寄贈した桜の木が植えられており、市民の憩いの場となっています。
ここの桜が満開になるのは毎年4月下旬~5月上旬頃。この時期になるとたくさんの見物客で溢れます。ラトヴィアでは公共の場での飲酒が禁止されているのでお酒を飲みながらのお花見はできませんが、ピクニックをしたり、写真を撮ったりして楽しむのは万国共通のようです。
ラトヴィアと日本はこれからもきっとたくさんの繋がりを築いていくことでしょう。「日本ゆかりの場所」はリーガ以外にもありますが、それはまた今度紹介させていただきます。
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